2017年5月1日号 Last updated on April 15, 2017
特報
 オリエンタルランド、TDRの大規模開発を開始。

 イオンファンタジー、時間制含む「よくばりパス」を導入。

海外
 米国AMエキスポ17にバンナム、セガ社からも新作。

 香港ディズニーに米国ディズニー社が追加計画の提案。

国内
 セガサミー東京本社機能、18年秋に集約の予定。

 ホープに対し東京地裁が特別清算開始を決定。


2017年5月1日号のニュースダイジェスト
 写真はジャパンアミューズメントエキスポ(JAEPO)2017にて、上はバンダイナムコエンターテインメントの「ガンバレットX」、下はタイトーの「電車でGO!!」を紹介しているところ。

 小社の単行本「それは『ポン』から始まった」は、14年4月以来品切れになっていましたが、増刷し、15年3月に販売を再開しました。購入ご希望の方は、上の広告をクリックして小社に直接お申し込み下さい。

30年前の主なニュース

 米国で4社目のフリッパーメーカー、データイーストピンボール社が発足。JAMMAが警察庁に、遊技機規制の在り方について意見書を提出。神戸ポートピアランドに西独シーラー社の「BMR」が完成。セガ社が偽商号会社に警告した。(1987年5月1日号)

40年前の主なニュース

 米国でグレムリン社「ブロッケード」とラムテック社「バリケード」の商標めぐる訴訟が進行中。札幌のエイトレジャーはメーカー9社の協力を得て展示会を開催した。店頭ロケオペレーター協議会は自主規制などの方針を決めた。(1977年5月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.米国のAAMA/AMOA共催の「アミューズメントエキスポ2017」(ダラス、3月14-16日、うち展示会は15-16日)に、157社(前年151社)が471小間(409小間)に出展したが、米国東部の悪天候のため来場者は2,366人(2,584人)にとどまった。展示会は自動販売機用雑貨展「NBVA」と光線銃で対戦する「レーザータグ」競技大会を含むもので、入場は登録制(非会員で早割150ドル~当日500ドル)。AAMA/AMOAそれぞれの展示会が終わり、その代わりに10年に新発足した展示会で、これで8回目となる。しかし、毎年11月下旬にフロリダ州オーランドで開かれる遊園地関係の「IAAPAアトラクションズエキスポ」がますます大規模になってきているのとは裏腹に、縮小傾向は否定できず、改善される見通しもない。

 .【米国アミューズメントエキスポ17の続き】日本のメーカー関係では、バンダイナムコアミューズメント・アメリカ社がロウスリルズ社「スペースインベーダー・フレンジー」などを、またセガアミューズメント・インターナショナルが「デイトナ3・チャンピオンシップUSA」、「レッツゴー・アイランド・ドリームエディション」などを紹介した。ロウスリルズ社は「クルージン・ブラスト」、「ザ・ウォーキングデッド・アーケード」なども出品した。インクレディブルテクノロジーズ社は「ゴールデンティー2017」を、中国のUNIS(世宇科技)は2人用VRゲーム機「オムニアリーナ」を披露した。スターンピンボール社は大きな液晶画面を使用した新作フリッパー「エアロスミス」、「バットマン66」を披露した。

 .イオンファンタジーは4月12日、17年2月期決算を発表、売上高は11%増の650億5千8百万円、経常利益は33%増の34億9千8百万円、最終利益は15%増の16億9千7百万円と3期連続の増収増益になった。2月末の店舗数は国内481店、海外(中国とアセアン)334店の合計815店(うちFCは16店)。新規出店は国内12店、海外70店の82店とやや絞り込んだ。国内の売上高は9%増の545億7千5百万円、営業利益は37%増の36億8千6百万円、海外の売上高は16%増の105億百万円、営業利益は28%増の8千2百万円。国内ではファンフィールドとの合併効果、海外での積極進出により業績は過去最大となった。18年2月期は海外で年間100店出店、国内で10店出店する予定で、売上高690億円、経常利益39億円、最終利益19億円を見込んでいる。

 .イオンファンタジーは4月7日、専用ICカードをゲーム機などにかざすと、一定時間ゲームをしたり、乗り物に乗ったりできる運営システム「よくばりパス」を、4月中旬から全国100店に順次導入すると発表した。硬貨作動式に代わる電子マネーの導入に際し、「時間制定額」という選択肢を加えるもので、「30分カード」(500円)、「60分カード」(千円)の2種類を貸し出す(百円のデポジットが必要だが、利用後返金される)。客は例えば60分カードを使って(遊び方によって異なるが)、クレーン機で500円分、「マリオカート」などのTVゲーム機と定置型乗物機でプレイし放題、メダル100枚の計3,000円分を楽しむことができるという。時間と料金が決まっているので、無駄遣いをしないなどの長所がある。2月に幕張新都心店など6店で先行導入された。時間制運営はこれが初めてではない(「JJクラブ100」の例がある)が、定着していない。

 .東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)を運営するオリエンタルランドは4月5日、TDLに新設する「美女と野獣エリア」(仮称)などの大規模な開発工事を開始した。16年10月に発表した開発計画に基づく起工式で、開発エリアは約4.7ha。TDL西側の「美女と野獣エリア」では、野獣の住む城をモチーフにした大型アトラクションを設置するほか、オリジナルのショーを披露するシアターも建設する。オープンは20年春の予定。またTDSでも19年に映像アトラクション「ソアリン」を新設する。総投資額はTDLとTDSの開園以来、最大規模の750億円となる。起工式でオリエンタルランドの上西京一郎社長は、「TDLとTDSの合計入園者数は4年続けて3千万人を超えており、大規模開発によって満足度を高めたい」と述べた。

 .拡張計画中の「香港ディズニーランド」に対し、米国ウォルトディズニー社は3月末までに3億5千万香港ドル(4千5百万米ドル)の追加増資案を提案、香港の立法会(議会)財務委員会で審議することになった。当初計画では計109億香港ドルの総工費を、ディズニー社と香港特区政府がそれぞれ54億5千万香港ドル負担する予定だったが、香港政府の負担を58億香港ドルに増やし、その代わりディズニー社が3億5千万香港ドル増資、その結果香港政府とディズニー社の出資比率は、53対47から52対48に変化し、また管理費の暫時負担なども改善するというもの。これらは香港議会で審議され、承認されれば、18~23年にかけてほぼ毎年1つ以上のアトラクションや新テーマエリアが誕生し、テーマエリアは現在の7つから9つに増える予定だ。

 .オリエンタルランドが経営する東京ディズニーランド(TDL)、東京ディズニーシー(TDS)の2パークの16年度(16年4月-17年3月)合計入園者数は前年比0.6%減の3千万4千人となり、2年連続して前年割れとなった。14年度はこれまで最高の31,377千人、15年度は30,191人。16年度はTDS15周年イベントと、新規ショー「クリスマス・ウィシュ・ジャーニー」などが人気を集めたが、上半期の台風や雨天の影響を受けた。一方、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の16年度入園者数は約5%増の1,640万人と過去最高を更新した。14年の「ハリーポッター」ゾーンなどアトラクションに加え、腹這い型コースター「ザ・フライング・ダイナソー」を16年3月にオープンしたことにより盛り上げた。

 .政府は3月31日の関係閣僚会議で、「カジノ解禁法」(統合リゾート法)の施行に伴う「ギャンブル依存症対策」を具体的に導入するため、家族からの申し出による利用制限や、過度の遊技を抑制する仕組みに取り組むことを決めた。このため公営ギャンブルやパチンコパチスロなどの遊技場への入場制限を強化することや、競馬場などに設置されているATMでのキャッシング、クレジットカードによるキャッシングを禁止することなどを挙げたほか、また遊技場での出玉規制を強化する必要性も指摘されている。全国11都市の約1000人を対象にした調査では、推計で全体の0.6%がギャンブル依存症にかかっている疑いがあることが判明、具体的に対策をまとめることにした。

 .セガサミーHDは3月31日、セガサミーグループの東京本社機能を、18年秋をめどにJR大崎駅近くのビジネスビルに、集約化する計画を明らかにした。移転するのは、現在羽田や東品川、東池袋などに分散しているセガサミーHD、サミー、セガHD、セガゲームス、アトラス、サミーネットワークス、ダーツライブなどを予定している。移転先は大崎駅南エリアで開発が進められており、大崎駅から徒歩6分の距離にある、西品川1丁目地区第一種市街地再開発事業内のビジネス棟(地上24階、地下2階、延床面積約178,000㎡)のうち8フロアの約44,000㎡を予定している。本社機能の集約化により効率的なグループ経営が図られるほか、事業間の連携、シナジー効果、人材交流の活性化が促進できるとみている。

 10.ナガシマスパーランド(三重県桑名市長島町、長島観光開発)に3月10日営業運転を始めたばかりの、スリルライド「4Dスピンコースター・嵐」で4月3日午前10時55分ごろ、巻き上げられた車両1両が30mの高さで約15分間停止したまま動かなくなった。安全装置が働いたためだが、その原因が分かるまで営業を停止した。その結果、座席の回転を止め、固定する装置の不具合が原因と判明、5日運転を再開した。三精テクノロジーズの子会社、米国S&Sワールドワイド社の製品で、米国の2機に続き、日本で初めて導入された。コース全長310mで最高部高さ34m、最大勾配90度あり、最高時速65kmで約1分間走り抜けるが、最大の特徴は、コース左右に取り付けられた座席が車両に固定されず、前後にフリースピン(回転)するところにある。1両2人×2×2の8人乗り。料金1,000円。

 11.㈱ホープが16年12月31日に㈱KHP(川崎市麻生区栗木2丁目、登記上東京都中央区日本橋3丁目、小野良文代表清算人)と社名変更、東京地裁は3月31日、KHPの特別清算開始を決定したことが分かった。負債は15年末現在で11億6千百万円。1952年4月設立の自動車メーカー「ホープ商会」が、オート三輪の「ホープスター」をヒットさせて「ホープ自動車」となり、74年3月に遊戯用小型乗物機の製造販売に転換し、「ワニワニパニック」(ナムコが販売)などゲーム機も製造、98年のピーク時売上高は31億7千8百万円あったが、AM市場の縮小と低迷により09年12月期売上高は10億円を割り込んでいた。分社化していたホープ・アミューズメントは16年9月に廃業。12月末の株主総会でKHPへ社名を変更、登記上本社も移転、特別清算開始を裁判所に申請していた。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2017