2010年7月1日号Last updated on June 15, 2010
特報
 初の百貨店屋上ロケ、松屋浅草プレイランドが閉鎖された。

 米国「ファンエキスポ」は19年の歴史を閉じた。
海外
 ウォルトディズニー傘下のESPNゾーンが大幅縮小する。

 フロリダ州の「ゲームワークス」が1ヵ所売却された。。

国内

 「Wii」を改造販売した女性が商標権侵害容疑で逮捕された。

 ユニバーサルはウィンマカオ特別利益で黒字回復した。


2010年7月1日号のニュースダイジェスト
写真は台湾GTI10にて、上はTVドライブゲーム機に強い台湾のインジョイモーション社(領航数位)の小間で、TVガンゲーム機「トップガンナー」を、下は最大手のIGS社(テ=金へんに心=象電子)の小間で、音楽ゲーム機「鉄琴」を試しているようす。

20年前の主なニュース

 ナムコは米国アタリゲームズ社との資本関係を解消した。米国任天堂は「ゲームジーニー」が知的所有権を侵害しているとしてガルーブ社を訴えた。米国オーランドで前年オープンしたウォルトディズニー社の「MGMスタジオ」に続き、「ユニバーサルスタジオ・フロリダ」がオープンした。(1990年7月1日号)

30年前の主なニュース

 経営破たんを明らかにした米国シーバーグ社は、スターン社が買い取った。AMショーにはJAA会員しか出展できないことになった。国際玩具見本市でもインベーダーが主役になった。セガ社が7月に発売する「カーニバル」はアップライト定価74万円、テーブル型64万円。(1980年7月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.松屋浅草支店が5月末で4階以上のフロアの営業を終了したのに伴い、屋上のニチゴ経営「プレイランド」(1,650u)も閉鎖された。閉鎖予定については09年12月に松屋が発表していた。これまで「日本で最も古い屋上遊園地」として映画撮影にもよく使われてきた。松屋浅草の1931年11月開店とともに、7階と屋上に、遠藤嘉一氏の日本娯楽機が日本初の「スポーツランド」を開業、親子が安心して遊べる百貨店屋上遊園地として、人気を集めたのが始まり。乗物機やゲームを集めたこの遊園地は東京名物にもなり、その後全国の百貨店屋上で遊園地が続々と開設される元になった。戦前には屋上両端を往復するロープウェイ「ゴンドラ」もあった。戦時中休業した。

 2.ウォルトディズニー社の傘下施設で、ワールドカップ・サッカーなどのスポーツを大画面で見ながら楽しむテーマレストラン・バー、「ESPNゾーン」はゲーム場を兼ねた施設で、経営は好調と思われていたが、このところ不況の影響を受けていたことが分かった。ESPNゾーンは98年からチェーン展開を開始したが、昨年はデンバー店とアトランタ店を閉鎖していた。ウォルトディズニー社は6月9日、現在ある7ヵ所のESPNゾーンのうち、ニューヨーク、シカゴ、ワシントンDC、ラスベガス、バルチモアの計5ヵ所を閉鎖すると発表した。ロサンゼルスの中心街にあるロサンゼルス店とディズニーランドのあるアナハイム店の2ヵ所は営業を継続する。

 3.米国「ファンエキスポ」は今年3月のアミューズメントエキスポとの併催を最後に、20年間の歴史を閉じ、もう開かれないことが確認された。ファンエキスポを所有してきたIAAPA、AAMA、AMOAが6月11日に共同発表した。ファンエキスポはファミリーエンタテインメントセンター(FEC)オペレーター向けの展示会として91年に発足、99年以降AMOAエキスポと併催されてきたが、もはや往年の勢いはなくなっていた。主催者も93年からIAFEC(後のIALEI=09年にIAAPAに吸収された)、97年にリード社、00年からIAAPAなど3協会と変遷した。ファンエキスポ特有のセミナーは、アミューズメントエキスポでIAAPAが引き続き開催する。

 4.米国セガ・ゲームワークスUSA社が運営してきた、フロリダ州サンライズにあるソーグラスミルズ・モール内の「ゲームワークス」が6月初め、地元の有力オペレーターであるプライムタイム・アミューズメント社(デビッド・ゴールドファ社長)に買い取られたことが判明した。同店では約1,800uのフロアに、約150台のゲーム機が設置されている。プライムタイム・アミューズメント社は当面現状のまま営業を継続し、いずれ店名など変更する考え。セガ・ゲームワークスUSA社は3月末「ゲームワークス」7店閉鎖、8店継続との予定だったが、同店のように継続予定の店も売却されていることから、基本的には再建するより小口でも売却する方向が強い、と見られている。

 5.「世界で最も成功した業務用ビデオゲーム機」として05年にギネスブックに認定された「パックマン」に続き、今度は「パックマンのクリエイター」として岩谷徹氏が認定され、オランダのユトレヒトで開催された開発者会議「フェスティバル・オブ・ゲームス」の会場で6月3日、その認定証が授与された。岩谷氏は1955年生まれ、77年ナムコ(現バンダイナムコゲームス)入社、80年「パックマン」制作、07年4月から東京工芸大学芸術学部ゲームコース教授。この開発者会議で行なわれた「パックマンの30年」と題する基調講演の中で、同氏は「シンギングパックマン」というコンセプトで新作を構想していることを明らかにした。

 6.ユニバーサルエンターテインメントは6月8日、遅ればせながら10年3月期決算を発表、売上高は98%増の395億円、経常利益は11億円(前年は132億円の損失)、純利益は186億円(148億円の損失)と回復した。射幸遊技機の売上高は122%増の366億円で営業利益は120億円(33億円の損失)、その他の売上高は80%増の34億円で営業損失は7億円(2億円の利益)だった。約20%所有する米国ウィンリゾート社の子会社、ウィンマカオ社の公募増資により248億円の特別利益を計上したので、最終黒字となった。引き続きウィンリゾート社と連携していき、11年3月期は売上高561億円、経常利益47億円、当期利益40億円を見込んでいる。

 7.任天堂の家庭用本体「Wii」を、ネット上で入手可能な海賊版ゲームソフトが使えるよう改造して販売していた女性が5月31日、愛知県警により商標法違反(商標権侵害)の疑いで逮捕された。逮捕されたのは京都市東山区の無職、太田幸菜容疑者(26)で、逮捕容疑は今年2月、改造後の3台を「ハック済みWii」として、名古屋市の男性らにネットオークションを通じ、7万6千円で販売したというもの。調べによると、容疑者はロック解除ソフトをネットで入手し、ネットオークションで「Wii」を一台約2万円で仕入れて改造、操作解説DVDなどとセットにして約2万6千円で販売して、1―5月に全国の140人以上に販売、約70万円の利益を得ていたという。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。