2011年3月15日号Last updated on March 1, 2011
特報
 AOUエキスポ11で本格的3Dゲームが披露された。

 米国GDCで鈴木裕氏がライフタイム・アチーブメント賞を受賞する。

海外
 米国カ州でマネープッシャー機と現金押収される。

 米国カ州で「ロブスターゾーン」に動物愛護団体が抗議デモ。。

国内

バンダイナムコゲームスが「バナパスポート」披露。

 ウォルトディズニー社第1・四半期決算はかなり好調。


2011年3月15日号のニュースダイジェスト
写真はAOUエキスポにて、上はセガ社の小間で「レッツゴーアイランド3D」の画面を紹介しているようす、下はバンダイナムコゲームスの小間で「マキシマムヒート」で、アームの先にある偏光グラスを使って画面を見ながら、運転しているようす。


20年前の主なニュース

 AOUエキスポ91では脱衣麻雀ゲームの出品は制限されたが、TVスロットマシン「エイトライン」などの出品は放置された。バンプレストは「ウルトラマン」を皮切りにTVゲームに再参入した。東京・渋谷に大人向けAMビル「ドクタージーカンズ」がオープンした。カプコンはユニカを完全子会社にした。(1991年3月15日号)

30年前の主なニュース

 米国でアタリ社「アステロイド」がヒットしている。建設省は5年ぶりに遊園施設「安全基準」を改定した。神戸博81付属の「ポートピアランド」が完成した。日本アミューズメントオペレーター協会(NAO)設立総会を目指し、九州、中部など各地で説明会が開催中だ。レック・トレーディングが倒産した。(1981年3月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 .AOUエキスポ11(2月19−20日、幕張メッセ)は、前回と同じ第2−3の2ホール分に、前回より7社少ない33社が出展したが、初日の昼過ぎ強風のため京葉線が止まるなどのトラブルがあり、一部の来場者は苦労した。大手各社はTVゲームからメダルゲームまで幅広く出品機種を増やしたのが特徴で、そのため必要な説明員と資料が十分用意されない出展社もあった。展示されたTVゲームは相変わらずヒット作のシリーズものが多かったが、「メタルギアアーケード」(昨年12月出荷済)で3D方式を先行したコナミに代わって、バンダイナムコゲームスの「マキシマムヒート」(3月予定)、セガ社の「レッツゴーアイランド3D」(7月予定)という本格的3Dゲームにより、ゲームに適した立体感を醸し出したのが注目される(このほかコナミがメダルゲーム機「ラブプラス・パッピーデイリーライフ」でゲームの一部に立体像を使用)。

 .【AOUエキスポ11の続き】以上のほか、セガ社は「ネットワーク対戦麻雀MJ5」(7月)、「カードジェンMLB」(7月)、FKデジタル開発の「カオスコード」(8月)、「ソニック・セガ・オールスターズ・レーシングアーケード」(参考)などを出品。バンダイナムコゲームスは「ドラゴンボールZENKAIバトルロイヤル」(4月)、「鉄拳タッグトーナメント2」(システム369、今夏)などを紹介した。タイトーはダウンロード方式の「ネシカ」シリーズのソフト、アクアプラス「アクアパッツァ」(今春)、グレフ「星霜鋼機ストラニア」、サクセス「エクセプション」、SNKプレイモア「餓狼伝説・宿命の闘い」など多数披露、「ホーンテッドミュージアムU」も出品した。コナミは「ラブプラスアーケードカラフルクリップ」(2月)と、一連の音楽ゲームを披露した。アネックスは「新・恋姫†夢想アーケードエディション」(5月)を出品した。

 .バンダイナムコゲームスは2月18日、AOUエキスポの同社小間で、共通ICカード「バナパスポート」を披露した。従来ネットワークゲームごとに専用カードを必要としていたのを1枚に統一、共通化するもので、IDを登録すれば1枚のカードで済み、タッチするだけで簡単に使え、しかも使用回数の制限なく使える。同社では「トラゴンボールZENKAIバトルロイヤル」(4月出荷予定)から同カードの使用を開始、「機動戦士ガンダム・戦場の絆」、「鉄拳タッグトーナメント2」でも使えるようにする。また「おサイフケータイ」にも対応、カードの代わりに携帯電話でも使えるのが特徴。昨年9月に共通カード化をセガ社と合意しており、セガ社の「アイミー」カードと同様、相互のゲームに対応できるようにするとのこと。

 .米国ウォルト・ディズニー社は2月8日、第1・四半期(10−12月)決算を発表、売上高は10%増の107億ドル(約8,800億円)、営業利益は40%増の22億ドル、純利益は54%増の13億ドルと好調だった。部門別ではメディアネットワーク(放送事業)の売上高が11%増の46億ドルで、営業利益が47%増の10億ドル、遊園地とホテルの売上高が8%増の28億ドルで、営業利益が25%増の4億6千万ドル、映画とテレビの売上高が増減なしの19億ドルだが、営業利益は54%増の3億7千万ドル、商品小売りの売上高が24%増の9億ドルで、営業利益が28%増の3億ドル、ゲームその他の売上高が58%増の3億ドルだが、営業損失が千ドルとなっている。

 .米国ゲーム・デベロッパー・カンファレンス(GDC、本部サンフランシスコ)は今年、セガ社の鈴木裕氏にパイオニア賞を贈ることを決めた。世界中のゲーム開発者が集まり研鑽を深めるためのGDCは今年2月28日−3月4日、サンフランシスコのモスコーンセンターで展示会と会議を開く予定で、期間中に贈られるGDC賞のうちパイオニア賞は、業務用の「ハングオン」から「バーチャファイター」などの体感TVゲームを開発した鈴木氏に贈ることが、2月4日までに決まった。3月2日に鈴木氏が出席、受賞スピーチを行なう予定。GDC賞は今年で11回目、日本人ではこれまでセガ社の中裕司氏(第2回)、任天堂の宮本茂氏(第7回)、コナミの小島秀夫氏(第9回)がGDC賞のうちライフタイム・アチーブメント賞を受賞している。

 .イオンファンタジーは2月25日、アジアでの事業拡大の一環として、マレーシアで業務指導を行なってきたイオンマレーシア社の現地子会社に出資し、80%子会社にすることを決めた。3月3日に増資・取得する予定で、これによりイオンファンタジー・マレーシア社(片岡尚社長=イオンファンタジー取締役海外事業本部長)の資本金は3千7百万リンギット(約10億円)となり、マレーシアにおけるイオン系SC内の子ども向けゲーム場17店の事業移管(約6億円)を8月までに完了する。イオンファンタジーは中国で100%子会社により事業展開し、香港とマレーシアでは現地にあるグループ企業により店舗展開してきたが、うちマレーシアについて80%子会社による経営に切り替えたもの。

 .米国カリフォルニア州中部にある小さな町、デラノの警察が2月初めの一斉取締りにより、マネープッシャー14台と現金4千ドルを押収した、これらの機械で営業者は昨年8月以来10万ドル稼いでいた、と「ベンディングタイムス」紙が13日に伝えた。米国でプッシャー機は必ずしも合法機ではなく、デラノ警察によればむしろ、これらは偶然の勝負にお金をかける機械なので、カリフォルニア州刑法(刑法は州によって異なる)に基づき賭博機として押収されることになる。しかし同州では80年代中ごろ、使用方法さえ適正であるなら合法機と認めた例(レドントビーチにおけるウェッジス/レッジス事件)もあるので、ギャンブルか合法機か、扱いが微妙であることは否定できない。

 .米国でレストランに設置され、ロブスターを獲得すればその店で料理してくれるという、クレーンゲーム機「ロブスターゾーン」が500台以上運営されているが、カリフォルニア州南部のヨーバリンダで2月中旬、動物保護団体が反対デモを組織したため、一部店舗で撤去する騒ぎになっている。「ロブスターゾーン」は旧AGE社(本社フロリダ州)が96年に開発製造し、01年以後はロブスターゾーン社(同)が業務を引き継いでいる水槽付きクレーンゲーム機で、音楽効果などの工夫もある。カリフォルニア州で同機を独占的に扱っているカリフォルニア・ロブスターゾーン社によると、一回2ドルで運営されるゲームで客には好評なのだが、オレンジカウンティで動物愛護団体(PATAなど)の活動は活発で、そのため面倒に巻き込まれたくない一部の店では撤去した、しかし客の要望が強い店ではこれまでどおり運営しているとのこと。

 .ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は2月14日、同社の家庭用「プレイステーション2」(PS2)の累計販売台数が1月末で1億5千万台を超えたと発表した。「PS2」は2000年3月の国内発売以来約10年11ヵ月での達成となる。「PS2」専用ゲームソフトは10年末までに10,828タイトル、累計販売枚数は15億2千7百万枚に達した。これに続く「PS3」は06年11月から10年末までに累計4,970万台の販売に達している。「PS」はCDドライブ使用にとどまっていたが、「PS2」でDVDドライブを備え、DVDプレーヤーとしても利用されてきた。「PS3」ではブルーレイディスクにも対応するようになっている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。