2005年7月15日号

Last updated on July 11, 2005

特報

 アルゼの特許訴訟は、対SNKプレイモア、対サミーとも敗訴した。

 セガ社は新作展で「HOD4」などを披露した。

海外

 英国BACTAは展示会などを担当するATE社を売却した。

 音楽ゲームの米国ロクサー社は、アンダミロ社と提携した。

国内

 今年のAMショーは会場が幕張に変更になり、規模は昨年よりわずか大きくなる。

 USJはGSキャピタルらが引き受ける第三者割当増資を実施する。


2005年7月15日号のニュースダイジェスト
写真はセガ社新作展で、上はセガ社の国内業務用販売を担当する(左から)田畑俊哉部長、鈴木義治常務、山下滋執行役員。下は62インチワイド画面の「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド4」を試しているようす。

10年前の主なニュース


 「ネオジオ」ゲームソフトをコピーした21人を韓国ソウル地検が逮捕、起訴した。フランスのユーロディズニーは「ディズニーランド・パリ」に改称した。セガ社はディズニーキャラクターの景品用使用で許諾を得た。カプコンは新作展で「ストリートファイターゼロ」を紹介した。ナムコのCGゲーム「アルペンレーサー」が出荷された。(1995年7月15日号)

20年前の主なニュース


 コンピュータープログラムの著作権を明文化する法改正案の国会審議で、JAMMA中村雅哉会長が参考人として意見陳述した。ナムコはアロー電機にも勝訴した。大阪府協は中西昭雄連合会設立準備委員長を招き、NAOを引き継がない、風営規制に対し闘うとの方針を申し入れた。米国AAMA会長にデータイーストUSAのボブ・ロイド氏が就任した。(1985年7月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.アルゼが起こしていた2件の特許訴訟は7月7日、いずれも敗訴した。ひとつはSNKプレイモアがパチスロ機「メタルスラッグ」でアルゼの特許を侵害したと主張する訴訟だが、東京地裁は「本件特許発明の技術的範囲に属さない」ので特許侵害はないとして、アルゼの訴えを退けた。SNKプレイモアはこの訴訟を嫌がらせだとして、アルゼに対し損害賠償訴訟を起こすとともに、偽計業務妨害で刑事告訴をしている。もうひとつは、サミーのパチスロ機「ジュウオウ」に関して、アルゼが02年に起こした訴訟で、特許庁がアルゼの主張する「フラグ持越し」特許自体を無効と審決したのに対し、アルゼが審決取消訴訟を起こし、それを東京高裁が棄却したので、上告していたもの。最高裁はアルゼの上告を退ける決定をし、事実上アルゼの敗訴が確定した。

 2.セガ社は7月7−8日、東京で新作展(大阪は12日、福岡は14日)を開催し、「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド4」(HOD4)など新作を多数披露した。「HOD4」は新開発のCG基板「リンドバーグ」に基づき、ぬめり感などを実現させたもので、初めて62インチワイド画面を使用した。「ネットワーク対戦麻雀MJ3」はシリーズ三作目で、ルールの異なる雀荘を選択できる「雀荘モード」を追加した。以上は今冬出荷予定。アークシステムワークスの「ギルティギア・イグセクス・スプラッシュ」はナオミ基板を使用、SNKプレイモアの「ザ・キング・オブ・ファイターズ・イレブン」はアトミスウェーブを使用したいずれもシリーズ最新作。また、グレフのシューティングゲーム「アンダーディフィート」も紹介された。

 3.今年のAMショー(9月1−3日、幕張メッセ)には、47社が計772小間に、プライズコラボレーションが116小間に出展する予定で、計888小間と昨年をやや上回ることになった(昨年は45社の774小間とプライズコラボレーション106小間の計880小間)。昨年と比べケイブ、日本システムなど5社増え、リバーサービスなど3社減った。出展規模の大きいのは順に(カッコ内は昨年)セガ社135小間(170小間)、ナムコ120小間(100小間)、プライズコラボレーション、アルゼ77小間、バンプレスト65小間、タイトー60小間(以上3社は変化なし)、カプコン30小間(25小間)、エイブルコーポレーション25小間(12小間)、アトラス22小間(20小間)など。コナミは今回も出展しない。

 4.英国の遊技機業界団体、BACTAは6月23日、これまで所有してきたATE社を展示会専門会社のクラリオンイベント社に譲渡することになったと発表した。ゲーミング機、アミューズメント機、遊園施設という幅広い分野をカバーしているBACTAは、ATE社を通じて、世界的に有名な展示会であるATEI/ICEを毎年1月に開催し、また出版活動も行なってきているが、このほどゲーミング法の大掛かりな改正が行なわれることになり、それに全力を挙げて取り組む必要が生じたので、すでに事業が安定しているATE社を手放すことにしたという。クラリオンイベント社はATE社を取得後も、BACTAと提携していくという。

 5.ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユー・エス・ジェイ(USJ)は7月7日、米国ゴールドマン・サックス(GS)系の投資ファンド、GSキャピタル・パートナーズと日本政策投資銀行を引き受け先とする総額250億円の第三者割当増資を行なうと発表した。ただし割り当てられるのは議決権のない優先株で、これを普通株に転換した場合、GSキャピタルはUSJの31%を所有する筆頭株主になる。USJの経営を圧迫する1,250億円の有利子負債の削減を目的とするもので、7年以内の株式上場を見越して計画した。上場できない場合は全額を払い戻す条件がついている。7月21日の臨時株主総会でGSなどから3人の社外取締役を受け入れる予定。USJの05年3月期は3年ぶりの営業黒字だったが、最終損益は51億円の赤字だった。

 6.米国ロクサーゲームズ社は6月18日、音楽ゲームで実績のある韓国のアンダミロ社と提携し、「パンプ・イット・アップ・イン・ザ・グループ2」を出荷する、と発表した。発表によると、ロクサー社「イン・ザ・グループ2」の音楽内容・グラフィック・操作性を、アンダミロ社の「パンプ・イット・アップ」シリーズで定評のある、33インチ画面付きキャビネットを合わせたもので、曲目を増やすなど充実させたとのこと。コナミはアンダミロ社を提訴したが効果を挙げておらず、またロクサー社も今年5月提訴しているが、今までのところ成功していない。

 7.米国ウォルトディズニー社は7月8日、創業者の甥、ロイ・ディズニー元副会長とスタンリー・ゴールド元役員が同社に対する訴えを取り下げたと発表した。この2人の株主は過去五年間、マイケル・アイズナーCEOに反対してきた。アイズナーは9月に退任するが、後任CEOにロバート・アイガー社長の昇格を決めたため、元副会長らはその指名無効を求め5月に訴訟を起こしていた。しかし、次期経営陣が次々と決まる中で、これ以上争うのは適当でないことから、仲直りしたもの。ロイ・ディズニーは名誉取締役兼相談役に就任する。

 8.アトラスは6月24日、「ゲームパニック横浜」に関する建物賃貸契約を解消、同施設から撤退することを決め、それに伴い1億4千6百万円の特別損失が発生することを明らかにした。「ゲームパニック横浜」はカフェバー「ガスパニック」とのコラボレーションにより、横浜・みなとみらいの商業施設「ジャックモール」に99年10月出店し、人気を集めたが、競合店の出現などにより業績が伸び悩んでいたため、今年5月に閉鎖していた。特別損失は保証金の不返還や設備の撤去などによる。同社は今後も出店するが、不採算店の閉鎖・売却も進めるとしている。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。