2008年4月15日号Last updated on April 3, 2008
特報
 セガサミーHDは横浜「MM21」の計画を中止、50億円以上放棄を決めた。

 カプコンはゲームソフト開発のケーツーを買収した。

海外
 UAEドバイでメリット社コピー品を摘発、逮捕者も出た。

 バリー・テクノロジー社は特許訴訟でIGT社に勝った。

国内

 エキスポランドは年内休園が確実になった。

 ネクストジャパンは1月中間決算もさえず、3年連続赤字に。


2008年4月15日号のニュースダイジェスト
写真は米国ASI08にて、上はナムコアメリカ社の小間で(左から)西川豊史社長、バンダイナムコゲームスの竹内哲郎常務、下は米国スターン社の小間で新作フリッパーのひとつ、「インディ・ジョーンズ」を試しているようす。

20年前の主なニュース

 本紙調査で「AMゲーム機と賭博機は区別できる」と71%が回答した。AOUは大型間接税の導入に反対する文書を、通産省・サービス産業室に提出した。コピー基板摘発を進めるため、米国AAMAのボブ・フェイ氏が専務に昇格した。アイレムがアイレム販売のある岡本興産ビルに移転した。(1988年4月15日号)

30年前の主なニュース

 JAAのオペレーター部会は「メダルゲーム場運営基準」を改めて配布、健全化を訴えた。JOU友好訪中団22名が羽田空港から出発した。東京・池袋のサンシャインビル60階にタイトー「ビデオイン60」が誕生した。日本バーリーがエキスポランドでテーブル型TVゲーム大会を開催した。(1978年4月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガサミーホールディングスは3月28日、横浜の「みなみとみらい21」(MM21)中央地区での複合施設開発計画を中止する、と発表した。コア事業に注力して業績を早急に立て直すためで、07年2月に226億円で購入済みの「MM21」55・56・57街区(2万8千u)の開発を中止、さらに予定していた58街区(1万3千u、104億円)の購入を断念する。横浜市都市開発公社だけが土地買戻しができ、45億2千5百万円の違約金を受け取った上で、購入価格と同額で買い戻す見込み。58街区については予約金5億2千万円を返還しない。セガサミーホールディングスは計50億4千5百万円を放棄することにより、それ以上の出費を抑えることになり、これを含めた通期業績予想を近日中に修正する。

 2.カプコンは3月28日、ケーツー(大阪府藤井寺、児玉光生社長社長)を株式交換方式で買い取ることで合意した、と発表した。ケーツーはアイレムやSNK、彩京、スクウェアなどで開発を担当した児玉光生氏が、00年8月に設立したTVゲームソフト開発会社で、Xbox360用「ロストプラネット」でカプコンに開発協力した。また、SNKプレイモアが4月に発売する、業務用「サムライスピリッツ閃」を開発したことも知られている。カプコンは開発部門の拡充を図るため、ケーツーの全株式(60株=児玉氏が所有)をカプコンの株と(1株3,362株の割合で)交換する方法により、5月1日付で100%買取することにした。

 3.時間制ゲーム場「JJクラブ100」を展開してきたネクストジャパンホールディングスは3月31日、1月中間連結決算を発表、売上高1,285百万円、経常損失270百万円、中間損失287百万円だった。直営ゲーム場は1店増の10店で売上高8億円、営業損失1億円、フランチャイズ店は16店減の11店で売上高2億円、営業利益5千万円、07年8月に購入した南千葉G&Rは売上高2億円、営業損失4千万円などで、まったくさえない。同社では今春から、優勝者に商品を提供するダーツの全国大会(予選参加料2千円)を実施し、業績回復に努めるとしている。通期(08年7月期)業績は売上高27億円、経常損失5億円、当期損失5億6千万円と3年連続赤字を見込んでいる。

 4.エキスポランドは昨年5月のローラーコースター事故により休園し、8月にいったん営業再開したものの、別のコースター事故が起こったため12月から無期限休園に入っているが、今年中の営業再開を断念していることがこのほど分かった。絶叫マシンを中心とする従来の構成を改め、全年齢層を対象にする遊園地にするとの考えで大規模改装の予定だが、具体的なめどが立っていないため、現状では「09年春の再開を目指す」とのこと。死亡事故を起こしたローラーコースター「風神雷神U」は3月19日から撤去作業が始まっている。なお幹部以外の社員59人のうち約10人は希望退職に応じており、自宅待機中の社員約40人も3月末で解雇される予定。

 5.米国メリット・エンタテイメント社のTVゲーム機「メガタッチ」シリーズの無断コピー品に対する取り締まりは、同社の法的手続きにより国際的に進められているが、3月初めの中国広東省番禺(パンユー)での摘発に続いて、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで3月18日に摘発が行なわれた。メリット社によると、これはUAE著作権法に基づきドバイ警察の経済犯罪担当が実施したもので、販売していたインド人1名を逮捕し、無断コピー品である30枚のマザーボードと13枚のアップデイトキットを押収した。メリット社の法務担当であるボブ・フェイ氏は、「UAEで販売されているコピー品の調査に2ヵ月間を要した。販売先をさらに追及する」と語っている。

 6.米国のバリー・テクノロジーズ社は3月25日、インターナショナル・ゲーム・テクノロジー社(IGT)およびシャフルマスター社から訴えられていた特許訴訟で勝った、と発表した。ネバダ州にある連邦地裁が、連邦最高裁が認める「自明性」原理に基づいてバリー社が展開した主張を認め、IGT社らの訴えを退ける略式判決を言い渡したもので、訴訟の元となったIGT社らの「シューベルト」特許と「フィッシュバイン」特許は無効とされた。IGT社はこれ以外にもバリー社を訴えているが、特許庁により拒否されたりして、まだ成功していない。なおバリー・テクノロジー社は元のバリー社自体ではないが、1932年以来のブランドを継承するゲーミング機メーカー兼カジノ運営会社。

 7.古くからの業務用メーカーで01年以来家庭用ゲームソフトに特化している米国ミッドウェー・ゲームズ社は3月20日、デビッド・ザッカー社長兼CEOが退任したため、マシュー・ブーティー上級副社長が臨時に後任となり、正式の後任を探すことになったと発表した。3月6日に発表された同社の07年12月期連結決算は、売上高165百万ドル、純損失77百万ドルと連続赤字で(04年以来実に約3億ドルもの損失を出してきた)、04年に就任したザッカー氏ら複数の経営陣がとうとう逃げ出した、と説明されるほど混迷の度を深めている。だがそれでも、大株主であるナショナルアミューズメント社のサマー・レッドストーン会長は、回復の可能性があると説明している。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。