2012年2月1日号Last updated on January 16, 2012
特報
 ユニバーサル岡田氏とウィンリゾーツ社が米国地裁で対決へ。

 JAMMA、AOUそれぞれ4月から一般社団法人に移行予定。

海外
 USSで「トランスフォーマーズ・ザ・ライド」がオープンした。

 中国でのサンリオキャラクターはKT社で一元管理する。

国内

 スクエニが今夏出荷の業務用「ガンスリンガーストラトス」を発表。
 
 本格的「マダム・タッソー東京」は13年春にオープン予定に。


2012年2月1日号のニュースダイジェスト
写真は1月6日大阪で開かれたAOU近畿地区協新年会で、上は(左から)エンハートの森啓二社長、アスモの上田芳弘会長、エスケイジャパンの吉田昌稔部長、下はバンダイナムコゲームスの加々見章副本部長、エンハートの森啓二社長、ユーエス産業の森莞爾社長、エンハートの石原大輔氏。


20年前の主なニュース

 4月にオープンするフランス「ユーロディズニー」の概要が明らかになった。米国AAMAが調べた南米市場で、韓国製偽造基板が9割を占めることが判明した。「ボンディールチャート」で知られる香港ボンディール社が偽造基板で摘発された。後楽園「カーニバル」にセガ社「AS−1」が導入された。(1992年2月1日号)

30年前の主なニュース

 米国ミッドウェー社は製造台数で新記録を樹立した「パックマン」に感謝する社内イベントを催した。米国「ジャパンエキスポ81」に、大阪のアポロが新作TVケームを出品した。NAOは総会に合わせ、初の試みとなる「アミューズメントエキスポ」を3月初めに予定している。長崎県健全娯楽協会が発足した。(1982年2月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 .ユニバーサル・エンターテインメントの岡田和生会長がアルゼUSA社を通じて1月11日、自ら副会長を勤めてきた米国ウィン・リゾーツ社の会計帳簿の情報開示を求めて、ウィン・リゾーツ社を相手取ってクラークカウンティ地裁に提訴し、米国証券取引委員会(SEC)にも届けた。ユニバーサルはウィン・リゾーツ社の約20%の株式を持つ筆頭株主だが、マカオカジノ開発のためウィン・リゾーツ社に、2000年2億6千万ドル、02年1億2千万ドル追加投資した。だが昨年7月ウィン・リゾーツ社がマカオ開発基金大学に1億3千5百万ドル寄付したのに岡田氏側は反対し、11月2日以来この件に関して情報開示を求めている。しかしスティーブ・ウィンCEOなどウィン・リゾーツ社側は一切応じようとしないため提訴したとのこと。ウィン・リゾーツ社は12日、岡田氏は10月に副会長を解任されており、訴えの内容は何の利益もない馬鹿げたものだ、と説明している。

 .経産省関係のJAMMAは11年9月に一般社団法人の移行認可を申請、認可答申を受けており、12年4月1日付で移行登記が完了する見込みになった。一方、警察庁関係のAOUは11年11月に一般社団法人の認可を申請、12年3月末に移行登記を完了する見込みだ。法人格取得と公益認定を分離する「公益法人制度改革」に伴う措置で、公益性の有無など曖昧だったこれまでの公益法人(社団法人・財団法人)は、すべて新法に基づき改組し、公益認定を受ける公益社団法人または財団法人か、公益認定を受けない一般社団法人または財団法人のいずれかに移行しなければならないし、08年12月から5年以内に新制度に移行しないと自動的に解散となることになっている。これら公益法人と一般法人は法人税など税の優遇措置が異なるほか、一般社団法人または一般財団法人に移行するに際して、従来公益事業として得てきた収入を使い切る「公益目的支出計画」を提出、監督を受けなければならないなどの規定がある。

 .スクウェア・エニックスは1月11日、東京・渋谷で取引先向け特別内覧会を開き、今夏出荷予定の業務用オラインマルチ対戦型ダブルガンアクションゲーム「ガンスリンガーストラトス」を発表した。これは同社とバイキングが開発した「銃で撃ち合う対戦アクションゲーム」で、60インチプラズマフルHD画面の専用キャビネットを採用、ボタンにより地上・空中を移動しながら、合体・変形・大型化できる2挺拳銃のガンコンを使って、激しいガンアクションを展開するもの。キャラクターにより使える武器も異なっていく。4対4で戦うのが基本だが、ひとりCPU戦から、個人戦、協力戦、店舗戦、全国戦まで展開可能。舞台となる戦場は渋谷など日本の実在の都市をモデルにした。姉妹会社のタイトー・ネシカカードに対応しており、キャラクター、武器をカスタマイズできる。同社では賞金付きの全国ゲーム大会の開催を予定している、としている。

 .英国マーリン・エンタテインメンツ社は1月4日、東京・台場のデックス東京ビーチで9月末から3ヵ月間の期間限定で試験的に開設してきた「マダム・タッソー東京」の来場者数が記録的で、評判が良かったとして、芸能、スポーツ、政界の世界的有名人の蝋人形を60人(試験的開設では19人)分に増やすなど、規模を最大級にし、13年春同じ台場に恒久施設としてオープンすると発表した。同社は試験的開設を終えるにあたり、これで終えるか、本格的に開設するかを改めて判断を示したもの。蝋人形館「マダム・タッソー」は1835年ロンドンでの開設から5億5千万人が訪れた、世界的有名人と触れ合うことができるという体験型アトラクション施設。これまですでに8ヵ国、13ヵ所で展開されており、アジアでは香港、上海、バンコックに次いで東京は4番目に設置されることになる。マーリン社は今年後半、隣接する「レゴランド・デスカバリーセンター」も開設する予定。

 .10年3月シンガポールに開園した「ユニバーサル・スタジオ・シンガポール」(USS)に11年12月2日、究極の3Dバトルが体験できるアトラクション「トランスフォーマーズ・ザ・ライド」がオープンした。ハスブロの変形ロボット玩具に基づく米国の劇場映画「トランスフォーマー」の世界を、3D映像シミュレーターで実現するもので、客は変化に富む、激しいロボット同士の闘いに巻き込まれることになる。米国のユニバーサル・パークス&リゾーツ社によると、制作に4年近く要した、最も手のかかったダークライドであり、今後のテーマパーク作りの標準となる施設だとのこと。作動時間は4分。ライドシステムはオーシャニア社製、特殊視聴覚効果はインダストリアル・ライト&マジック社が担当した。ユニバーサル・スタジオの本家、USハリウッドでも建設中で、今春オープンする予定。

 .サンリオは1月5日、サンリオの所有するハローキティー、マイメロディー、シナモロールなどのキャラクター17種の中国(香港、マカオを除く)におけるマスターライセンス契約を、サンリオ子会社のサンリオ上海がKTライセンス社(本社香港)およびKT上海社と締結した、と発表した。これによりKT社およびKT上海社は、サンリオキャラクターを使用した商品を中国で製造販売、そして他社にライセンスする独占的実施権を取得し、サンリオ上海はこの契約によって生じる商品の製造販売額の一定割合のロイヤリティを受け取ることになる。そのミニマムギャランティーは5年間、8千5百万USドル。サンリオは中国以外の地で契約するライセンス契約の対象地域に中国を含める権利を保留している。中国展開を進めるLi&FungグループのKT社およびKT上海社をマスターライセンシーに採用するエージェント方式に切り替えたことになる。

 .エスケイジャパンは1月12日、第3・四半期までの9ヵ月(3−11月)業績を発表、売上高は8%減の65億7千9百万円、経常利益は34%減の1億8千9百万円、純利益は12%増の1億3千2百万円と減収増益だった。部門別業績は再構成しており、キャラクターエンタテインメント事業のうちアミューズメント部門の売上高は6%減の28億円、セールスプロモーション(SP)部門は29%減の7億円、イーコマース(EC)部門は107%増の7千万円で、同事業の売上高は11%減の36億円、営業利益は87%減の千4百万円と大きく後退した。またキャラクターファンシー事業は売上高が2%減の22億円、営業利益は7%増の1億円、リテイル事業(ナカヌキヤ3店)の売上高は12%減の6億円、営業損失は千万円だった。なお、02年2月期の業績予想は変更しなかった。

 .アドアーズとKCカード(本社福岡、千葉信育会長)は1月12日、DVD/CDのレンタル事業について業務提携を行なうことで基本合意した、と発表した。首都圏を中心に67店のゲーム場を展開するアドアーズと、Jトラストグループのクレジットカード会社であるKCカードが提携することにより、両社がレンタルビデオショップ事業に参入するというもので、具体的にはKCカードが出資、資産保有し、アドアーズが運営、店舗設計施工を行ない、1号店を4月にも開設する見込みになっている。今回の提携と直接的には無関係だが、アドアーズの藤沢信義会長が、KCカードの親会社(98%所有)であるJトラストの社長を兼務しているほか、Jトラストの筆頭株主であることが知られている。

  

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。