2008年6月1日号Last updated on May 19, 2008
特報
 トムスはゲーム場運営事業をゲオに売却、アニメ事業に特化すると発表した。

 有名ブランドの偽物を景品にした業者が商標法違反で逮捕された。

海外
 UAEのドバイランドに「マーベル」のテーマパークが計画されている。

 アルゼはマニラ近くにカジノリゾート建設を計画中だ。

国内

 コナミはゲームコンテンツなどが好調で、大幅増益だった。

 ソニーのゲーム部門、09年3月期は黒字転換を見込んでいる


2008年6月1日号のニュースダイジェスト
写真はアラブ首長国(UAE)の「ドバイ・エンタテイメント・アミューズメント&レジャーショー」(DEAL)08の広報・宣伝用写真から。これらの写真自体は「DEAL07」の開会式と出展社のひとつ、ファンワールド社の小間のようす。

20年前の主なニュース

 未成年者のAMゲームプレイを禁止するシカゴ市条例の施行に対して、業者が訴え、裁判所は仮差し止めを決定した。AOUは新風営法の矛盾点を訴える要望書を警察庁に提出した。SNKは「ファイティングゴルフ」販促でリー・トレビノと提携した。タイトーはイタリアでコピー対策の成果を上げた。(1988年6月1日号)

30年前の主なニュース

 国税庁は、テーブル型TVゲーム機は原価構成割合から、物品税対象のテーブルに該当しない、と判断した。米国バリー社の日本法人、バリージャパンはロス・シェア社長が就任、渋谷・道玄坂に移転した。ショウエイが新作展を開催した。全日本遊園協会(JAA)が宮益坂上の安田ビルに移転した。(1978年6月1日号)

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【ニユースダイジェスト】
 1.セガサミーホールディングスは5月13日、08年3月期連結決算を発表、売上高は13%減の4,589億円、経常損失は82億円(前年は812億円の利益)、最終損失は524億円(434億円の利益)と大幅赤字だった。主に「7号」遊技機規制に伴うもので、遊技機の売上高は32%減の1,464億円、営業利益は88%減の84億円と後退した。AM機の売上高は5%減の754億円で、営業利益は39%減の71億円、ゲーム場は363店で、売上高が12%減の912億円で、営業損失は98億円(1億円の利益)、家庭用ゲームソフトは売上高が19%増の1,422億円で、営業損失は59億円(17億円の利益)。投資有価証券評価損など計388億円の特別損失を計上した。09年3月期は売上高4,700億円、経常利益130億円、最終利益50億円を見込んでいる。

 2.バンダイナムコホールディングスは5月8日、08年3月期連結決算を発表、売上高は0.3%増の4,604億円、経常利益は21%減の361億円、最終利益は35%増の326億円だった。固定資産売却に伴う特別利益や、ゲーム場閉鎖に伴う特別損失を計上した。主な部門別では、トイホビーの売上高が3%減の1,801億円で、営業利益が18%減の143億円、ゲーム場運営の売上高が2%増の898億円で、営業利益が59%減の16億円、ゲームコンテンツは売上高が5%増の1,456億円(うち家庭用720億円、業務用612億円ほか)で、営業利益が29%増の147億円などとなっている。09年3月期は売上高4,700億円、経常利益395億円、最終利益225億円を見込んでいる。

 3.コナミは5月15日、08年3月期米国基準決算を発表、主にゲームコンテンツと海外ゲーミングが順調で、売上高は6%増の2,974億円、営業利益は20%増の338億円、純利益は13%増の183億円と増収増益だった。部門別では、デジタルエンタテイメントの売上高が8%増の1,789億円(うち家庭用874億円、業務用436億円、カードゲーム266億円、オンライン199億円ほか)で、営業利益は17%増の353億円、健康サービスの売上高が2%減の865億円で、営業利益は30%減の52億円、ゲーミング&システムの売上高が10%増の184億円で、営業利益は29%増の27億円など。09年3月期は売上高3,300億円、営業利益450億円、純利益260億円を見込んでいる。

 4.オリエンタルランド(OLC)は5月8日、08年3月期連結決算を発表、売上高は0.5%減の3,424億円、経常利益は9%減の275億円、最終利益は10%減の147億円の減収減益だった。東京ディズニーリゾートの入園者数は1.5%減の2,542万人と前年の反動で減少した。部門別では、テーマパークの売上高が0.8%減の2,868億円で、営業利益が11%減の281億円、複合商業施設の売上高が0.4%増の232億円で、営業利益が11%増の11億円、リテイルの売上高が5%減の169億円など。09年3月期はホテル事業が加わり、売上高は6%増の3,642億円、経常利益は266億8千万円、最終利益は162億2千万円を見込んでいる。

 5.「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)を運営するユー・エス・ジェイは5月9日、08年3月期単独決算を発表、年間入園者数は864万人と0.7%減ったが、売上高は1.5%増の731億円、経常利益は33%増の70億円、当期利益は78%増の67億円と好調だった。3月オープンの「ファンタスティックワールド」など追加アトラクションが順調に集客力を保っている上、初期投資にかかわる減価償却費も減少しており、高収益が見込まれている。09年3月期は売上高735億円、経常利益95億円、当期利益74億円を見込んでいる。

 6.ソニーが5月14日に発表した08年3月期連結決算によると、家庭用ゲーム部門の売上高は26%増の1兆2,842億円と、任天堂に追い越されたものの1兆円以上を維持し、営業赤字は1,245億円(前年は2,323億円)と1千億円以上減らした。「PS2」本体は98万台減の1,373万台売れ、「PSP」は436万台増の1,389万台、「PS3」は563万台増の924万台と伸ばした。ゲームソフトは「PS2」用が1億5,400万枚、「PSP」用が5,550万枚、「PS3」用が5,790万枚売れた。「PS2」ビジネスは縮小しつつあるが、「PS3」事業でコスト改善と、ゲームソフトの充実が進むと見ており、09年3月期は黒字転換が予想されている。

 7.ラウンドワンは5月9日、08年3月期連結決算を発表、売上高が19%増の779億円、経常利益が2%減の159億円、最終利益が6%減の91億円だった。店舗は11店新設して83店となった。売上高のうちゲーム場は14%増の332億円、ボウリング場は18%増の281億円、スポッチャは32%増の91億円など。店舗開発・賃貸を目的とする匿名組合など、41の子会社を通じての長期借入金は894億円に達する。09年3月期はさらに18店新設の予定で、売上高850億円、経常利益167億円、最終利益96億円を見込んでいる。

 8.セガサミーHDの53%子会社であるトムス・エンタテインメントは5月9日、「AGスクウェア」の店名で運営しているゲーム場を、映像・音楽ソフトレンタル・販売大手のゲオに売却することで基本合意し、アニメ事業に特化すると発表した。ゲオはすでにスガイ・エンタテインメントを子会社化している。トムスの08年3月決算は減収で大幅減益だったが、売上高の31%を占めるゲーム場部門では1店増3店減の24店で、売上高が2%減の47億円、営業利益が10%増の4億8千万円。トムスとゲオは5月下旬に正式契約する予定だが、金額はまだ明らかではない。またトムスでは、6月17日付で古賀督徳社長が退任、岡村秀樹セガ取締役が新社長に就くとのトップ異動を発表した。

 9.アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに建設中の巨大レジャー施設「ドバイランド」には、世界的なテーマパークを建設する計画が同時並行的に進められているが、そのひとつである「マーべル・スーパーヒーローズ」のテーマパーク建設についての基本計画が、5月中旬、ドバイランドのムハンマド・アルハバイCEOから発表された。それによると、42万uの敷地に、「スパイダーマン」、「X−メン」などを含むアメリカンコミック、マーベルシリーズのキャラクターにちなんだ遊園施設で構成され、2012年末に17施設とともに開業し、年間3百万人以上のビジターを集めることになっており、今後さらに計画を詰めていく。

 10.アルゼは4月25日、フィリピンでカジノリゾートを建設、運営する計画を進めていることを初めて正式に明らかにした。ただし、現在は暫定許可取得について現地関係者と協議中であり、計画が変更されることがありうるとのこと。計画によると2,500億円かけて、首都マニラの埋立地で計画されている「バゴン・ナヨン・フィリピノ・マニラ・ベイ・ツーリズム・シティ」の隣接地40ヘクタールを取得し、カジノホテル、水族館、美術館、スポーツ施設、観覧車、商業施設などを作るというもので、7月までに用地を取得、09年1月に着工、10年4月ごろにカジノ施設などをオープンする予定としている。

 11.兵庫県警生活経済課と灘署は5月7日、「ルイ・ヴィトン」の偽物の財布などを所持していたとして、姫路市内のクレーン専門ゲーム場「セブン」経営の井本大祐(29歳)と、神戸市灘区にある系列店を営む父親の井本二郎(58歳)を、商標法違反(譲渡目的所持)の疑いで逮捕した。調べによるとこの二人は今年2月、1回100円のクレーンゲームで箱を穴に落とせば、店内に陳列していた偽ブランドの財布やマフラーなどと交換するという方法で、ヴィトンやシャネル、エルメスなどの商標権を侵害した疑い。警察は2月に大阪市都島区にある系列店を含む3店と両容疑者宅から、2千点以上の偽ブランド品を押収していた。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。