2010年8月1日号Last updated on July 15, 2010
特報
 セガ社は新作展で「戦国大戦」を披露した。

 9月のAMショーはさらに規模を縮小する。
海外
 米国ノースカロライナ州でTVギャンブル機規制が強化された。

 米国チャンス社の創業者(88歳)が死去した。

国内

 ケイブ、5月期決算はオンラインも後退して減収赤字に。

 セガ社9月から、PC通じ「将棋スクール」開始。


2010年8月1日号のニュースダイジェスト
写真はセガ社新作展(大阪)にて、上は「戦国大戦」、下は「カードジェン」のプレイ方法について、それぞれ説明を受けているところ。

20年前の主なニュース

 少額景品の上限を500円まで引き上げると、警察庁・保安課の平沢課長は口頭で通知した。セガ社は新型体感ゲーム機「R−360」の開発を発表した。カプコンは新作展でCPシステム「チキチキボーイズ」など、SNKはネオジオシステム「ニンジャコンバット」など披露した。 (1990年8月1日号)

30年前の主なニュース

 米国セガ社はゲーム場を兼ねた「PJピザーズ」の展開を始めた。サン電子は「スピーク&レスキュー」の海外販売をタイトーに任せた。データイーストは池袋への本社統合を明らかにした。ナムコは「パックマン」をテーブル型定価58万円で8月に発売する。(1980年8月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.今年のAMショー(9月9―11日、幕張メッセ)には、31社(前回は33社)と1グループ〔プライズフェアの6社共同小間〕が計573小間(616小間)に出展することが判明した。実質的な出展社数〔今回34社〕で6%減、小間数で7%減になる。前回は申し込み締め切り後、AMIが出展を取り消した。主な出展社・グループは順に(数字は小間数、カッコ内前回)、プライズフェア144(130)、セガ社120(135)、バンダイナムコゲームス105(115)、タイトー35(40)、加賀アミューズメント16(15)、アールエス15(21)など。前回出展したケイブなどは出展しない。有力メーカーのコナミデジタルエンタテインメントは今回も出展しない。

 2.セガ社は6月25日東京で(30日大阪、7月2日福岡で)新作展を開き、カード読み取り式ネットワークTVゲームの新作「戦国大戦」(OP価格メイン168万円、サテライト195万円、11月発売予定)など披露した。「戦国大戦」は全国対戦、大戦国(だいせんごく)、群雄伝、店内大戦など5つのモードで楽しめる。日本で開発したカード読み取り式MLB野球ゲーム「カードジェン」(Card Gen)は米欧で販売するが、日本では目下予定なし。「WCCF2009―2010」(12月)は映像のみ紹介。その他プライズ機「UFOバランスキャッチャー」(7月)、メダルゲーム機「アラビアンジュエル」(7月)、「100&メダルカザーン!」(11月)などを実機で紹介した。

 3.ケイブは7月14日、10年5月期決算を発表、売上高は25%減の25億円、経常利益は93%減の3千6百万円、当期損失は7億6千6百万円(前年は3億千3百万円の利益)だった。事業別売上高はオンラインゲームが33%減の10億円、インフォメーションプロバイダーが16%減の8億円、ゲーム開発が8%減の5億円、コマース事業が47%減の1億円。ゲーム開発事業は業務用を家庭用に移植して好調だが、業務用は市場環境が厳しいとして直接販売事業を打ち切った。またコマース事業からは撤退した。11年5月期は売上高30億円、経常利益5億7千万円、当期利益4億2千万円を見込んでいる。

 4.セガ社は7月9日、日本将棋連盟と提携して、インターネットに接続したパソコンを通じて将棋を学べる「日本将棋連盟オンライン将棋スクール」を共同開発、9月にも開講、学習サービスを開始すると発表した。ウェブカメラとマイクを使って、プロの棋士から月2回(1回1時間)の直接指導を受けることができるというのが特徴で、このほかいつでも利用できる、実力に対応した相手との対局、詰将棋、ビデオ講座などのメニューも用意する。7級以上の判定テストに合格すれば参加でき、初段昇格で卒業。入会金千円、会費月6千3百円。ウィンドウズPCを使用。公式サイトから申し込む。セガ社はこうした新サービスを「e−ラーニング」と位置づけている。

 5.「モバイルプロジェクト・アワード2010」で、AM業界からタイトーとフリューが優秀賞を受賞することになった。モバイル(携帯電話、PDAなどの携帯情報端末)関連291社が加入する業者団体モバイルコンテンツフォーラムが毎年優れた作品を選んで表彰するもので、今年は7月9日に発表した。メインのモバイルコンテンツ部門で、タイトーのON!AIR事業本部が開発したiPhone(アイフォーン)用のゲームソフト「スペースインベーダー・インティニティージーン」と、フリューの業務用ゲーム事業部が担当する「楽プリショット」を含む5作品が入賞した。前者は09年7月に配信開始して、さまざまな賞を受け、後者は03年のサービス開始以来女子中高生の人気をさらっている。

 6.米国ノースカロライナ州議会は7月7日、いわゆる「ビデオ・スウィープステイカー」(TV宝くじと呼ばれるギャンブル機)営業を禁じるという州法改正案を可決成立した。表向き客がカードを買い、抽選の結果賞金を得ることがある、と説明されるギャンブル機も禁止される。同州では2006年にビデオポーカーを禁止したが、法の裏をかくTVスロット、TVポーカー機が蔓延し、問題になっていたため、より厳しく規制する内容で改正したもの。上院では47対1、下院では86対27で可決した。知事が署名すれば、12月1日に施行される予定。しかし業者側は、9百ヵ所の設置パーラー、1万人の雇用、年間5億ドルの税収が失われる、と主張してあくまで反対している。24日続報=知事は20日に署名した。

 7.米国の遊園施設メーカー、チャンス・インダストリーズ社の創業者、リチャード・ハロルド・チャンス氏が7月10日、家族に看取られて死去した。88歳だった。1921年9月、カンザス州ウィチタに生まれ、生涯ここを拠点にした。ミニチュアトレイン(豆汽車)の製造から業界入りし、60年にチャンス社を設立、米国最大手のAM乗物メーカーに発展させ、85年に引退した。IAAPAの栄誉の殿堂などさまざまな称号が与えられている。だがチャンス社はファイナンス会社の契約条項のため、01年4月に破産法のチャプターイレブンに陥り、そのためローラーコースターメーカーのモーガン社と経営を統合、02年以来チャンスモーガン社に含まれている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。