2013年11月1日号 Last updated on October 15, 2013
特報
 中国・文化部、ゲーム場の規制強化に乗り出す。

 イオンファンタジー8月中間期、過去最多の出店で膨張。

海外
 香港ディズニーに16年末、「アイアンマン」オープン予定。

 インスタント宝くじの米国SG社、WMS社を買収完了。

国内

 TDRの上半期、過去最高の入園者数、USJも連続増に。

 SKジャパン8月中間期は赤字、通期も大幅下方修正。


2013年11月1日号のニュースダイジェスト
写真はIAAPAのアジアン・アトラクション・エキスポ(AAE)13(6月5-7日、シンガポール)の出展社のひとつ、フルドーム・プロ・グループの小間で、小型ドーム内で立体映像を見せる「デジタルキューブMK-2」。真ん中に、6つのプロジェクターと5.1デジタルサウンドで構成される一体型プロジェクターが設置されており、主に教育/ゲーム用。上は一画面、下は入口のようす。これは高さ4mのドームだが、25mの大きな建築物用もある。映像、サウンドが良く出来ていて、感心させられた。


20年前の主なニュース

 ナムコの中村雅哉社長が、更生中の日活の再建支援に乗り出した。カプコンのゲームソフト著作権を侵害した、英国業者に有罪判決が言い渡された。任天堂が通期業績予想を下方修正、これまでの増収増益から、9年ぶりに減収減益になる見通し。シグマは渋谷「ロンゴロンゴ」を開設した。(1993年11月1日号)

30年前の主なニュース

 日米欧のTVゲームメーカーが第3回国際会議を開催、日米の両協会は共同宣言を行なった。AMショーではLDゲームなどTVゲームが主役になった。JAMMAを入会したばかりの九娯貿易が退会、AMショー出展も取り消した。米国WMS社の元社長、ハリー・ウィリアムズ氏が死去した。(1983年11月1日号)



【ニユースダイジェスト】  

 .イオンファンタジーは10月2日、8月中間期(第2・四半期までの累計)決算を発表、売上高は9%増の239億6千9百万円、経常利益が6%増の16億8千6百万円、中間利益が11%増の8億2千2百万円と順調だった。店舗数は国内直営が2月と比べ5店増の321店、FCが1店減の2店で計323店舗。海外は中国の直営が15店増の26店、FCが4店、マレーシアの直営が7店増の34店、FCが2店、タイ直営が2店の計22店増で68店。地域別業績のうち売上高は国内が7%増の230億円、海外が101%増の9.69億円と特に海外で伸ばしたが、営業利益は国内が9%増の18.62億円に対して、海外は1.3億円マイナスで2.06億円の赤字となった。国内既存店が堅調の上、海外が大幅に伸ばしたのと、国内海外で計21店と過去最多の出店で業績が膨らんだことになる。同社は10月末までに全店舗の屋号を「モーリーファンタジー」に統一する。

 .エスケイジャパンは10月10日、中間期(3-8月)と通期(3月-14年2月)の業績予想を大幅に下方修正、赤字予想を明らかにした。翌11日に中間決算を発表、売上高は前年同期比25%減の32億7千9百万円、経常損失は1億千6百万円(前年同期は1億5千9百万円の利益)、中間損失は1億千4百万円(6千9百万円の利益)と大幅減収で赤字だった。「AKB48」関連グッズなど前期ヒット作に代わる商材を確保できなかったことが原因としている。キャラクターエンタテインメント事業の売上高はアミューズメントが29%減の14億円、SPは40%増の4億円で計20%減の19億円、営業損失は1億円(1億円の利益)。キャラクターファンシー事業の売上高は11%減の13億円、営業損失は千万円(7千万円の利益)だった。通期業績予想は売上高が67億円(4月の前回予想では78億円)、経常損失が1億円(1億5千万円の利益)、最終損失が1億千8百万円(1億5百万円の利益)と大幅に下方修正、5年ぶりの赤字見通しになった。

 .オリエンタルランド(OLC、千葉県浦安市)は10月1日、東京ディズニーリゾート(TDR)の上半期(4-9月)入園者数が前年比15.9%増の15,359千人と過去最高になったと発表した。4月からのTDR30周年イベントで導入した新デイパレード、そして5月導入の新アトラクション「スターツアーズ・ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」などが好調だったことに加え、雨天日が少なかったことによる。一方、ユニバーサルスタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)も同日、上半期入園者数が3.6%増の506万人で、3年連続の増加だったことを明らかにした。開業した01年と03年に次ぐ過去3番目の水準で、9月まで延長した、後ろ向きに走行するローラーコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド・バックドロップ」、4K映像のアトラクション「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド」や、「バイオハザード」に基づくホラーアトラクションなどが人気を集めた。

 .米国ウォルトディズニー社は10月8日、香港ディズニーランドに映画「アイアンマン」シリーズに基づくアトラクション「マーベル・アイアンマン・エキスピアリランス」を建設、16年末にオープンすると発表した。「アイアンマン」の常設アトラクションはディズニーリゾートでは初めて。香港ディズニーランドは05年9月のオープン以来、当初見込みを大幅に下回る業績不振に悩まされているが、入園客の半分近くが中国本土からであり、映画「アイアンマン」が中国で人気が高いことから、香港での開設を優先させたもの。映画と同様、天才発明家のトニー・スタークが主人公となって、悪の陰謀と戦うという内容。15年末に中国・上海で上海ディズニーランドが開業する予定になっており、香港ディズニーランドはそれまでに集客力を高めるため、「トイ・ストーリーランド」(11年11月)、「グリズリー・ガルチ」(12年7月)、「ミスティックポイント」(13年5月)と大型テーマランドやアトラクションを相次いで開設してきた。

 .フィリピン司法省(DOJ)は10月1日、マニラのカジノ用地買収のためダミー会社を使った疑いで、ユニバーサルエンターテインメントの岡田和生会長らを10月17-18日マニラに召喚するとの通知を送ったことを明らかにした。フィリピンの報道各紙が伝えた。外国企業は国内企業を40%以上所有してはならないという憲法第12章や、反ダミー法など4つの法令違反を調べるためで、ディーナ・ペレス国家上級副検事ら3名が取り調べに当たる。召喚状は岡田氏を含む日本人9名、フィリピン人17名と10社に送付されており、関連するイーグル1、イーグル2、タイガーリゾートにも調べは及ぶとのこと。ユニバーサルは「マニラベイリゾーツ」建設計画に向け08年7月に用地取得、08年8月に暫定カジノライセンスの取得など準備を進めているが、ライセンス手続きにおいて許可を下すフィリピン賭博公社(PAGCOR)関係者に巨額の不正資金が流れたと疑われている。ユニバーサルは嫌疑を全面否定している。

 .中国・文化部(文部科学省に相当)は8月28日付で、中国のゲーム場において提供できる景品の価格は1ゲームあたり500元(約800円に相当)に制限されていることを、さらに徹底することになった。「チャイナアミューズ」(遊芸風)が9月中旬、明らかにした。中国のゲーム場については、国の法律の「娯楽場所管理条例」とその下位法令「文化市場行政執行管理弁法」、「通達」で規制されているが、さらに実施に必要なガイドブック「指南」、マニュアル「手冊」でも、実際の運営上の注意点など細かく決めており、その指南と手冊をこのほど改定、一回のゲームで払い出される景品の上限度額を改めて示したもの。このほか指南と手冊では、営業所の面積は200㎡以上でなければならないことなど細かい制限事項が網羅されている。なお娯楽場所管理条例では、賭博機能を持つ電子ゲームは設置、運営が禁止されており、現金、有価証券を景品として提供することや、景品を買い戻すことも禁じられている。

 .米国サイエンティフィックゲームス社(SG、本社ニューヨーク)はWMSインダストリーズ社(シカゴ郊外)を15億ドルで買収することで1月末に合意し、5月の株主総会でも承認されていたが、9月26日ネバダ州のゲーミングコミッション(NGC)に承認されたので、確実に実現されることになった。SG社は73年設立のインスタント宝くじ会社で、82-91年の間はバリー社の子会社になった。93年に株式を上場。2011年に英国バークレスト社を買収したのに続き、今年WMS社を取得したもの。WMS社はピンボール機で有名なハリー・ウィリアムズ社が1943年に設立したウィリアムズ社を基に、80年に業務用アミューズメントTVゲームに進出、90年代にゲーミング(賭博)機に進出、それ以後アミューズメントゲーム機から撤退、ゲーミング機に特化してきた。今回の企業買収により、持株会社の下でSG社は宝くじ専門、WMS社はゲーミング専門と業務を分担、役員人事もこの流れに沿ったものになった。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2013