2015年9月15日号 Last updated on September 1, 2015
特報
 SNKプレイモアとスクウェア・エニックス訴訟は和解で解決した。

 67年創業のこまやが業務停止、自己破産の準備に。

海外
米国ディズニー社は、「スター・ウォーズ」ランド計画を披露。

 テニアン島の「ダイナスティ」カジノはいったん閉鎖に。

国内
 神戸市、射幸遊技の介護施設の規制案を議会提出へ。

 SKジャパンが2子会社合併、希望退職募集へ。


2015年9月15日号のニュースダイジェスト
 写真はセガ・インタラクティブの新作展(大阪会場)で、上は「マリオ&ソニックATリオオリンピック・アーケードエディション」、下はメダルゲーム機「バベルのメダルタワー」を試しているようす。Artist Concept Only (C) Disney/Lucasfilm


30年前の主なニュース

 新風営法施行後初のAMショーが東京流通センターで開催された。米国FBIは、TVゲームのコピー品を所持していた業者らを摘発、逮捕した。米国のエキシディ社がチャプターイレブンを申請した。タスコの創業社長、上原勝氏が死去した。(1985年9月15日号)

40年前の主なニュース

 AMショーでメダルゲーム関係は、区画された特別ゾーンに出展されることになった。タイトーは新作展で、「スピードレースDX」、「ウェスタンガン」を披露した。パチンコショーが5年ぶりに開催された。(1975年9月15日号)



【ニユースダイジェスト】


 1.米国ウォルトディズニー社はカリフォルニア州アナハイムのコンベンションセンターで8月14-16日に開かれた、ディズニーファンのための公式イベント「D23エキスポ2015」で、ジョージ・ルーカス監督の映画「スター・ウォーズ」をテーマとする大規模ランドを、米国「ディズニーランド」とディズニーワールド内の「ハリウッドスタジオ」(旧MGMスタジオ)の2ヵ所に建設する計画だ、と発表した。「D23エキスポ」は09年から隔年開催されており、今回が4回目。同社のボブ・アイガー会長兼CEOは、参加した7,500人以上のファンを前に、はるかかなたの銀河系からの物語に足を踏み入れることを可能にする、それぞれ4エーカー(約56,000㎡)と巨大な単一のテーマランドを計画中と発表した。帝国軍と反乱軍の戦いも経験できるという。ディズニーランドはそのための隣接する土地を最近入手しており、ディズニーランドでは17年着工の予定。新テーマランドのコンセプトイメージも発表されたが、オープン時期などは未定。

 .SNKプレイモア(本社大阪、外山公一社長)とスクウェア・エニックスHDの子会社であるスクウェア・エニックス(本社東京、松田洋祐社長、スクエニ)は、スクエニがSNKプレイモアの承諾を得ないで、漫画「ハイスコアガール」を出版したことに端を発した刑事・民事訴訟について8月24日付で和解し、両社の告訴・提訴を取り下げるなどして解決した、とそれぞれ発表した。両社とSNKプレイモアの大株主になった中国のレド・ミレニアム社の3社が、それぞれのコンテンツを利用した新たな協業の機会を創出するため、訴訟を早急に解決する必要がある、として合意したことによるもの。両社とレド・ミレニアム社は新たな協業創出の機会を通じて、ファンの期待に副うコンテンツの開発・提供にまい進する、としている。SNKプレイモアは昨年5月、スクエニが無断で「ザ・キング・オブ・ファイターズ」などのキャラクターを使用しているとして著作権侵害を理由に刑事告訴し、スクエニは著作権侵害の事実がないとの確認を求める訴えを10月に起こしていた。

 .〔SNKプレイモアとスクウェア・エニックス和解の続き〕この著作権問題はスクエニからアニメ化を請け負った映像制作会社が13年夏、SNKプレイモアにキャラクターの使用許可を求めたところ、許諾なしに漫画「ハイスクール」に「ザ・キング・オブ・ファイターズ」などのキャラクターが使用されており、しかも(C)マークとともにメーカー名が記載され、あたかも許諾されているかのようにしていたことが判明して始まった。SNKプレイモアは発行・販売の即時停止を求めたが、誠意ある対応がないとして、14年5月に著作権侵害で大阪府警に告訴し、大阪府警は11月にスクエニの役員、社員らを取り調べ、書類送検した。スクエニは10月に著作権侵害不存在確認を求める訴えを大阪地裁に起こす一方、警察の捜査に協力、自主回収した。SNKプレイモアは今年3月、著作権侵害行為の差し止めを求める訴えを起こした。今回の和解で民事訴訟は訴えの取り下げで解消し、刑事事件では告訴取り下げにより、大阪地検が不起訴処分にして終結した。

 .神戸市は8月12日までに、パチンコや麻雀などの遊技を介護予防に採り入れた「アミューズメント型通所介護(デイサービス)」について、一部を規制する方針を明らかにした。神戸市内のデイサービス施設は3月現在で461ヵ所あるが、サービスの多様化が進んでおり、機能訓練などの一環として、パチンコや麻雀などを楽しめる遊技タイプのものも増加中だとしている。娯楽性の高い遊技を機能訓練に役立てるという施設にはメリットもあると考えられるが、それでも①著しく長時間にわたる遊技の提供や、②依存性が強まる恐れのある疑似通貨などの使用、③賭博や風俗営業を連想させるものなど、不適当と思われるものもあるとされる。そこで不適当と思われるものについては、デイサービス指定の不認可や取り消しなどができるよう、関連条例の一部改正案を取りまとめ、9月の定例市議会委に提出する考えだ。こうした規制の動きは全国でも初めてとされている。

 .北マリアナ諸島連邦(CNMI)のテニアン島で独占的にカジノを運営してきた「テニアン・ダイナスティ」ホテル&カジノ(1998年開業、従業員500人以上、香港エンタテインメント社がオーナー)は8月14日付で、同島を訪れる観光客の激減を理由に、一時的に業務を停止すると発表した。客の激減は台風襲来、ツアー中止などによるとしているが、米国財務省金融犯罪取締り局(FinCEN)による摘発が主な理由だと受け止められている。代わりに新たな投資会社、「テニアン・エンタテインメント社」が、カジノ運営の許可を得るため7月1日に20万ドルを支払い申請しており、カジノからの税収入を当てにしているテニアン島は、この新規参入業者が早く手続きを終え、カジノを継続して運営できよう期待している。一方、サイパン島では8月3日、「デューティーフリーショップ」(DFS)の「Tギャラリー」を改装した、テーブル10台、賭博機48台、従業員約300人規模のカジノが本格営業を開始した。

 .エスケイジャパン(本社大阪、八百博徳社長)は8月17日、①2つの子会社の吸収合併、②約40名の希望退職者募集をすることを決めたと発表した。吸収するのはいずれも完全子会社で、キーホルダーなど携帯電話関連グッズの企画販売を事業内容とする、サンエスとケー・ディーシステム(本社所在地、代表者は親会社と同じ)。16年1月1日付けで実施する。希望退職者は全社員を対象に8月末まで募集し、9月末付で退職を実施、特別退職金などを16年2月期決算で特別損失として計上する予定。業績回復に向けて、経営合理化を進めるのが目的で、これらのほかトレーディングカード部門とeコマース部門の撤退、名古屋営業所の閉鎖、商品企画部門の東京への統合などを行ない、安定的な収益基盤の構築を目指すとしている。9月8日続報=応募退職者は31人となった。

 .株式会社こまや(神戸市東灘区魚崎南町6丁目、尾上芳郎代表取締役)が業務を停止し、自己破産の準備に入った。信用調査会社が8月26日に明らかにした。負債総額は約3億5千万円。1965年2月、こまや商事として小型娯楽機械の製造を開始、67年5月に有限会社こまやに法人成し、89年9月に株式会社に移行した。エレメカアーケードゲーム機の「クレージー15ゲーム」(65年)、「ベースボール」(69年)、「ジャンプアップ」(75年)、「山のぼりゲーム」(82年)など、主に屋上遊園地、室内ゲーム場などの伝統的市場向けのゲーム機を、新しい発想で開発し続けていた。12月8日続報=神戸地裁は11月26日、破産手続き開始を決定した。




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