2016年12月1日号 Last updated on November 15, 2016
特報
 縮小続けてきたJAEPO出展社数、増加に転じる。

 米国ディズニー社通期決算は史上最高の収益更新。

海外
 中国・北京の「USB」、20年開業目標に本格工事。

 中国ワンダグループは米国プリミアライズ社と基本契約。

国内
 SNKプレイモア、12月から「SNK」のみに。

 セガサミー9月中間決算は、資産売却で大幅増益に。


2016年12月1日号のニュースダイジェスト
 写真はJAA主催の第13階アミューズメントマシンショー(1975年、東京・晴海)にて、上は協和ら屋外出展のようす、下は開会式で遠藤嘉一会長(日本娯楽機社長)を中心としたリボンカッティングのようす(未使用写真から)。

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30年前の主なニュース

 米国のAMOAエキスポ(シカゴ)でアタリゲームズ社「360度」、米国任天堂「VSスラローム」など披露。ゲーム場での前払いカードシステムの実験導入開始。賭博遊技場経営で最高裁が新判断。辰巳電子が「ロックオン」発売へ。(1986年12月1日号)

40年前の主なニュース

 米国シカゴのMOAエキスポに中村製作所など日本勢も出展。グレムリン社開発の新TVゲーム「ブロッケード」が注目された。本紙主催、初の米国視察ツアー実施。タイトーからTVガン「アタック」、米国ミドウズ社「ボムズ・アウェイ」発売。(1976年12月1日号) 



【ニユースダイジェスト】

 1.「ジャパンアミューズメントエキスポ」(JAEPO)2017(2月10-12日)には実質38社(前年は34社)が541小間(495小間)に出展する予定で、減少し続けた出展規模は増加に転じたことが分かった。10月28日の出展社説明会を経て、11月10日までに小間位置を確定した。AMショーとAOUエキスポの統合後5回目の展示・イベントで、今回初めてニコニコ動画「闘会議」との合同開催となり、会期も1日増え3日間になるが、会場自体は2ホールのまま。主な出展小間数は「プライズフェア」123(前回121)、セガ・インタラクティブ90、バンダイナムコエンターテインメント85、コナミデジタル50、スクウェア・エニックス/タイトー44(20)、カプコン20、北日本通信工業14(12)、フリュー12などほぼ前回どおり。前回まで出展したホープはなく、新たにバイキング10が出展する。海外からは中国の世宇科技(UNIS)4、韓国のアンダミロ2のみ。

 .バンダイナムコHDは11月8日、第2・四半期までの半年(4-9月)決算を発表、売上高は8%増の2,945億6千9百万円、経常利益は15%増の382億9千百万円、中間利益は33%増の301億7千万円と増収増益だった。部門別でトイホビーの売上高は12%減の911億円、営業利益は40%減の69億円、ネットワークエンターテインメントの売上高は22%増の1,797億円、営業利益は75%増の258億円、映像音楽の売上高は17%増の275億円、営業利益は36%増の80億円、その他の売上高は3%減の30億円、営業利益は10%増の5億円。うち業務用の売上高は12%増の298億円、ゲーム場は期末直営255店で売上高は5%増の307億円だった。17年3月期の業績予想は売上高5,900億円(5月の前回予想では5,800億円)、経常利益570億円(510億円)、最終利益390億円(350億円)と上方修正した。

 .セガサミーHDは11月2日、第2・四半期までの半年(4-9月)決算を発表、売上高は10%増の1,695億百万円、経常利益は164%増の154億7千5百万円、中間利益は242億5千百万円(前年同期は9億6千4百万円)だった。遊技機の売上高は7%増の649億円、営業利益は26%増の106億円、娯楽コンテンツの売上高は14%増の978億円、営業利益は437%増の91億円、リゾートの売上高は9%減の67億円、営業損失は13億円(12億円)。娯楽コンテンツのうちAM機器の売上高は9%増の225億円、営業利益は4倍の8億円、ゲーム場(189店)の売上高は1%増の190億円、営業利益は54%増の20億円。固定資産売却益など特別利益119億円を計上、大幅増益になった。17年3月期予想は売上高3,730億円(5月の前回予想は3,800億円)、経常利益270億円(200億円)、最終利益300億円(100億円)と修正した。

 .タイトーの親会社であるスクウェア・エニックスHDは11月8日、第2・四半期までの半年(4-9月)決算を発表、売上高は23%増の1,063億4千7百万円、経常利益は35%減の83億7千8百万円、中間利益は25%減の54億9千5百万円と大幅な増収減益だった。部門別でデジタルエンタテインメント(家庭用、PC用、スマホ用などのゲーム)の売上高は30%増の783億円、営業利益は6%減の121億円、アミューズメントの売上高は12%増の212億円、営業利益は4%減の20億円、出版の売上高は9%減の45億円、営業利益は10%減の9億円、ライツその他の売上高は18%増の30億円、営業利益は23%増の10億円。アミューズメントの業務用では「シアトリズム・ファイナルファンタジー・オールスターカーニバル」を販売、ゲーム場運営ではゲーム料金の電子マネー決済も56店に拡大するなど、堅調だったとしている。

 .ラウンドワンは11月10日、第2・四半期までの半年(4-9月)決算を発表、売上高は5%増の426億7千百万円、経常利益は13%増の20億6千3百万円、中間利益は63%増の9億6千7百万円と増収増益だった。店舗数は国内が2増6減の109店、米国が3増で11店、計1店減の120店。サービス別の業績はボウリング場が0.7%の減収、ゲーム場が10.9%の増収、カラオケが2.8%の増収、スポッチャが2.9%の減収だった。一方、札幌にあるSDエンターテイメントの中間決算は売上高が3%増の40億6千6百万円、経常損失が2千6百万円(前年同期は千7百万円)、中間損失は7千百万円(7千9百万円)と増収だが連続赤字だった。売上高のうち、ゲーム場は4%減の11億円、フィットネスが5%減の10億円、ボウリング場が14%減の4億円、映画館が8%増の4億円、その他が53%増の8億円だった。

 .フリューは11月11日、第2・四半期までの半年(4-9月)決算を発表、売上高は2%減の120億3千6百万円、経常利益は9%増の24億6千6百万円、中間利益は14%増の16億8千9百万円と減収増益だった。部門別でプリントシール機の売上高は2%増の42億円(1億円未満切り捨て)、営業利益は22%増の8億円、コンテンツ・メディアの売上高は6%増の39億円、営業利益は8%増の21億円、キャラクター商品化の売上高は20%減の27億円、営業利益は17%減の3億円、ゲームソフトの売上高は26%増の8億円、営業損失は3億円(前年同期は2億円)、出版その他の売上高は6%減の3億円、営業利益は1億円となっている。プリントシール機は7月に「アップ」を発売、用紙は前年同期の水準を維持した。

 .アドアーズは11月8日、第2・四半期までの半年(4-9月)決算を発表、売上高は2%増の113億4千5百万円、経常利益は75%減の5億3千2百万円、中間利益は1億3千3百万円(前年同期は4億2千9百万円の赤字)と増収で黒字回復した。部門別でゲーム場の売上高は6%減の71億円(1億円未満切り捨て)、営業利益は31%増の6億円、不動産売買などは売上高が3%増の29億円、営業利益は39%減の1億円、商業施設建築の売上高は約15倍の12億円、営業利益は5千万円など。ゲーム場は3店減の48店舗。9月に女性従業員による社内プロジェクト「リアルガールプロジェクト」を立ち上げ、渋谷にプリントシール専門店「カラーリリィ」を開設した。また主力のメダルゲーム機について、独自開発のビデオスロットマシンを導入、増収効果があったとしている。

 .米国のウォルトディズニー社(ロバート・アイガー会長兼CEO)は11月10日、第4・四半期(7-9月)決算と16年9月期(通期)決算を発表、第4・四半期の売上高は3%減の131億4千2百万ドル、純利益は10%増の17億7千百万ドルだった。主力だったケーブルTVが不振のため、四半期決算は6年ぶりに減収となった。通期決算では売上高が6%増の556億3千2百万ドル、純利益は12%増の93億9千百万ドルで、史上最高の収益だった。通期の部門別でメディアネットワーク(ケーブルTV)の売上高は2%増の236億ドル、営業利益は変化なしの77億ドル、パークス&リゾーツの売上高は5%増の169億ドル、営業利益は9%増の32億ドル、スタジオエンタテインメント(映画)の売上高は28%増の94億ドル、営業利益は37%増の27億ドルなどとなっている。

 .中国・北京にユニバーサルスタジオ・ジャパン(USJ)の約2倍の規模のテーマパークとホテル、複合施設を含める、「ユニバーサルスタジオ・ベイジン」(USB)が2020年開業を目指し、11月5日から本格工事に入る。米国のユニバーサルパークス&リゾーツ社と中国政府が、北京の東にある通州区(トンゾウ)市の用地4平方kmに「USB」とリゾートホテルなどを建設することで15年9月に合意、11月から北京建工集団が建設予定の土地を整備してきた。計画によれば、テーマパーク部分でハリーポッターエリア、トランスフォーマー、カンフーパンダ、ミニオン、ジュラシックパーク、ウォーターワールド、ハリウッド大通りなど7つのゾーンが設けられる予定。500億元(74億米ドル)の建設費用が見込まれている。21年から始まる第2期工事では第2パークの建設も予定されている。

 10.「上海ディズニーリゾート」に対抗して、中国でそれなりにテーマパークを展開している「大連万達集団」(ワンダグループ、王健林会長)は11月11日までに、米国の遊園施設メーカーである「プリミア・ライズ社」(本社メリーランド州バルティモア、ジム・シーイ社長)と基本契約を締結、プリミア社がワンダグループのテーマパークにとりわけ最新のアトラクションを供給、ワンダグループが中国のテーマパーク業界を主導する姿勢を打ち出したことを明らかにした。プリミア社は1994年設立の世界的な遊園施設メーカーのひとつで、特にリニア誘導モーター(LIM)を使った、ユニバーサルスタジオ・フロリダとハリウッドの「リベンジ・オブ・ザ・マミー」(2004年)、シックスフラッグス・マジックマウンテンの「フルスロットル」(2013年)など、「世界初の」ローラーコースターの開発で話題を集めている。

 11.セガサミークリエイション(小口久雄社長兼CEO)は11月9日、同社開発のカジノ用ゲーミング機「シックボー・ボーナス・ジャックポッド」をマカオのカジノリゾート「スタジオ・シティ」に設置、10月20日から運営開始となったことを明らかにした。この機械はマカオ市場で人気のある「大小(シックボー)ゲーム」をもとに、3つのダイスの出目の合計数や大小を予想してBetする(賭ける)ことができるよう開発されたもので、全長4m以上の大型キャビネット、浮遊するダイスの演出、画面映像と色彩に富むLED効果を加え、カジノフロアに華々しい活気を与えるものになった。マカオではカジノリゾート「ベネシアン・マカオ」に次ぐ2台目の設置、稼働になる。セガサミークリエイションはセガサミーHDのカジノ機器の製造・販売子会社として、13年6月に設立された。

 12.㈱SNKプレイモア(本社大阪府吹田市、外山紘一社長)は11月1日、1ヵ月後の12月1日付で㈱SNKに社名変更すると発表、前身の旧SNKのロゴを引き継ぐことになった。ドメインもSNK-Corpに変更する。前身の新日本企画は73年創業、78年設立で、80年ごろからSNKを商標に採用、86年に社名をエスエヌケイ(SNK)に変更。しかし00年にアルゼの子会社になって、01年に民事再生を申請したが、再建をやむなく断念。その間01年設立のプレイモアが旧SNKの知的所有権を買い取り、03年SNKプレイモアと社名も変更、そして15年8月に中国のレド・ミレニアム社の子会社となった。16年4月付でコーポレートロゴとコーポレートメッセージ「ザ・フューチャー・イズ・ナウ」を引き継ぎ、国内外での「SNK」ブランドの価値向上を図ることにし、その仕上げとしてSNKへ社名変更するもの。
 




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2016