2016年9月1日号 Last updated on August 15, 2016
特報
 バンダイナムコ4-9月期、大幅増益で中間期上方修正。

 タイトー来春、液晶3画面の「電車でGO!!」発売予定。

海外
 アトランチックシティの「トランプ・タージマハル」の閉鎖10月に。

 米国ウォルトディズニー社4-6月期、映画伸ばし好調。

国内
 4-6月期、セガサミーは黒字回復、R1は最終赤字に。

 コナミ、業務用を遊技機子会社に11月集約。


2016年9月1日号のニュースダイジェスト
 写真はリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック2016開催中、選手村(下)に設置された「マリオ&ソニックATリオオリンピックアーケード」(上)のようす。
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30年前の主なニュース

 米国FBIはファコウェスト社の無断コピー違法基板69枚を押収した。米国任天堂は「NES」(ファミコンの米国仕様版)の本格的発売を開始した。カプコンは開発用ビルを披露した。西武百貨店・池袋のイベント展で世界初のTV機などが紹介された。(1986年9月1日号)

40年前の主なニュース

 米国MOAショーは出展社増に伴い、会場を増やすことになった。任天堂は西日本「レーザークレー」射撃大会を開催した。中村製作所は小型化したレーシングマシン「F1」を、またセガ社はカラーTVガンゲーム「ロックンパーク」を発売した。(1976年9月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.セガ・インタラクティブは8月10日、ブラジルのリオデジャネイロで開催中のオリンピック、パラリンピックのメーン会場となったリオデジャネイロ市西部バーラ地区の選手村に、セガ社業務用「マリオ&ソニックATリオオリンピック・アーケードゲーム」(2月発売)を数台設置、アスリートと関係者に楽しんでもらっていることを明らかにした。オリンピック開催中、選手村に業務用ゲーム機などを設置する例はこれまでもよくあるが、今回のオリンピック大会では、インタラクティブソフトウェアに関して独占的なライセンシーとなっているインターナショナル・スポーツ・マルチメディア社(ISM、本部米国ジョージア州)が許諾、任天堂の協力を得て実現したとのこと。なお、同ゲームの任天堂「3DS」、「Wii U」用もセガ・インタラクティブから発売されている。

 .米国ウォルトディズニー社は8月9日、第3・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は9%増の142億7千7百万ドル、純利益は5%増の25億9千7百万ドルだった。9ヵ月(10-6月)決算ではそれぞれ9%増の424億9千万ドル、13%増の76億2千万ドルと大変好調だった。部門別3ヵ月決算ではメディアネットワーク(CATV、衛星放送)の売上高が2%増の59億ドル、営業利益が変わらずの23億ドル、パークス&リゾーツ(テーマパーク)の売上高が6%増の43億ドル、営業利益が8%増の9億ドル、映画の売上高が40%増の28億ドル、営業利益が62%増の7億ドル、消費者向け製品の売上高が1%減の11億ドル、営業利益が7%減の3億ドル。CATV事業が伸びず、テーマパーク、映画事業のヒットによりアナリストたちの予想を上回る結果となっている。

 .バンダイナムコHDは8月4日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は5%増の1,447億9千2百万円、経常利益は22%増の229億4千8百万円、純利益は33%増の185億2百万円と増収で大幅な増益だった。分野別ではトイホビーの売上高が15%減の424億円(1億円未満切り捨て)、営業利益は43%減の29億円、ネットワーク娯楽の売上高は19%増の913億円、営業利益は64%増の171億円、映像音楽の売上高は19%増の136億円、営業利益は45%増の45億円、その他の売上高が6%減の61億円、営業利益は27%減の1億円。ゲーム場は5増2減の247店を運営、業務用ゲーム機・景品は122憶円販売した。9月中間期(4-9月)業績予想は、売上高2,900億円(5月の前回予想では2,750億円)、経常利益320億円(235億円)、純利益240億円(165億円)と大幅に上方修正した。

 .セガサミーホールディングスは8月2日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高33%増の706億3千4百万円、経常利益は29億8千5百万円(前年同期は87億6百万円の赤字)、純利益は41億千百万円(79億6千万円の赤字)と大幅増収で黒字回復した。分野別では遊技機の売上高が115%増の212億3千9百万円、営業利益が3億4千3百万円(67億5千9百万円の損失)、娯楽コンテンツの売上高が18%増の467億円、営業利益が49億4千百万円(6億9千9百万円の損失)、リゾートの売上高が22%減の26億9千4百万円、営業利益が8億9千8百万円(5億9千百万円の損失)だった。娯楽コンテンツのうち、AM機器の売上高は18%増の103億円、営業損失は1億円、ゲーム場は1店減の193店舗で、売上高は1%増の88億円、営業利益は500%増の6億円。業務用で「艦これアーケード」が好調、ゲーム場でも国内既存店売上高が11%増で好調だったとしている。

 .タイトーの親会社であるスクウェア・エニックス・ホールディングスは8月5日、第1・四半期(4-9月)決算を発表、売上高は21%増の511億9千3百万円、経常利益は33%減の64億4千6百万円、純利益は11%減の53億3千6百万円と大幅増収にもかかわらず減益だった。分野別でデジタルエンタテイメント(家庭用、スマホ用)の売上高は24%増の375億円、営業利益は16%増の94億円、アミューズメント(ゲーム場、業務用機器)の売上高は22%増の103億円、営業利益は12%減の8億円、出版の売上高は16%減の22億円、営業利益は19%減の5億円、その他(知的所有権)の売上高は2%増の14億円、営業利益は33%増の5億円。デジタル娯楽で伸ばした。業務用は「ガンスリンガーストラストス3」などの販売が好調、ゲーム場運営も好調だったとのこと。

 .ラウンドワンは8月8日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は8%増の202億8千9百万円、経常利益は1億7千2百万円(前年同期は2億千6百万円の損失)、純損失は1億円(5億8千5百万円の損失)と増益だったが最終赤字だった。分野別はないが種別売上高は、ボウリング場が3%増の53億円、ゲーム場が13%増の94億円、カラオケが4%増の20億円、スポッチャが3%増の26億円、その他7億円と回復した。ゲーム場でTVゲーム「艦これアーケード」、メダルゲーム「フィッシング・スプライト」を積極的に導入、景品の構成も見直したとしている。店舗は国内113店、米国10店の計123店。ボウリング場、カラオケでは高校生6人組女性ボーカルグループ「リトルグリーモンスター」とのタイアッフを実施、来場促進に努めたとしている。

 .コナミホールディングスは8月5日、遊技機子会社の高砂電器産業を「コナミアミューズメント」と即日改称、吉崎祐司社長から沖田勝典社長にトップ異動するとともに、コナミデジタルエンタテインメントに属する業務用事業(ゲーム場用ゲーム機器の開発、販売など)を11月1日付で、パチンコ・パチスロなど旧遊技機事業の「アミューズメント」事業に集約することにしたと発表した。子会社間の事業再編に伴い、50億円の債務免除を実施する。旧高砂電器産業は56年大阪で設立され、88年以来パチスロ機を製造、03年にアビリットに社名変更(11年に再び高砂電器産業に戻す)、10年にコナミの資本傘下に入り、11年完全子会社になり、14年に本社を愛知県一宮に移転した。業務用はコナミのもっとも古くからの事業だったが、家庭用などの「BtoC」と異なり、「BtoB」を共通にする遊技機と一体化させるとのこと。

 .タイトーは8月8日、業務用「電車でGO!」(97年3月)発売20周年記念として、3画面の「電車でGO!!」を来春出荷、電車をつなげて消すパズルゲーム「連結!電車でGO!!」を今冬配信すると発表した。「電車でGO!!」は電車運転手の体験を一段と本格化するもので、独特の大きなボックス型キャビネットに、液晶3画面で運転手席からの光景を再現し、操作部分もマスコンなど本物を再現することにより、臨場感を楽しめるのが特徴で、日々の生活を支える運転手の日常を体験するのが狙い。意匠などJR東日本に商品化許諾を申請中で開発している。出荷後も、全国の有名鉄道・路線を追加していく予定。また「連結!電車でGO!!」は「ナノブロック」で知られるカワダとタイアップしたパズルゲーム。基本プレイ無料で、アイテム課金制。このほか、ジョルダンと提携した「乗換案内×電車でGO!!」も企画中とのこと。

 .米国共和党の大統領候補者である、ドナルド・トランプ氏がかつて所有し、今もその名を冠している、ニュージャージー州アトランチックシティのカジノホテル、「トランプ・タージマハル」(1,250室)が10月10日に閉鎖されることに決まった。8月7日に分かったもので、8月3日には9月5日のレイバーデー以降としか決まっていなかった。同カジノを所有していたトランプ・エンタテインメント・リゾーツ社は09年に破産法11条(チャプターイレブン)を申請、現在は所有する大富豪キャロル・アイカーン氏が持つ子会社トロピカーナ・エンタテインメント社が運営してきた。従業員の医療保険と退職金の不払いをめぐり7月以来、労働組合のストライキが続いており、カジノも毎月百万ドル(約1億円)の赤字経営が続いていることから、閉鎖は避けられないと見られていた。ニュージャージー州では北部のカジノ市場が認められると、アトランチックシティのカジノは大きな打撃となると見られている。

 10.米国ニュージャージー州の州議会で、クレーンゲームへの監視をするための法整備が提案されて話題になっている。 現地の週刊新聞「NJトゥデイ」の8月2日号によると、上院議員のニコラス・スクタリ氏が、子どもを主な客とするクレーンゲーム機で不正操作が行なわれている疑いがあり、「ゲーム・オブ・チャンス」(賭博)を規制するため州の監視機関による調査を行なう必要がある、として提案したもの。同州にはドナルド・トランプ氏が経営していて、倒産したカジノホテル「トランプ・タージマハル」があるアトランチックシティだけでなく、北部地区にカジノ市場を開発中で、州の賭博機規制委員会が常時監視しており、それと同じ仕組みでクレーンゲームの不正操作をなくするための委員会を設ける、という内容。クレーンゲーム機は不正操作されており、子どもたちが食い物にされている疑いが強い、と同上院議員は矛先をそらす気はさらさらなく、あくまでも監視体制を実現する構えにある。

 11.エスケイジャパンは8月3日、東京営業所などの移転・売却について明らかにした。固定資産の売却は4月に予告していたもので、結局のところ東京事務所は3億5千7百万円で売却、譲渡益1億5千7百万円が発生、福岡営業所も8千百万円で売却、5千2百万円の譲渡益が発生、合わせて2億千万円の売却益を特別利益に計上することになった。売却は12月末を予定しているが、売却先は先方の意向で公表しないとのこと。この特別利益計上に伴い、17年2月期の業績予想は売上高52億3千万円(変更なし)、経常利益7千6百万円(同)、最終利益2億7千7百万円(4月の前回予想では6千7百万円)と利益面で大幅上方修正、黒字回復を見込むことになった。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2016