2005年6月15日号

Last updated on June 8, 2005

特報

 タイトーとセガ社は5月中旬の新作展で、TVゲームを多数披露した。

 AOUの元会長で理事の梅原靖三氏が死去した。

海外

 米国「E3」で家庭用次世代機が揃って紹介された。

 ナムコアメリカ社は限定版の「パックマン25周年記念」を発売した。

国内

 セガ社決算は増収減益、カプコンは増収で大幅黒字になった。

 ナムコは50周年記念イベントを横浜で催した。


2005年6月15日号のニュースダイジェスト
写真はナムコ50周年記念イベントで、上はギネスブック認定セレモニーでの(左から)開発した岩谷徹氏、ギネス社のデビッド・ホークセット氏、中村雅哉会長、石村繁一社長。下は記念品贈呈で(左から)石村繁一社長、中村雅哉会長、木九四郎副会長。

10年前の主なニュース


 米国タイムワーナー社はシックスフラッグス社株式の大半を手放した。海外家庭用が大きく後退し、セガ社、タイトー、ナムコとも大幅減益になった。乙種電気用品のマーク表示が7月から廃止されることになった。JAMMAの日南香専務が退任し、高橋和治氏が跡を継いだ。旭精工が英国に欧州子会社を設けた。(1995年6月15日号)

20年前の主なニュース


 タイトーは新作展でモニターを二個使用した「ワイバーンF−0」、マイルスター社のLDゲーム「マッハスリー」など紹介した。米国AAMAはコピー基板の使用が犯罪になるとのキャンペーンを開始した。プレイメーターによる第6回AOEは低調だった。コナミ工業「グラディウス」が出荷された。甲陽産業の八木博氏が死去した。(1985年6月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.ナムコは6月1日、横浜アリーナに国内外から2,500人以上の社員を集めて、創立50周年記念イベントを開催するとともに、ギネスブック認定のセレモニーを行なった。石村繁一社長が開会挨拶で、ナムコイズムを継承するとともに変化させていくと述べた。ギネスブックは「パックマン」を最も成功した業務用ゲーム機としてさきほど認定しており、その認定証の授与式が行なわれた。同ゲームは80年7月以来293,822台(許諾された287,668台を含む)販売されたとしてギネスブックに申請された。中村雅哉会長は、ナムコの50年間のエピソードなどに触れつつ、バンダイナムコホールディングスの高須社長の次の社長はナムコから出す約束になっている、将来的には役員構成を30代の若い人50%、外国人30%、女性20%にしたい、と述べて注目された。

 2.タイトーは5月19日、東京で新作展を開催し、6月発売の「バトルギア4」(タイプXプラス)、「ゾイドインフィニティEX」(246)などを紹介した。タイプX基板では6月発売の「スピカアドベンチャー」、7月発売の「兎・オンライン」(童)、「ほむら」(韓国スコネック社)なども出品した。セガ社は同20日、東京で新作展を開催し、「機動戦士ガンダム0079カードビルダー」(チヒロ、発売元バンプレスト、開発・販売セガ社)、「セガゴルフクラブ2005」(チヒロ)と、アトミスウェーブ用のSNKプレイモア「サムライスピリッツ天下一剣客伝」、「ネオジオバトルコロシアム」を紹介したが、メインは7月出荷予定のメダルゲーム機「スターフォース2」だった。両社とも大阪でも開催、セガ社は福岡でも開催した。

 3.昨年10月に発足したセガサミーホールディングスの05年3月期連結決算は(億以下切り捨てで示す)、売上高5,156億円、経常利益1,044億円、最終利益505億円だった。うち遊技機は売上高が2,801億円で、営業利益は1,039億円、業務用AM機は売上高が633億円で、営業利益は74億円、ゲーム場運営は売上高が831億円で、営業利益は54億円、家庭用ゲームは売上高が653億円で、88億円の営業赤字となっている。遊技機関係はサミーに、AM機関係はセガ社に再編しており、統合による損失は終わったと見られている。

 4.セガ社だけの連結決算は、売上高が1.9%増の194,947百万円、経常利益が50.5%減の6,244百万円、最終利益が79.8%減の1,767百万円と増収ながら大幅減益だった。3,073百万円の特別利益があったが、和解金14億円など特別損失が6,159百万円あった。部門別では、業務用の売上高が4.0%減の57,947百万円、営業利益が14.1%減の10,327百万円、ゲーム場運営の売上高は13.0%増の78,975百万円、営業利益は8.1%減の5,644百万円、家庭用の売上高は4.9%減の58,023百万円、営業損失は8,265百万円(前年は2,824百万円)。ゲーム場は24店新設、42店閉鎖して、期末477店。

 5.カプコンは5月23日、05年3月期連結決算を発表、売上高は前年比25.1%増の65,895百万円、経常利益は835.4%増の7,399百万円、最終利益は3,622百万円(前年は9,158百万円の赤字)と大幅に業績を回復した。家庭用ゲームソフトの回復と新規のパチスロ用液晶が貢献したほか、業務用も伸ばした。業務用は売上高が65.2%増の7,450百万円で、営業利益が36.5%増の1,944百万円、期末30店のゲーム場運営は売上高が11.2%増の10,934百万円で、営業利益が1.3%減の2,296百万円だった。パチスロ用液晶など「その他」は売上高が70.1%増の7,563百万円、営業利益が110.4%増の1,977百万円だった。

 6.AOUの元会長で理事の梅原靖三氏(うめはら・やすぞう、神共ビルメンテナンス取締役)が6月2日午後11時過ぎ、肺がんにより自宅で死去した。77歳。京都府出身。50年京大経卒で、オーエス映画劇場(現オーエス)に入社し、81年取締役。83年から関西カクタス代表を勤めた。AM業界団体では84−95年に大阪府協会長。AOUでは87−94年に会長、94−98年に名誉顧問、98年から再び理事。葬儀・告別式は4日午後1時半から、大阪淀川区の北大阪祭典で行なわれた。喪主は小片保幸(おがた・やすゆき)氏。

 7.米国家庭用TVゲーム総合展「E3」05は5月18−20日、ロサンゼルスで開かれ、約400社が出展し、79ヵ国から7万人以上の業者が詰め掛けた。年末シーズン向けの新作披露が多いが、今回はコンソールメーカーが次世代機コンソールを発表したのが最大の話題となった。SCEは「セル」プロセッサーを搭載してハードウェアの能力を最高にし、PSシリーズとの下位互換性を保つ「プレイステーション3」を06年春に発売するとした。MS社も一段とハードウェアの性能をアップ、X−Boxとの下位互換性を保った「Xbox360」を05年末に発売し、日本向けゲームソフト供給に力を入れる。任天堂は性能競争に参加しないが、性能アップした「レボリューション」(仮称)を06年発売予定で、ゲームキューブと下位互換性を持つほか、ファミコン以来のゲームソフトをダウンロードして楽しめるようにするという。

 8.カプコンのPS2用ゲームソフト「グランド・セフト・オートV」が、神奈川県青少年保護育成条例に基づく「有害図書類」に指定され、ゲームソフトで初めて日本で販売などが規制されることになった。同ゲームソフトはカプコンが、米国テイクツー/ロックスター社から許諾を受けて製造したもので、レーティング機構のCEROの審査を受け、「18歳以上」用として03年9月に発売した。神奈川県では、特に残虐性や暴力性が高いとして児童福祉審議会に諮問し、審議会が5月30日「有害図書類」に指定すべきと答申したのを受け、7日に指定を告示した。未成年者に販売などした場合は30万円以下の罰金が科される。カプコンは6月6日、「表現の自由の制限など重大な問題を伴うもの」として神奈川県に「再考」を求め、7日には「法的対応」も検討していくと説明している。

 9.ナムコの米国業務用子会社、ナムコアメリカ社は00年9月に発売した「ミズ・パックマン/ギャラガ」がいぜんとして好評なので6月に、限定版の「パックマン25周年モデル」を発売することにした。80年7月にナムコが日本で発売し、米国で許諾を受けたミッドウェー社が80年11月に発売した「パックマン」から25年になることを記念するもので、「パックマン」、「ミズ・パックマン」、「ギャラガ」を内蔵しており、ゲームスタートの前にゲームを選択する。キャビネットはアップライトのスタンダードとミニアップのキャバレータイプ(硬貨投入口がついているものとついていないものと二種類)ある。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。