2016年5月1日号 Last updated on April 15, 2016
特報
 バンダイナムコ、期間限定で「VRゾーン」計画をオープン。

 イオンファンタジー2月期決算、2年連続の最終増益に。

海外
 ユーロディズニー社の社長に、キャサリン・パウエルさんを指名。

 台湾・高雄の複合施設に小型版「鈴鹿サーキット」を許諾。

国内
 サミーとユニバーサルエンター、遊技機部品の共通化で合弁事業。

 SKジャパン2月期は2年続きの減収赤字に。


2016年5月1日号のニュースダイジェスト
 写真はJAEPO2016で、上はバンダイナムコエンターテインメントのガンゲーム機「ポイントブランクX」、下は中国・世宇(UNIS)の小間で米国ロースリルズ社「モトGP」などを試しているようす。
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30年前の主なニュース

 中国・北京で開かれた初の国際AMエキスポに16ヵ国55社が出展、日本から泉陽、トーゴ、明昌特殊、三和電子が出展した。新日本企画がSNKに社名変更した。パイオニアは「ビデオディスクジュークボックス」を発売する。(1986年5月1日号)

40年前の主なニュース

 仙台の日本パイオニアが「東北娯楽マシングランドフェア」を開催した。セガ社「ロデオ」を使ったフリッパーゲーム大会の予選に13,000人が参加中。フリッパーを題材とする米国映画「トミー」の上映が近付く。(1976年5月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.ナムコは3月28日、バンダイナムコエンターテインメントがVR技術を応用して開発した、エンターテインメント施設「VRゾーン・プロジェクト・アイ・キャン」を4月15日から10月中旬までの期間限定で、ダイバーシティ東京プラザ3階にオープンする、と発表した。入場無料だが、予約制で、アトラクションごとにバナコイン700~1,000円分の利用料がかかる。当面用意されるアトラクションは、①地上200mの上空で猫を助ける7分間の体験、②切り立つ雪山を滑り落ちる、6分間のスキーヤー体験、③14分間のリアルなレーシング体験、④12分間のVRホラー体験、⑤9分間のリアルな電車運転士体験、⑥7分間、巨大ロボットを操るなどの仮想体験を楽しむことができるもの。13歳以上の利用制限がある。予約は4月8日開始。営業時間は10-21時の予定。

 .イオンファンタジーは4月13日、16年2月期決算を発表、売上高は26%増の588億3千百万円、経常利益は23%減の26億3千万円、最終利益は11%増の14億8千万円と、経常では為替差損により減益だったが、最終では2期連続の増益になった。うち国内の店舗数は16増16減の496店で、遊技機の既存店伸び率がプラスとなるなど改善し、売上高が21%増の498億円、営業利益が8%減の26億円だった。海外ではさらに108店を出店、7ヵ国282店に増加した。特に中国では53店増の131店となるなか、初めて営業利益の黒字化を達成した。また14年進出のフィリピン、15年進出のインドネシアも順調だった。17年2月期は国内で確実に増益基調へと進め、海外で引き続き100店以上の出店を進め、売上高650億円、経常利益27億5千万円、最終利益16億2千万円を見込んでいる。

 .エスケイジャパンは4月14日、16年2月決算を発表、売上高は24%減の52億8千5百万円、経常利益は1億2千4百万円(前年は6千百万円の赤字)、最終損失は1億8千5百万円(前年は2千万円)と大幅減収で2年続きの赤字となった。キャラクターエンテインメント事業のうち、アミューズメント部門(ゲーム用景品)の売上高は1%減の29億9千百万円、セールスプロモーション部門の売上高は59%減の2億6千8百万円で、同事業の売上高は11%減の32億6千万円、営業利益は8千8百万円(1億7千4百万円の赤字)、キャラクター・ファンシー事業の売上高は38%減の20億2千5百万円、営業利益は93%減の3百万円。保有してきた固定資産の移転・売却を進めるため特別損失3億円強を計上した。17年2月期の売上高は52億3千万円、経常利益は7千6百万円、最終利益は6千7百万円を予想している。

 .セガサミーホールディングスは4月1日、子会社のサミー(里見治紀社長)とユニバーサルエンターテインメント(富士本淳社長)がパチンコ遊技機などの共同生産を目的に業務提携し、合弁会社のジーグ(豊島区東池袋3丁目、甘利祐一社長)を3月22日付で設立したと発表した。パチンコ、パチスロ遊技機は風営法により保通協を通じて生産・販売が規制されているが、遊技機のユニット・部品の「プラットフォーム化」を視野に入れ、共同生産していくことにより、事業の永続化を図ることにしたもの、と説明している。また、ユニット・部品の共通化が実現し、技術提携の中から新たなアプリケーションを投入できることにつながる、と期待している。合弁会社、ジークの出資比率はユニバーサルとサミーがそれぞれ50%。製品をユニバーサルが採用・導入することは決定済みで、他の供給先についても視野に入れているとしている。

 .ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪)は4月13日、テーマランド「ハリーポッター」エリア内に2つのアトラクションをオープンした。ひとつは体験型アトラクション「ワンド・マジック」で、「ホグズミード村」で入手した地図が示す場所で、呪文を唱えながら杖を振ると、炎が立ち上がったり、雪が降ったりする。もうひとつは屋外で開かれるショーで、「ホグワーク魔法魔術学校」の生徒とともに、魔法の呪文を唱えると、自動車が浮き上がる、など映画さながらのシーンを再現する。USJでは3月18日から、「リボーン!」(やり過ぎよう、生き返ろう)を合言葉に、開業15周年記念事業を開始。腹這い状態のまま宙返りするローラーコースター「ザ・フライング・ダイナソー」をオープンした。アトラクション「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は5月31日までで運営を終了、撤去して、跡地には新しいアトラクションに備える。

 .鈴鹿サーキットの運営会社、モビリティランド(三重県鈴鹿市、ホンダの子会社)は4月5日、台湾の大魚閣(タロコ)エンタテインメント(台北市)に「鈴鹿サーキット」の名称など名称使用を許諾、大魚閣は台湾・高雄市にモビリティのテーマパーク「スズカサーキットバーク」を含む大型商業複合施設「大魚閣草衙道」を完成、5月9日にもオープンする予定だと発表した。大魚閣の「スズカサーキットパーク」は鈴鹿サーキットのコースを十分の一の大きさで再現したもので、全長600mのコースを専用カートに乗って最高時速約70㎞で走行できるほか、独自の子ども用乗物も導入される。「大魚閣草衙道」は屋内外ショッピングエリア、レストラン、ファミリーアミューズメント、シネマコンプレックスからなる。高雄国際空港から地下鉄で一駅と交通の便の良く、年間1千万人の集客を見込んでいる。

 .ユーロディズニー社は4月12日、テーマパーク「ディズニーランドパリ」の運営会社と持株会社を運営するユーロディズニー社の社長に、キャサリン・パウエルさんを指名したと発表した。前任のトム・ウォルバー社長は米国の船旅会社であるディズニー・クルーズ社の運営責任者に就任予定。ともに仕事をしながら業務の引き継ぎを進め、7月にも社長交代する。パウエルさんは7年ほど英国BBCワールドワイド社に勤務した後、ディズニーグループに入り、ディズニー・メディア・ディストリビューション社の販売担当上級副社長として、英国、アイルランド、ノルディックス、ベネルックス地域とイスラエルを担当してきたとされている。ユーロディズニー社の2014-15年決算では10.9百万ユーロ(116百万米ドル)もの損失を出しており、親会社ウォルトディズニー社の支援の下、経営改革を進めることになっている。

 .米国ウォルトディズニー社(ボブ・アイガーCEO)の次期CEO最有力候補、トーマス(トム)・スタッグスCOO(55歳)が5月6日付で退任することが、4月4日明らかになった。スタッグス氏は同社の会計年度の終わる9月末まで同社に留まる予定だが、同社の次期CEO選びはにわかに混迷する事態になったが、同社は後継者選びの範囲を拡大し、検討すると発表している。ボブ・アイガー氏はこれまでピクサー、マーベル・エンターテインメント、ルーカスフィルムなど有力企業の取得を進めて貢献したが、ESPNなどスポーツネットワークでは伸び悩んできたことを認めて、2018年6月に退任する予定。スタッグス氏はモルガン・スタンレー社を経て、1990年にディズニー社に入社、98年にCFO、10年にテーマパーク部門の責任者、15年2月からCOOとなり、CEO最有力候補とされてきた。

 .米国の有力業界人の一人だった、ジャック・ミッテル氏(86歳)が4月6日、病死した。業界では太った人が多い中、特に気を付け、スリムな体型を維持した。誠実な人柄で、冷静な市場分析など、落ち着いた仕事ぶりでも知られた。シカゴに本拠を構えるウィリアムズ・エレクトロニクス社の販売担当副社長として活躍した18年間(1962-80)に続き、発足して間のないタイトー・アメリカ社の社長を4年間(80-83年)勤めたことが知られている。ウィリアムズ社に至るまでは、自動販売機のロウ社(48-59年)、オートメイト・カントーン社(59-60年)に勤務した。タイトー・アメリカ社はタイトーの子会社として1973年に設立、国際拠点となり、79年にシカゴ工場を設け、80年から製品出荷を開始した。しかし、その後家庭用ゲームソフト市場に参入して業績を悪化させ、96年に清算した。

 10.米国ラスベガスのホテルカジノ「リビエラ」のネオンが取り外され、ネオン博物館に入ることになった。建物はこの夏、爆破解体が予定されている。「リビエラ」は1955年に誕生した時、客室はたった300室だったが、2千室の客室を持つほどに大きく成長し、「スターダスト」、「サンズ」などともにラスベガスカジノの中心的役割を担ってきた。フランク・シナトラなど有名歌手のショーでもよく知られた。だが、80年代後半以来ラスベガスカジノの中心が南に移り、巨大化するにつれて取り残され、2010年「リビエラ」は米国破産法のチャプターイレブンを申請。15年2月に1億9千万ドルでラスベガス・コンベンション&ビジターズ・オーソリティー(LVCVA)の手に渡った(その間、15年5月までパラモンゲーミング社が建物など借り受け営業してきた)。LVCVAは近くにあるラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)の拡張計画に組み込む予定。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015