2007年11月1日号Last updated on October 17, 2007
特報
 大阪娯楽機製作所とエイケイワークスの破産手続きが正式に始まった。

 監理ポストに入ったセタは、アルゼが完全子会社にする予定。

海外
 パチンコ店大手のマルハンがマカオのカジノへ進出を開始した。

 米国パレス社が同業の欧州パルケ社に買い取られた。

国内

 セガサミーホールディングスは中間期業績予想を大幅下方修正した。

 セガ社経営のオールスターパーク岐阜で、指切断の事故が発生した。


2007年11月1日号のニュースダイジェスト
写真は東京ゲームショウ(TGS)2007にて、上はマイクロソフトの小間でXbox360用の新作ソフト(カプコンの「デビルメイクライ4」)を試しているところ。下はSCEの小間でPS3用ゲームソフトをずらりと揃えて紹介しているようす。

10年前の主なニュース

 セガ社はCGゲームのドライバー視点切り替え特許が登録されるのに伴い、ライセンス交渉を開始すると発表した。AMショーに伴い日米欧の協会トップによるサミット懇談会が開かれたが、議論はすれ違いに終始した。任天堂はSFCソフトのROM書き換えサービスを開始した。(1997年11月1日号)

20年前の主なニュース

 ナムコはAMショーで、プレイヤー同士がゲーム内で競争できる通信機能つき「ファイナルラップ」を披露した。AOUは新会長に梅原靖三副会長(大阪府協会長)を選んだ。JAMMA健娯推委は子ども用メダルゲーム機をアーケードゲーム機として扱う、という新解釈を決めた。(1987年11月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.豆汽車など遊園施設のメーカーである大阪娯楽機製作所(大阪府阪南市箱作、藤原忠社長)と販売部門のエイケイワークス(大阪府泉南郡岬町、同社長)に対し、大阪地裁岸和田支部は9月28日、破産手続き開始の決定をした。負債は約2億円。エイケイワークスは、75年設立の朝日エンジニアリングから独立した藤原氏が、98年2月に設立した朝日エンジニアリング販売を、99年8月に社名変更したもので、98年8月に大阪娯楽機製作所(40年設立)と製造販売でタイアップした。07年創業の朝日屋(戦後に朝日科学模型製作所と改称)の系譜に属し、小型遊園施設の企画・デザインから完成まですべてこなす数少ない業者。5月末から申請手続きを進めていた。

 2.岐阜県本巣市のSC「リバーサイドモール」内の時間制AM施設「オールスターパーク岐阜」で10月6日、サッカーボールを蹴る「ターゲットストライカー」(トミースポーツ工業「パーフェクトキック」)で遊んでいた小学1年の男児が、ボール搬送装置の駆動部分に指を挟まれ、切断されるという事故が発生した。同施設と隣接する「セガアリーナ岐阜」を運営するセガ社は直ちに2ヵ所の営業を中止し、広島と埼玉にある同機種2台の使用も中止、社内に対策委員会を設置した。同委員会は8日、通常カバーで覆われている駆動部分のチェーンと歯車が露出したまま不適切に使用されていた、との調査結果をまとめ、再発防止策を示した。なお、岐阜県警北方署は業務用過失傷害容疑で調べている。

 3.セガサミーホールディングスは10月5日、9月中間期連結業績予想を売上高2,300億円(5月の前回予想は3,100億円)、経常損失65億円(130億円の利益)、中間損失215億円(50億円)と大幅に下方修正した。48万6千台計画したパチスロ遊技機の販売が31万台に、12万7千台計画したパチンコ遊技機が5万7千台にとどまり、遊技機事業の売り上げ・損益ともに計画を大きく下回る見込みとなったため。AM機事業は堅調、ゲーム場運営と家庭用ゲームは売上高が計画を下回る見込み。

 4.パチンコ店経営最大手のマルハン(本社東京と京都、鈴木嘉和社長)は10月10日、中国・マカオでカジノホテル「ポンテ16」を建設するワールドフォーチュン社の株式の10.2%を、また「ポンテ16」の権益の49%を持つマカオサクセス社の株式の9.1%を、計4億4千6百万香港ドル(約67億円)で取得したと発表した。7月末より調査を実施、9月末に出資の合意をしたもの。日系企業によるマカオカジノ経営への進出は(ウィン/アルゼを別にして)初めてとなる。マルハンは約220店のパチンコ店経営のほか、ゲーム場(8店)やボウリング場など14店を経営している。

 5.大阪・ミナミの御堂筋沿いに建設中の複合ビルに、垂直落下型の遊園施設が組み込まれ、話題になっている。12月にオープンする複合ビル「ナンバヒップス」(地上12階から地下2階)について、オーナーでパチンコ店経営の平川商事(大阪府八尾市、平川晴基社長)が10月10日に発表した。インタミンジャパンが導入する垂直落下型の遊園施設「ヤバフォ」はビルの外壁面に設けられており、74mの高さから全長60mを秒速22mで落下する。6人乗りで利用料約千円、年間40万人の利用を見込んでいる。主力のパチンコ店のほか、ゲーム場や飲食店なども入る予定。近くの道頓堀川には変形観覧車を備えたドン・キホーテ道頓堀店がある。

 6.アルゼは10月1日付でパチスロ機などの開発・販売部門を分割移転するとともに持株会社に移行した、と3日に発表した。その結果アルゼグループでは、パチスロ・パチンコ遊技機と業務用ゲーム機の開発をセブンワークス(旧アルゼ分割準備を改称、元サミー社長の吉田賢吉氏が代表)が担当し、製造はアルゼ、メーシー販売、エレコ、ミズホの4社が担当。部材などの調達はアルゼグローバルトレーディング(旧ノーチラスを改称)が担当、販売はアルゼマーケティングジャパン(旧システムスタッフを改称)が、パチスロ機器の資産管理・ファイナンスはアルゼレンタルサービスがそれぞれ担当することになった。

 7.アルゼの子会社のセタは10月2日、07年3月期決算で売上高約8億円を不正に計上していた事実について発表した。発表によると、元専務の強い指示・命令と元社長による積極的容認により、原始証票を含む書類の偽造・改ざんが行なわれ、08年3月期に計上すべき売り上げを07年3月期に計上した。しかし納品されているはずの製品が7月になっても出荷されていないことから、事件が発覚した。セタは今後有価証券報告書など訂正する予定。ジャスダック証券取引所は同日、上場廃止基準に該当するおそれがあるため、セタを監理ポストに割り当てた。アルゼは10月3日、セタの全株式を取得し完全子会社にする方針を決めた。具体的な時期や方法などは追って決めるとしている。

 8.アルゼはサミーを相手に特許侵害訴訟を起こしているが、根拠となるパチスロの告知機能に関する特許2件についてサミーは無効審判を請求しており(06年3月)、うち3708056号特許については06年10月に無効審判が言い渡されており、3069092号特許についても特許庁は10月2日、一部(17ヵ所の請求項)について無効審判を言い渡した。訴訟自体は東京地裁で07年5月、アルゼの訴えを全面的に退ける判決が言い渡されたが、アルゼは控訴している。アルゼは4日、092特許のうち告知機能システムに関する請求項目は無効となっていないとし、これらの無効審判は特許侵害訴訟に影響を与えないと説明している。

 9.米国の家族客向けAM施設(FEC)やウォーターパークなど32ヵ所を運営するパレス・エンタテイメント社(カリフォルニア州ニューポートビーチ)の親会社が8月24日、米欧に拠点があるミドオーシャン・パートナーズ社から欧州のFECオペレーターであるパルケ・リウニドス社に異動した。98年設立のパレス・エンタテイメント社はM&Aを通じて急速に拡大したが、06年2月ミドオーシャン・パートナーズ社に買い取られていた。それが今回、三億三千万ドルの値段でスペインに本社を置くパルケ・リウニドス社に買い取られたことになる。パルケ・リウニドス社は遊園地、動物園、ウォーターパークを含め28ヵ所運営する大手オペレーター会社。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。