2010年2月1日号Last updated on January 18, 2010
特報
 エスケイジャパンの9ヵ月業績は増収黒字になった。

 北九州で3月中旬まで「TVゲーム展」が開催されている。
海外
 米国ニューヨーク市はシングルロケの台数を9台に拡げた。

 ストラトスフィアータワーの「スカイジャンプ」の計画も。

国内

 ケイブ11月中間期は大幅減収で赤字だった。

 「パックマン」30周年で中華まん「パックまん」発売中。


2010年2月1日号のニュースダイジェスト
写真はAOU近畿地区協新年会で、上は(左から)AQインタラクティブの森啓二専務、ユーエス産業の森莞爾社長、タイトーの小島理一本部長、下は(左から)富貴商会の高橋靖和代表、フウキの高橋富貴子代表、ユウビスの川楠俊太郎社長。

20年前の主なニュース

 英国ATE90でコナミ工業「タートルズ」など、日米のTVゲーム新作が多数披露された。AOUエキスポは会場を幕張に移し、42社が出展予定に。警察庁保安課は前年の風俗犯取締り状況をまとめ、遊技機賭博を悪質・巧妙化と指摘した。タイトーは国内販売特約店を指定した。(1990年2月1日号)

30年前の主なニュース

 ロンドン郊外で開催されたATE80は「ギャラクシアン」などポストインベーダーゲームが出揃い、盛り上がった。レジャックは「スペースウォー」を国内2社に許諾、タイトーも「フィールドゴール」で1社に許諾した。TVゲーム機メーカーも基板供給を開始した。セガ社は札幌支店を披露した。(1980年2月1−15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.エスケイジャパンは1月12日、第3・四半期までの9ヵ月(3−11月)業績を発表、売上高は3%増の68億7千万円、経常利益は2億8千万円(前年同期は3億7千万円の赤字)、純利益は3億6千万円(3億8千万円の赤字)と増収黒字になった。オペレーター向け景品など卸売り事業での売上げを伸ばしたのと、7店あった小売店を4店に減らしたのが功を奏した。このため10年2月期業績予想を、売上高92億8千万円(10月の前回予想では90億円)、経常利益4億5千万円(2億円)、当期利益3億6千万円(3億4千万円)に上方修正した。これには特別損失に計上する役員の退職慰労金1億円も含まれている。

 2.ケイブは1月13日、第2・四半期までの中間(6−11月)決算を発表、売上高は27%減の11億7千4百万円、経常損失は1億5百万円(前年同期は2億3千2百万円の利益)、中間損失は1億7千万円(1億3千万円の利益)と大幅減収で赤字になった。部門別売上高はオンラインゲームが32%減の4億8千万円、コンテンツプロバイダーが23%減の3億8千7百万円、ゲーム開発(業務用と家庭用)が6%増の2億千6百万円、コマースが半減の9千百万円だった。昨年5月にレベニューシェアーを開始した業務用ゲーム機の直販を廃止、その整理損1億6千3百万円を計上した。また通期(5月期)業績予想を大幅下方修正した。

 3.米国で最も人口の多い都市、ニューヨーク市はゲーム場(アーケード)許可が必要になるゲーム機台数を4台から10台に引き上げる改正条例案を12月21日に49対1で可決し、28日にマイケル・ブルームバーグ市長が署名して成立した。3台以下なら許可のいらないシングルロケの規制を緩和するこの改正条例は、3月28日に施行される。米国でのゲーム場許可は、日本の風俗営業許可と趣旨・仕組みなどがまったく異なり、周辺市民の同意を得ることと、機械ごとの運営税徴収を円滑にすることが目的で、賭博に結びつくゲーミング機の設置運営は別の法律により禁止されている。今回の条例自体は1世紀以上前からあり、ゲーム場については学校から2百フィート以内で禁止、授業日の9−15時に18歳未満の者を入場させることも禁じている。

 4.米国ラスベガスのストラトスフィアータワーに、バンジージャンプのように展望台からただ落下するだけのスリルアトラクションが、年内にも実現するかもしれない。同タワーを所有するアメリカン・カジノス&エンタテイメント社が、証券取引委員会(SEC)に予算書を提出しているが、市に対する建設計画書などはこれからとのこと。予算書によると、ニュージーランドのオークランドで実際に運営中の、192メートル落下する「スカイジャンプ」と同様のものを予定している。展望台にある「ビッグショット」など3つのアトラクションの利用料は計30ドル程度だが、「スカイジャンプ」は単独でもっと高額になるもよう(ニュージーランドでは140ドルで運営されている)。

 5.北九州イノベーションギャラリーで12月26日から3月14日までにかけて、電子技術から見た企画展「ザ・テレビゲームゲーム展」が開催されており、ごく初期の家庭用試作機「ブラウンボックス」の複製から、任天堂「Wii」など最新の家庭用本体まで展示している。業務用は「パックマン」アップライトなど。イベントタイムには「コンピュータースペース」の電源を入れ、デモ画面を見せることもあり、業務用TVゲームのいくつかは家庭用で試遊できるという。国立科学博物館との共催で、会場内は撮影禁止。場所はJRスペースワールド駅から徒歩約5分。原則的に月曜日は休館。入場料は大人500円。

 6.山形県蔵王成沢の「フラワーパーク花夢花夢(カムカム)」を運営するジューキ工業が12月30日までに、自己破産申請の準備に入ったことを表明した。山形新聞などが伝えた。同社は1957年、高橋重機工業として創業した土木・造園業者で、03年11月期の売上高は約6億9千万円だったが、公共事業削減などにより、08年11月期の売上げは3億9千万円に減少していた。「フラワーパーク花夢花夢」は25ヘクタールの敷地に花畑と緑地、9ホールのミニゴルフ場、標高350mの大観覧車、2.5kmのコースを持つF1カート、全長500mのゴーカートなどを備え、毎年4月中旬から11月初旬まで営業していた。

 7.バンダイナムコゲームス(旧・ナムコ)の業務用TVゲーム「パックマン」がデビューして今年5月に30周年を迎えるのを記念して、同社とサークルKサンクスが共同開発した中華まん「パックまん」が、全国のサークルK、サンクス(計約6千2百店)で1月13日から発売されることになった。外見は黄色いパックマンそっくりで、中にはクッキークリームが入っており(パックマンがクッキーを食べたというしゃれ)、一個税込120円。数量は限定されている。「パックマン」は姉妹編の「ミズパックマン」を含め80−87年に米国など世界中で約30万台も売れ、05年にはギネス社から「最も成功した業務用ゲーム機」に認定されている。

 8.昨年1月に民事再生手続き開始を申請、経営危機を表面化した大長商事梶i福岡市東区松島、長友隆典社長)は、12月2日の債権者集会で可決された再生計画を、同日福岡地裁が認可、1月5日に確定したことを14日に発表した。昨年2月の民事再生手続き開始決定以来、同社では玩具・景品の販売事業からの撤退、東京支店の閉鎖、長友隆典会長の社長復帰など、再建を模索してきている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。