2010年4月15日号Last updated on April 1, 2010
特報
 SNKプレイモアは「KOF ]V」の今夏出荷を発表した。

 タイトーは半月にゲーム場を5店オープンした。
海外
 米国アミューズメントエキスポで新作TVゲームが披露された。

 イタリア春のエナダ展はゲーミング機で活発になった。

国内

 TDSに来年、新アトラクションが導入される。

 アトラスの中間決算は業務用なしで黒字回復した。


2010年4月15日号のニュースダイジェスト
写真はAOUエキスポ10で、上はバンダイナムコゲームスの小間で米国ロースリルズ社「ターミネーター・サルベーション」、下はコナミデジタルエンタテインメントの小間で3D方式「メタルギア・アーケード」を、それぞれ試しているようす。

20年前の主なニュース

 任天堂「ドンキーコング・ジュニア」無断コピー事件で大阪地裁堺支部は、著作権を侵害したファルコンら3社と3被告に有罪判決を言い渡した。AOUの警察関係社団法人化がやっと許可された。「花の万博」に伴う遊園地部分「マジカルクロス」が完成した。水野商会がアムスに社名変更した。(1990年4月15日号)

30年前の主なニュース

 世界最大の屋内遊園地、米国「オールドシカゴ」が開園5年で幕を閉じた。横浜地裁は、ボナンザの景品獲得ゲーム機「スーパースコープ」の下請けメーカーだったオリエンタル興業の契約違反を認定する判決を下した。タイトーは新作展で「クレージーバルーン」など多数のTVゲームを披露した。(1980年4月15日号)

 Copyright Amusement Press Inc. 2010 ゲームマシン、アミューズメントプレス、アミューズメント通信は登録商標です。無断で本紙記事を転載したり、その他アミューズメント通信社の知的所有権を侵害することは違法です。



【ニユースダイジェスト】

 1.今年新たに始まった米国業務用AM機器展、アミューズメントエキスポ(3月10−12日、ラスベガス)は概ね成功した。伝統あるオペレーター団体によるAMOAエキスポ(秋)とメーカー団体AAMAによるASI(春)は昨年で終了し、両協会共催で新たな展示会を発足させたもの。これにIAAPAが半分所有する、SCオペレーター向けファンエキスポも併催された。アミューズメントエキスポには87社が295小間に出展、1,830人が登録入場した。ファンエキスポでは63社、80小間、674人だった。開場時間は初日13−18時、2日目10−17時、3日目9−16時と設定、1−2日目の評判は良かった。昨年秋に共催したIAAPAショーからあまり日が経っていないファンエキスポの評判はいまひとつだった。

 2.米国アミューズメントエキスポ2010に出展した日系2社のうち、ナムコアメリカ社は、4Pカクテル型の新作「パックマン・バトルロイヤル」、ゲームワックスの「ゴーゴー・グランプリ」を出品、「タンク!タンク!タンク!」などとともに披露した。セガ・アミューズメンツUSA社は新作「レッツゴー・アイランド」を始め、「セガ・レーシングクラシック」など新作を紹介した。米国グローバルVR社は新作「NASCARチーム・レーシング」を披露、ベトソン社はロースリルズ社「ターミネーター・サルベーション」、ICE社はタイトー「パニックミュージアム」、ゲームワックス「ロビンフッド」を紹介した。TVゲームでは以上のほか、フリクション・ゲームスタジオ社がFPS「フリクション」、21センチュリー社が「ライツ・アウト・ボクシング」を紹介した。

 3.イタリアの春の遊技機展、エナダ・プリマベーラ(3月17−20日、リミリ)に前年より少し多い400社以上が4万uの会場に出展、13%増の28,865人の業者(うち外国からは26%増の3,540人)が登録入場した。業者団体のSAPARが発表したもので、税収入が期待されるゲーミング機を遊技機市場に導入したため市場が活発になっている、と説明している。法令で2種類のゲーミング機が認められており、うち「新スロットマシン」は一回の最高賭け金が1ユーロ、最高払い出しが100ユーロ、ペイアウト率が75%以上、幅広く設置可能となっており、もうひとつの「VLT機」は10ユーロ、2千ユーロ、85パーセント以上、一定の場所のみ設置できるなど制限されている。金銭の見返りのないAM機は、市場全体の少数を占めるのみとなる。

 4.SNKプレイモアは3月25日、業務用「ザ・キング・オブ・ファイターズ]V」を「タイプX」基板で、今夏出荷することを正式発表した。1ヵ月前に予告していた東京・秋葉原でのプレイヤー向けの催し「オフィシャルプレビュー」で明らかにしたもので、26日からロケテストを開始するとのこと。対戦ゲームのさわりなども紹介されたが、未定部分もある。なお同社は3月16日、中国でのPCオンラインゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ・ワールド」(中国名は拳皇世界)を上海盛大網楽発展の子会社、盛大遊戯と共同開発し、同社に中国でのサービス運営を許諾した、と発表している。「ザ・キング・オブ・ファイターズ」はネオジオゲームソフトとして94年に出荷されて以来、根強いファンに支えられている。

 5.タイトーは3月17日、4月1日までの約半月の間にゲーム場5店を次々とオープンすると発表した。うち直営店は「タイトーステーション」イオン銚子店(千葉、3月16日)、仙台名掛丁店(宮城、20日)の2ヵ所、フランチャイズ(FC)店は「タイトーFステーション」イオン富士宮店(静岡=大新商事が運営、17日)、ゆめタウン東広島店(広島、20日)、郡山アティ店(福島、4月1日)の3ヵ所で、タイトーが手がけるゲーム場は計147ヵ所となる。タイトーは08年9月以来FCシステムを導入しており、これまで12法人、累計11店が参加したとしている。

 6.オリエンタルランド(OLC)は3月17日、東京ディズニーシー(TDS)に新アトラクション「ジャスミンのフライングカーペット」を導入する、と発表した。アニメ映画「アラジン」に登場する空飛ぶじゅうたんのように、客が4人乗りのライドに乗って、高さ5mまで上下動、旋回できるというもので、11年夏オープンの予定。投資額約20億円。またユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)では17日、「ET」に代わる新アトラクション「スペース・ファンタジー・ザ・ライド」を報道関係に公開した。4人乗りの小型宇宙船に乗って、宇宙空間を旅して、太陽を救うというストーリーで、投資額は推定50億円。19日に正式オープンする。

 7.ユニバーサルエンターテインメント(旧・アルゼ)がパチスロ特許侵害を理由にサミーを相手取って210億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、ユニバーサルは全面的に敗北した。ユニバーサルはサミーのパチスロ「北斗の拳」により2特許が侵害されたとして05年12月に提訴したが、ひとつは特許侵害がない、もうひとつは特許が無効との理由で、東京地裁は07年5月に訴えを棄却した。ユニバーサルは控訴したが、知的財産高裁は3月10日、ユニバーサルの主張する控訴理由は1審以上のものではなく、特許の無効も確定している、として控訴を棄却する判決を出した。これについてセガサミーHDはニュースレリースを出したが、ユニバーサルからのコメントは出ていない。

 8.アトラスは3月15日、1月中間決算(8−1月)を発表、売上高は27%減の81億円、経常利益は94%増の6億8千万円、中間利益は4億8千万円(前年同期は21億円の赤字)だった。業務用は昨年3月に撤退開始、ゲーム場も12月初めに分離譲渡している。部門別では家庭用の売上高が58%増の58億円、営業利益が5%増の10億円、ゲーム場は売上高が51%減の23億円、営業利益は95%減の9百万円だが、業務用販売については項目そのものがなくなった。ゲーム場の分割譲渡に伴い、1億6千万円の特別損失を計上した。通期(10年7月期)の業績予想は修正していない。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。