2016年5月15日号 Last updated on May 1, 2016
特報
 米国アミューズメントエキスポは小規模だが多彩。

 「エキスポシティ」の観覧車は、7月1日営業開始の予定に。

海外
 米国ロースリルズ社は中国でのコピー対策に一応の成果。

 USハリウッドで「ハリポタ」エリアが完成した。

国内
 OLC3月期決算は減収でも連続最高利益で大型投資計画。

 任天堂は減収減益で、17年3月に「NX」投入予定。


2016年5月15日号のニュースダイジェスト
 写真は米国アミューズメントエキスポ16で、上はバンダイナムコアミューズメントアメリカ社が紹介したロースリルズ社との共同開発品「ギャラガアサルト」、下は米国アップル/フェイスプレイス社が披露したフォトブース「フォト・スタジオDX」。
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30年前の主なニュース

 米国AMOAが、並行輸入基板問題に関する見解をまとめた。AAMAの会長はJAMMA理事会で意見を述べた。米国任天堂は業務用「VSスーパーマリオ」の展開を開始した。フォルテ電子が破産、日本アミューズが倒産した。(1986年5月15日号)

40年前の主なニュース

 電子フリッパー「ロデオ」を使用したゲーム大会は、7地区の地方予選を経て、全国大会が東京・日比谷で開かれた。任天堂レジャーシステムがJAAに加入した。伊那音機など4社がJOUに加入した。(1976年5月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.米国のAAMA/AMOA共催の「アミューズメントエキスポ2016」(ラスベガス、3月15-17日、うち展示会は後の2日間)には、150社(前回は154社)が409小間(407小間)に出展、2,785人(2,895人)の業者が登録入場した。同じ会場内の自動販売機用雑貨展、「NBVA」を合わせても、166社(174社)による444小間(447小間)と小規模になる。日系企業のバンダイナムコアミューズメントアメリカ社はロースリルズ社との共同開発品「ギャラガアサルト」や、最新版の「ワックゼム・ファンキー・ゲイター」(ワニワニパニック)を披露、英国のセガアミューズメンツ社はカプコン協力の「ルイージズ・マンション・アーケード」や、「リオ・オリンピックゲームス」など紹介した。フリッパーはスターンピンボール社が「ゴーストバスターズ」を紹介。アップル/フェイスプレイス社は「フォトスタジオDX」ブースを紹介した。

 .米国ロサンゼルス郊外にあるテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド」に4月7日、ハリー・ポッターエリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」がオープンした。フロリダ州にある「ユニバーサル・オーランド・リゾート」、大阪の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)に次ぐ3ヵ所目の「ハリポタ」エリアの誕生で、その強力な集客力から、テーマパークの本家であるアナハイムのディズニーランドに本格的に対抗するものになった、と注目されている。ハリウッドではこのため、パスポート1日券の料金を115ドルに21%も値上げしたが、それでも「ハリポタ」エリアオープンに際してチケットは売り切れが続いたとのこと。ハリウッドの「ハリポタ」エリアは日本のUSJと同様、ホグワーツ城とホグズミード村で構成され、スリルライドの「フォービドゥン・ジャーニーSDHD」、「フライト・オブ・ザ・ヒッポグリフ」に人気が集まっている。

 .大阪府吹田市の大型複合施設「エキスポシティ」に日本一の高さを誇る観覧車の運営会社、フェリウスウィールインベストメント(本社東京、宮本裕司社長)が4月11日、「レッドホース・オオサカ・ホイール」の名称で7月1日から営業運転を始めると発表した。これにより、旧エキスポランド跡地に出来た、「エキスポシティ」の主な施設はすべて揃うことになる。観覧車の高さは123m(直径114.7m)、冷暖房付きゴンドラが72個(定員6名、すべてシースルー。うち2個はVIP構造)付いており、約18分で一周する。営業時間10時~23時。料金は未定。建設は設計から阪和興業が担当しているが、長崎のハウステンボス「白い観覧車」の資金調達を含めた、建設・運営プロジェクトを進めている、フェリウスウィールインベストメントが担当し、「エキスポシティ」の観覧車についても資産運用と運営業務を併せて行なうことになった。

 .オリエンタルランドは4月27日、16年3月決算を発表、売上高は0.2%減の4,653億5千3百万円、経常利益は1.2%減の1,092億千4百万円、最終利益は2.6%増の739億2千8百万円と、減収だが増益で5期連続の最高利益だった。東京ディズニーリゾートの入園者は4%減の3,019万千人。部門別でテーマパークの売上高は1%減の3,846億円、営業利益は4%減の916億円、ホテルの売上高は4%増の631億円、営業利益は5%増の138億円、その他の売上高は175億円、営業利益は16億円。15年4月のパスポート価格値上げに伴い、入園者が減少、減収になったが、増益だった。17年3月期は東京ディズニーシー15周年記念や16年4月のパスポート価格値上げにより、入園者と1人当たり売上高が増え、売上高4,799億円、経常利益1,105億円、最終利益768億7千万円を予想している。

 .オリエンタルランドは決算発表に伴い、20年度までの開発計画を決めたと発表した。同社では14年に、高い満足度を伴う入園者数を23年までに3千万人レベルにすることを目標にしたが、当初想定より早く進んでいると見て、20年度達成へと前倒しすることにしたもの。このため、東京ディズニーランドの「グランドサーキットレースウェイ」、「スタージェット」を16年度中に閉鎖、20年春までに大型アトラクション「美女と野獣エリア」(仮称、約320億円投資)と、ライブエンターテイメントシアター(名称未定、170億円)を建設する予定。また、ベイマックスをテーマにしたアトラクション(名称未定、60億円)、新キャラクターのグリーティング施設(名称未定、20億円)も予定する。19年度、東京ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーにアトラクション「ソリアン」(仮称、180億円)を建設する。年間5百億円規模の投資をしてこれらを実現、より魅力に満ちたテーマパークにする計画だ。

 .任天堂は4月27日、16年3月期決算を発表、売上高は8%減の5,044億5千9百万円、経常利益が59%減の287億9千万円、最終利益が61%減の165億5百万円と大幅な減収減益だった。海外売上高は3,689億円で、全体の73%。「3DS」は本体が679万台(前年873万台)、ゲームソフトが4,852万本(6,274万本)、「Wii U」は本体が326万台(338万台)、ソフトが2,736万本(2,440万本)、「アミーボ」はフィギュア型が2,470万体、カード型が2,890万体それぞれ売れたが、「どうぶつの森・ハッピーホームデザイナー」など「3DS」用や、「スプラトゥーン」など「Wii U」用の大型タイトルが比較的少なく、伸ばせなかった。外貨建て資産の期末評価で為替差損が183億円発生した。17年3月期の業績は売上高5千億円、経常利益450億円、最終利益350億円を見込んでいる。

 .任天堂は決算発表とともに、次世代ゲーム機「NX」(開発コード名)について、17年3月発売を目指して、現在開発を進めていることを正式に発表した。据え置き型のゲーム機では、12年12月発売の「Wii U」以来となる。任天堂によると、「まったく新しいコンセプトのゲーム機で、ソフトウェア主導でハード・ソフト一体型のユニークなビジネスを経営の中核にしていく」とのことで、具体的な説明は避けた。ただ任天堂では「ゲーム人口を拡大する」としてきた基本方針を、さらに進めてその「IP(知的財産)に触れる人口を拡大する」ことに注力していくとのこと。「NX」の仕様その他についても、具体的に説明できる段階になれば、発表される見込みだ。「NX」の16年度中発売により、「Wii U」と「3DS」の販売台数はそれぞれ少なくなると見られている。

 .セガサミーHDは4月28日、16年3月期業績予想を売上高3,479億円(12月の前回予想では3,550億円)、経常利益を164億円(100億円)、最終利益を55億円(20億円)に修正した。一部遊技機の販売時期を次年度に延期したり、家庭用などで投入スケジュールを延期したりしたものがあり、売上高は前回予想を下回る見込みになった。しかし、特に遊技機において原価改善策や営業費用の節減を進めた結果、利益率が大幅に改善された。なお、アミューズメント機器分野で第4・四半期販売タイトルが堅調だったことや、アミューズメント施設の運営強化に伴う既存店舗売り上げは好調だった。このため、利益面では前回予想を上回る見込みになったとしている。

 .米国のロースリルズ社は4月21日、中国・番禺(パンユー)の知的所有権保護チームによって、中国における同社製品のコピー品メーカーが一斉に閉鎖された、と発表した。同社によるとこのチームには、現地のSIPS、中国の著作権局、そして元FBI捜査官のボブ・フェイ氏が含まれているとのこと。中国のコピー品は品質が悪く、国際的な電気製品安全規格にも達していない、と同社のマーク・ストロー販売担当は説明している。ただし、閉鎖したメーカー名は明らかではない。ロースリルズ社は2001年、TVゲーム開発で知られるユージン・ジャービス氏を代表に設立、1995年設立のプレイメカニックス社と06年に合併した。最近の主な製品に、「ジュラシックパーク」、「ターミネーター・サルベーション」、「スノクロス」、「カンフーパンダ」、「モトGP」、「ビッグバックHDワイルド」などがある。

 10.バンダイナムコエンターテインメントは4月26日、業務用ゲーム機「ディズニー・マジックキャッスル・まほうのハッピーミラー」を発売した。これは女の子が魔法の鏡を覗き込むことで、マジックキャッスルの世界に入り、「ソフィア」、「アリエル」、「シンデレラ」、「ミニーマウス」という4種類の人気キャラクターから1人選択し、その衣装にドレスアップするというもので、宝物を奪ったお化けを、杖を使って退治し、宝物を取り返すゲームを行なう。ゲーム中のようすを撮影し、その中の一枚をプリントしてもらえる。モーションセンサーを使用して、自然な合成を実現するのが特長。写真に記録された二次元バーコードをスマホで読み込み、バンダイナムコID(バンダイナムコグループの共通アカウントで登録は無料)に登録すると、デジタルフォトを無料でダウンロードできる。プレイ料は一回300円に設定している。身長制限(90cm以上)などがある。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015