2005年4月15日号

Last updated on April 11, 2005

特報

 連邦地裁はイマージョン社の訴えを認め、SCEに賠償命令など出した。

 セガ社はAM事業統合に伴い、大幅な機構改革を実施した。

海外

 米国ウォルトディズニー社で、アイガー社長がCEOに就任することになった。

 ラスベガスのウィンリゾーツは許可を得て、4月28日開業が確実になった。

国内

 日本システムはヴィア・ホールディングスの子会社になった。

 アトラスの新社長に、猪狩茂氏が昇格した。


2005年4月15日号のニュースダイジェスト

写真はAOUエキスポ05の続き。上はタイトーの「ハリキリオンライン・プロ野球」を紹介しているようす。下はSNKプレイモアが開発したアトミスウェーブ用のゲームソフト「ネオジオバトル・コロシアム」を試しているようす。


10年前の主なニュース


 制限地域にあった風俗営業所が大地震などで営業できなくなった場合、許可は取り消され、再申請できないことが、AOUで議論になった。カプコンUSA社がシカゴに移転し、ゲームスター社を吸収した。米国アクレイム社がレーザートロン社買収で合意した。中国AICは北京で、セガ社「メガドライブ」の本体とゲームソフトの偽物を多数押収した。(1995年4月15日号)

20年前の主なニュース


 科学万博つくば85が開幕し、付属遊園地の星丸ランドもオープンした。米国シカゴでのASI開催に伴い、ミハイル・コーガン氏を偲ぶチャリティーディナーが開かれた。新風営法施行により、福井県はゲーム場の届出制を定めていた青少年条例を改正した。明昌特殊産業は創業30周年記念パーティーを開催した。(1985年4月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.触覚技術に関する多数の特許を持つ米国イマージョン社が、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)を特許侵害で訴えていた事件で、サンフランシスコにある連邦地裁は3月24日、SCEがイマージョン社の特許を侵害したことを認める判決を出すとともに、9,070万ドルの損害賠償をするようSCEに命じ、また米国での「プレイステーション」、「デュアルショック」操作盤、ゲームソフト47タイトルの製造販売を永久的に禁止する命令を出した。イマージョン社の主張を認めた04年9月の陪審員評決に基づくもので、連邦地裁ではこれまで販売数量の報告などをSCEに命じていた。SCEは直ちに連邦控訴裁に控訴しており、その結果が出るまで禁止命令の実施は保留されるが、SCEにとっては不利な展開となっている。

 2.セガサミーホールディングスは3月31日、グループ内のアミューズメント関連事業を4月1日付でセガ社に統合するのに伴う、セガ社の大幅な機構改革と人事異動を発表した。業務用機器の開発、販売、ゲーム場運営はAM統括本部に、家庭用ゲームソフトの開発、販売はCS統括本部に集約し、基本的にAM統括本部とCS統括本部、コーポレイト統括本部の3統括本部制にするもの。AM統括本部には、AM研究開発本部(AM関連開発統括部、AM製品開発統括部、AMソフト開発統括部)、AM機器事業部、AM海外事業部、エンタテインメント施設事業部(施設開発統括部、オペレーション統括部)の4事業部と、商品統括部、生産統括部、営業開発統括部が設けられ、CS統括本部ではネットワーク戦略事業部、コンシューマ事業部に、GE開発本部、NE開発本部が加わった。

 3.米国ネバダ州のゲーミングコミッション(NGC)は3月24日、ウィンリゾーツ社の完全子会社であるウィンラスベガス社によるカジノ経営を許可したので、ウィンリゾーツ・カジノホテルは予定どおり、4月28日に開業することが確実になった。同カジノホテルはラスベガス大通りの北側にあった旧デザートインの跡地に建設を進めているもので、50階建てで2,712室の客室があり、カジノフロアには137のテーブルと、1,960台のスロットマシンが設置される。発表によると、総費用は約2,800億円。アルゼは完全子会社のアルゼUSA社を通じて、ウィンリゾーツ社の株式を24.8%所有しており、大株主のひとつとなっている。このためNGCの調査官が04年8−9月に来日し、アルゼについて調査をしていた。

 4.米国ウォルトディズニー社で約21年間CEOとして権勢を振るったマイケル・アイズナー氏は今年9月30日付で退任し、後任CEOにロバート・アイガー社長兼COOが昇格することが、3月13日に決まった。昨年3月の株主総会でロイ・ディズニー氏らから株価低迷の責任を取るよう非難されたため、会長を退きCEOのみになっていたアイズナー氏は、最も信頼しているアイガー氏にCEOを託して退任することになった。アイガー氏は74年ABCテレビに入社し番組制作に関わり、93年に社長。96年にウォルトディズニー社がABCテレビを買収したのに伴い、経営陣に加わり、00年1月から社長兼COO。ニューヨーク州生まれ。54歳。

 5.日本システムはこのほど、株式交換方式により、4月1日付でヴィア・ホールディグスの完全子会社になったことを明らかにした。すかいらーく創業者の横川4兄弟の末弟、横川紀夫氏が筆頭株主で会長となっている「あかつきBP」が、持株会社のヴィア・ホールディングスに移行したのに伴うもので、印刷事業の暁印刷、外食産業の扇屋コーポレーション、ぼちぼち、フードリームの4社と、新たに加わったアミューズメント関連事業の日本システムを合わせ、5社を所有することになる。グループ再編に伴い、横川紀夫氏がヴィア・ホールディングスの会長兼社長になり、日本システムの村上栄司会長は持株会社の専務を兼任することになった。

 6.アトラスは3月30日にトップ異動を発表、4月1日付で奥出信行社長がタカラ社長に就任するのに伴い、猪狩茂取締役SC事業本部長の社長昇格を決めた。奥出氏はアトラスの取締役にとどまる。新社長になる猪狩氏は79年福島県立富岡高卒で自衛隊入隊。86年以降カスミ、レッドブスタージャパンを経て、95年アトラス入社。02年12月からSC事業本部長で、04年6月から取締役。福島県出身。44歳。また、SNKプレイモアは3月25日、これまで取締役でなかった川崎英吉会長の取締役就任と、警察庁中国管区局長やUFJ信託銀行顧問を経てきた岡田全康氏の非常勤監査役就任を発表した。経営陣の強化を図るための人事で、2月25日の臨時株主総会で選任していたが、未公開会社であるため、一ヵ月後に明らかにしたことになる。

 7.イオンファンタジーは4月6日、05年2月期決算を発表し、売上高は前年比23.3%増の28,866百万円、経常利益は28.8%増の3,034百万円、当期利益は29.9%増の1,650百万円と大幅な増収増益を示した。イオングループのSC内ゲーム場(同社では「室内ゆうえんち」という)運営会社で、この一年間に直営21店を新設、フランチャイズ2店を閉鎖し、期末で直営192店(休業中の小千谷店を含む)、フランチャイズ14店となった。なお、直営店のうち53店は風俗営業の許可を得ている。同社は05年度25店の新設を計画しており、長期的には400店まで増やしていく考え。06年2月期の売上高は332億円、経常利益は36億5千万円、当期利益は20億円を見込んでいる。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。