2008年5月1日号Last updated on April 17, 2008
特報
 米国ASI08はさらに後退し、一段と小規模になった。

 セガ社はサンリオ株価の下落で、巨額の評価損を見込んでいる。

海外
 業務用セガUSA社の社長を、ウィリアムズ欧州社長が兼任することになった。

 ナムコは香港WTC店を「ナムコパークプラス」として全面改装した。

国内

 イオンファンタジーは2月期決算に加え、辻善則会長の退任予定を発表した。

 秋田の「大森山ゆうえんち・アニパ」が改装オープンした。


2008年5月1日号のニュースダイジェスト
写真は米国ASI08にて、上はICE社の小間で人気を集めた「バスターバブルス」(タッチスクリーンで、画面下から上がってくる泡を指で消してゆく)、下はロースリル社のTVガンゲーム機「ビッグバック・サファリ」を試しているようす

20年前の主なニュース

 韓国著作権法でTVゲームが視聴覚著作物と認められた。ナムコ、コナミに続き、セガ社の株式が東証2部に上場された。シグマもアーケードTVゲーム用カードシステムを試験運用した。茨城県警は賭博遊技機を広く展開していた業者を摘発した。タイトーはビリヤードの全国大会を催した。(1988年5月1日号)

30年前の主なニュース

 米国で家庭用フリッパーが発売、注目されている。JOU友好訪中団の22名は香港経由で、広州、杭州、上海の各少年宮を公式訪問し、無事帰国した。和歌山県白浜に「ワールドサファリ」が誕生、マル三商会とミタカの各ゲーム場もオープンした。カワクスは本社ビルを披露した。(1978年5月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.米国春の業務用展、ASI08(ラスベガス、3月27‐29日)は展示規模と内容、来場者数とも例年をはるかに下回り、訪れた業者を落胆させており、秋のショー(AMOAエキスポ)と統合して年一回にしたらどうか、という従来からの提案が蒸し返された。主催者であるAAMAが4月3日に発表したところによると、出展社は134社、登録入場者数は2,694名だった。主な出展社として米国のロースリル社、グローバルVR社、ICE社、コースタルAM社、日系のセガAM社、ナムコAM社らが奮闘しているものの、1月の英国ATEI以後の新作披露はスターン社のフリッパーぐらいで、縮小を続ける米国市場の後退ぶりを改めて示すものとなった。ASIは今回初めて最終日の午後を有料一般公開としたが、入場者は275名で散漫な印象を与えただけだった。

 2.米国ASI08で出品されたTVゲームは、セガ・アミューズメンツUSA社の「セガレースTV」、「プライミーバルハント」など、ナムコ・アメリカ社の「湾岸ミッドナイト・マキシマムチューン3」、「マリオカート・アーケードGP2」など、ICE社による「バスターバブルス」、バンプレスト「ワッキーレース」など、コースタルアミューズメント社の「シーウルフ」、グローバルVR社の「パラダイスロスト」、「ブレイジングエンゼルズ」など、1万台のヒットとなった「ビッグバック・ハンター・プロ」に続くロースリル社の「ビッグバック・サファリ」など、ベトソン社によるコナミ「DDRスーパーノバ2」など。またスターン社は「インディージョンズ」、「シュレック」などのフリッパーを出品した。

 3.セガ社の米国業務用販売子会社、セガ・アミューズメンツUSA社(シカゴ郊外)は4月2日、欧州業務用子会社のセガ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社(SAE)のポール・ウィリアムズ社長が社長兼COOを兼任することになった、と発表した。ウィリアムズ氏はSAEでの11年を含め、業界歴は25年以上で、SAEでのこれまでの経営能力が評価された、とセガ社AM海外事業部の宮崎達之部長は説明している。米国でセガ・アミューズメンツUSA社(サンフランシスコ)は05年9月にサミーUSA社(シカゴ郊外)と合併した上で、06年3月シカゴ郊外に完成した新事務所に移転した。サミーUSA社以来の社長兼COOだったリック・ロカティー氏は退任した。

 4.セガサミーホールディングスは4月4日、前期(08年3月期)連結決算で保有する有価証券の評価損113億9千2百万円を計上する予定、と発表した。うち109億円はサンリオの株価下落によるもので、セガサミーHDが06年10月までにサンリオの株式を買い増した結果、セガサミーHD社はサンリオの株式の14%を所有し、筆頭株主となったが、その取得簿価1,752円に対し、3月末の株価が868円と半分以下まで下落したため、巨額の評価損が発生することになった、とされている。2月8日の業績予想下方修正後、「MM21」開発計画中止に続く特別損失事項であり、同社の経営建て直しに向けて、近く業績予想が再修正される、と見られている。

 5.イオンファンタジーは4月7日、08年2月期単独決算を発表、売上高は前年比14%増の約494億8千万円、経常利益は2%減の45億6千万円、当期利益は4%減の24億5千万円と、3月7日に発表した業績予想とほぼ同じ内容だった。海外はマレーシアで2店増の12店、中国で子会社を設立した。主力の国内直営は年度内に24増5減の329店、フランチャイズは1店増の13店。売り上げで最も大きいのは機械のオペレーション(82%)で、カードなど商品は17%。09年2月期は売上高545億円、経常利益54億円、当期利益28億4千万円を見込んでいる。5月13日の定時株主総会を機に、辻善則会長と平沢範雄副会長が退任する、との異動も明らかにした。

 6.バンダイナムコグループは4月19日、香港・コーズウェイに最新ゲーム機を揃えた大型ゲーム場「ワンダーパークプラス」をオープンする、と9日に発表した。ロケーションはコーズウェイのワールドトレードセンター6階の1,150uで、設置台数は約100台。ナムコの子会社、ナムコ・エンタープライゼス・エイシア(香港、猪野修平社長)が、これまで運営してきた「ナムコワンダーパークWTC店」を全面的に改装、「機動戦士ガンダム・戦場の絆」など海外市場では初登場の機械を揃えた。バンダイナムコグループの人気コンテンツを多数盛り込み、グループシナジーを具現化した海外初の複合AM施設だと説明している。初年度百万人の来場を見込んでいる。

 7.秋田県唯一の遊園地、「大森山ゆうえんち」が昨年6月以来休園、閉鎖となっていたが、経営が8月に浜田観光から豊永産業に代わり、新しい遊園施設を加えるなど整備して4月1日、改めて「大森山ゆうえんち・アニパ」として営業を開始した。「アニパ」はこの遊園地のある大森山動物園に基づき、動物の楽園を意味する「アニマル・パラダイス」から作った造語で、遊園施設も動物にちなんだネーミングになっている。リニューアルに伴い「ウサギ・アンバーのジャンピングスター」など2機種が加わり、また4月末に「アニマル列車」が導入される。動物園の入園料は500円(中学生以下無料)で、遊園地の入園は無料だが遊園施設の利用料は各300円。

 8.テクモは4月3日、中村純司元社長が同社を相手に起こしていた民事訴訟は3月28日に法廷和解し、終了したと発表した。中村氏は87年に入社、91年取締役などを経て、01年10月に社長、05年11月に代表権のない副会長となり、06年2月付けで退任したが、同社は役員退職慰労金を支払わなかった。そのため中村氏は07年2月、同社が役員退職慰労金として1億6,990万円を支払うよう求めた訴訟を起こし、東京地裁で係争中だった。このほど裁判所が示した和解案を受け入れることにより、双方は和解したが、具体的な和解内容は公表していない。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。