2011年9月15日号Last updated on September 1, 2011
特報
 中国広州市のGTI展11は世界的規模となり、ますます重要になった。

 バンダイナムコゲームスは合弁会社をてこにモバゲー用ソフト開発を強化。

海外
 米国ハワイにディズニーの単独リゾートホテルがオープンした。

 米国ベストバイ社がスターン社製フリッパーの販売を開始した。

国内

 SCEも据置型「PS3」の希望小売価格を5千円値下げした。

 ユニバーサルはパチスロが好調で、業績予想も上方修正した。


2011年9月15日号のニュースダイジェスト
写真上はGTI広州11にて、上はバンダイナムコゲームスが披露した新作カーレースゲーム「ファイナルターン」。下は龍城国際(ドラゴンワールド)が披露した「トップスピードシティ」をそれぞれ試しているようす。


20年前の主なニュース

 米国のメーカー協会AAMAがメキシコで、2回目の「ラテンアメリカAMエキスポ」を開催した。米国ルイジアナ州は、現金と交換できるチケットを払いだすTVポーカーなどVLT機を合法化し、92年施行を決めた。タイトーは映像シミュレーター「遊アーツ」を新潟地方博覧会で披露した。(1991年9月15日号)

30年前の主なニュース

 米国でTVゲームブームが過熱、全米各地でゲーム場を規制する動きが広まる。ナムコは米国ロッコーラ社に「ワープ&ワープ」を許諾した。NAOと大手オペレーター3社がロケーション売上の配分を、少なくともOP側6割にするよう申し合わせた。NAOは違法営業告発はがきを配布した。(1981年9月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 .中国GTIアジア展(8月25―27日、広東省広州市)には約200社が3万u(3ホール分)の会場に出展、巨大な中国市場に向け地元中国企業が世界中のノウハウを活用して、最新の業務用AM機を多数展示した。09年に発足してわずか3回目のこの展示会は、出展社数、展示面積、登録入場者数がそれぞれ3倍になるほど急速に発達しており、最も注目される国際展示会のひとつになった。しかし、商取引の制限(外国資本による販売禁止)、知的所有権の保護(希薄な権利保護意識)など取り組むべき課題も多い。日米欧のAMゲーム機市場が後退局面に入って久しいのに対し、活発に発展の幅を広げ続ける中国の業界にどう関わるのかが日米欧の業界に問われている。非常に内容の濃いショーだが、コピー品と思われる怪しげなゲームも多数出品されたが、パチスロを含めゲーミング機の出品がほとんどないのも特徴とされている。

 .【GTI広州11の続き】主な出展社は、中国広東省の世宇(UNIS)が3Dカーレース「クレージースピード」のほか、「ハマーSD」など日本からの許諾品を紹介、華立(ワーラップ)はレーシングゲーム「ストームレーサー」、IGS「パワートラック」と日米からの許諾品を出品、米国ロースリルズ社「ダートドライビン」も披露した。龍城国際(ドラゴンワールド)は中国6大都市を舞台にしたカーレースの3D「トップスピードシティ」、米国コーストツーコースト社からの許諾品「フリクション」を紹介、希力(シーリー)はセガ社金魚すくいゲームを発展させた多人数用ゲームを出品した。銃撃戦ゲームも多かった。日系メーカーは、バンダイナムコゲームスが新レーシング「ファイナルターン」と、「デッドヒート」、「鉄拳タッグトーナメント2」など、上海を拠点とする精文セガ社は「オペレーションGHOST」、「ゴールデンガン」(神銃)などを出品し、アールエスはダーツ機を出品した。コナミの音楽ゲーム機は「環状ファーストビート」を出品したサンウィン社などから紹介された。

 .米国ウォルトディズニー社のテーマパーク付属のリゾートホテルは多数あるが、テーマパークに付属しない単独の大きなリソートホテルが初めて、8月29日ハワイでオープンした。これはオワフ島西海岸(ホノルルの西30km)にあるコオリナの土地(8.4ha)に建設された会員制の「アウラニ・ディズニー・リゾート&スパ・コオリナ」で、460のバケーションクラブビラ、359室のホテル客室、4つのレストラン、2つのラウンジ、10のレクリェーション施設(水泳プールなど)、広いアウトドアスポットなどで構成されており、ミッキーマウスなどディズニーのキャラクターもレストランなどに出没する、家族がリラックスして楽しめる長期滞在型のリゾート。同社パーク&リゾート部門が初めて手がける、単独リゾートとしてその成否が注目されているが、オープン時点では多くの参加者が詰め掛けており、早くも人気施設となっている。

 .米国ベストバイ社(本社ミネソタ州リッチモンド、略称BBY)はこのほど一般消費者向けに、スターン社製フリッパーの販売を開始した。「ベストバイ」は米国、カナダ、中国(上海1店のみ)に計1,150店を展開する世界最大の家電製品量販店で、日本ではケーズデンキが提携、プライベートブランド品のみ販売している。ベストバイで発売されることになったのは、「アバター」、「トロン:レガシー」、「ローリングストーンズ」(各約4,800ドル)、「アイアンマン」(3,800ドル)、「ローリングストーンズ・リミッテッドエディション」(6,000ドル)の5機種。スターン社のゲアリー・スターン会長兼CEOは、「ベストバイなどの大手小売店を通じてだれでも気軽にフリッパーを買えるようになり、ある意味でピンボールブームの再来と言える」と語っている。

 .バンダイナムコゲームス(BNG)とディー・エヌ・エー(DeNA、守安功社長)は共同出資して10月1日付で新会社、BDNA(ビー・ディー・エヌ・エー)を設立することで、8月22日に合意したとバンダイナムコホールディングスは発表した。新会社の資本金1億円のうちBNGが75%、DeNAが25%出資し、社長は鵜之沢伸BNG副社長が兼務する。BNGは昨年7月から、Denaが運営するソーシャルゲームプラットフォーム「Mobage」(モバゲー)向けにゲームコンテンツを提供、12月から両社共同開発の「ガンダムロワイヤル」を提供してすでに3百万人のユーザーを獲得している。新会社では両社の相乗効果を発揮し、グローバル市場にて今年度中にコンテンツ提供を開始する予定としている。12年3月27日続報=本日付でBDNAはBNDeNAに改称した。

 .ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は8月17日、160GBのHDDを内蔵した「プレイステーション3」(PS3)の価格を18日から従来の29,980円から24,980円へと5,000円値下げ、米欧でも50ドル、50ユーロ値下げすると発表した。320GBのHDD内蔵型については従来の34,980円から29,980円へと値下げ、米欧でも50ドル、50ユーロ値下げする。「PS3」は06年の発売から5年目、この3月に出荷累計5千万台を達成しているが、さらに普及を推進するため値下げに踏み切ったと説明している。一方、任天堂が1万円値下げした「3DS」は、国内週間販売台数(8月8―14日、エンターブレイン調べ)が21万台以上と2月の発売時(37万台以上)に次ぐ高水準となり、勢いを増していることが分かった。

 .ユニバーサルエンターテインメントは8月5日、第1・四半期業績を発表、売上高は約6倍の117億円、経常利益は75億円(前年同期は22億円の赤字)、純利益は75億円(22億円の赤字)とパチスロ機が伸ばして黒字回復した。遊技機の売上高は約8倍の110億円、営業利益は65億円(12億円の赤字)、その他の売上高は6%増の7億円、営業利益は1億円(1億円の赤字)だった。ユニバーサルが19.7%所有する、米国ウィンリゾート社が経営するカジノホテルは好調で、ユニバーサルは投資利益22億円を計上している。業績予想は修正しなかったが、8月24日になって9月中間期は売上高390億円(5月の前回予想では260億円)、経常利益は187億円(57億円)、中間利益は181億円(42億円)と予想を修正。12年3月期の売上高は685億円(520億円)、経常利益は264億円(114億円)、最終利益は246億円(85億円)と予想を上方修正した。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。