2004年8月15日号

Last updated on August 10, 2004

特報

 セガ社の第1・四半期は減収で大幅減益、ナムコは増収にもかかわらず赤字だった。

 タイトーの第1・四半期は増収で大幅増益、コナミは大幅な減収減益だった。

海外

 米国ワシントン州の暴力ソフト規制法は憲法違反とする判決が出た。

 中国・西安に最大規模のテーマパーク建設が計画されている。

国内

 カプコンとバンプレストの第1・四半期は大幅増収で黒字回復した。

 福岡県久山町に計画している映画のテーマパークについて、構想が発表された。


2004年8月15日号のニュースダイジェスト

写真は「道頓堀極楽商店街」などのあるサミーのレジャービル「サミー戎プラザ」のオープニング写真から。下の写真は(左から)吉本興業の林裕晃社長、タレントの石川亜沙美、サミーの里見治社長、格闘家のアントニオ猪木、NTTドコモ関西の有村正意社長


10年前の主なニュース


 アタリゲームズ社の中島英行社長が肺がんのため日本で死去した。米国AAMA主催で初のアジア・アミューズメント・エキスポ(AAE)が香港で開催された。韓国KAMMAが発足した。金子製作所のAXシステム一作目「大江戸ファイト」が発売された。セガ社「横浜ジョイポリス」がオープンした。(1994年8月15日号)

20年前の主なニュース


 ゲーム場の風営化を盛り込む風営法改正案は参議院・地方行政委員会で、説明会で使用された特殊な改造機をめぐって、さらに疑問点が続出した。米国CAロビンソン社のアル・ベテルマン社長が死去した。スターン社が倒産した。セガ社新作展とコナミ新作展が開かれた。大阪府健全娯楽業組合設立(仮称)に向けての混乱が続いている。(1984年8月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガ社は8月5日に第1・四半期(4‐6月期)業績を発表し、売上高が前年同期比1.4%減の41,796百万円、経常利益が53.7%減の1,215百万円、純利益が50.6%減の932百万円と、減収で大幅減益だった。同社はいぜんとして、部門別の売上高と営業損益について明らかにしていないが、業務用、家庭用、ゲーム場運営について「順調に推移した」としている。実際、この四半期の経常利益および純利益は、すでに9月中間期の予想値を上回っているので、同社の「計画」を上回っていることは間違いないが、中間期業績予想は変更しないとしている。なお、業務用はゲーム場新規開設傾向が続いているので好調だったと。セガ社運営のゲーム場は四半期中に4店増、6店減で477店になった。家庭用ゲームソフトは日米欧で6タイトル発売し、157万枚販売したとしている。

 2.ナムコは8月9日に第1・四半期業績を発表し、売上高が前年同期比4.3%増の37,069百万円と増収にもかかわらず、家庭用で22億の営業損失を出したため、経常損失が662百万円、純損失が515百万円と赤字になった。部門別では、業務用の売上高が9.3%増の7,469百万円で営業利益が6.5%増の1,849百万円、ゲーム場運営の売上高は9.9%増の19,090百万円で営業利益は42.2%増の1,237百万円と好調だったが、家庭用の売上高は18.5%減の5,498百万円で営業損失は2,211百万円、映画・映像の売上高は7.6%増の2,343百万円で営業損失は53百万円、飲食の売上高は21.9%増の1,287百万円で営業利益は34.5%減の57百万円などと振るわなかった。家庭用部門での赤字は、北米での廉価版移行に伴う流通在庫引当金など1,131百万円を計上したことと、国内でのPS2用新作が伸び悩んだことによる。

 3.タイトーは7月28日に第1・四半期業績を発表し、売上高が前年同期比7.5%増の19,745百万円、経常利益が15.9%増の1,007百万円、純利益が23.6%増の485百万円と、増収で大幅増益を示した。部門別売上高は、業務用が45.1%増の4,428百万円、家庭用が12.4%増の1,189百万円、コンテンツサービスが3.3%増の2,303百万円で、業務用カラオケの販売およびレンタルも計1,539百万円と伸ばしたが、主力のゲーム場運営が4.6%減の9,822百万円と後退した。新規に秋葉原、熊本・光の森の2店を出店し、小規模で不採算の5店を閉鎖した。ファミリー客向け大型店は堅調だが、小規模店や路面店で集客が伸び悩んでいるとしている。業務用では既発売のメダルゲーム機「ダイノキング2」、プライズ機「カプリチオG‐One」が堅調だったほか、新発売のTVゲーム機「ゾイドインフィニティ」も順調に出荷台数を伸ばしている。家庭用はPS2向け「電車でGO!ファイナル」が好評だった。

 4.コナミは7月29日に第1・四半期業績(米国会計基準)を発表し、売上高が前年同期比17.6%減の47,321百万円、営業利益が69.3%減の2,947百万円、純利益が93.7%減の264百万円と、大幅な減収減益になった。部門別では、業務用およびパチンコ用の売上高が36.0%増の8,969百万円で、営業利益は16.5%増の2,646百万円と好調だったが、家庭用は売上高が30.5%減の9,101百万円で、847百万円の営業赤字(前年同期は2,236百万円の利益)となった。遊戯王などのトイ&ホビーは大幅減収減益、カジノ機器は増収増益、ヘルス&フィットネスは増収増益だった。業務用では「バトルクライマックス」や「麻雀倶楽部」シリーズなどが好調だったとしている。

 5.カプコンは8月4日に第1・四半期業績を発表し、売上高が前年同期比77.9%増の11,921百万円、経常利益が922百万円(前年同期は531百万円の損失)、純利益が509百万円(同367百万円)と、大幅増収による黒字回復となった。部門別では前年同期比が示されないが、業務用は売上高が637百万円で営業損失が65百万円、家庭用は売上高が7,940百万円で営業利益が614百万円、ゲーム場運営は売上高が2,532百万円で営業利益が556百万円、その他は売上高が819百万円で営業利益が229百万円となっている。業務用ではメダルゲーム機「スーパーマリオ・不思議のジャンジャンライド」が好調だった。

 6.バンプレストは8月1日に第1・四半期業績を発表し、売上高が前年同期比55.9%増の8,785百万円、経常利益が1,300百万円(前年同期は102百万円の損失)、純利益が704百万円(同51百万円)と、大幅増益で黒字回復した。部門別では、アミューズメント(業務用機器・景品の販売とゲーム場運営)の売上高が14.4%増の4,142百万円で、営業利益は118.6%増の300百万円。家庭用は売上高が202.0%増の3,270百万円で、営業利益は1,034百万円(前年同期は63百万円の損失)。その他は(雑貨、印刷など)売上高が23.8%増の1,721百万円で営業利益は28百万円(同51百万円)。

 7.アトラスは7月27日、初めて第1・四半期業績を発表、2,401百万円の売上高、414百万円の経常損失、274百万円の純損失となった。部門別では、業務用の売上高が651百万円で7百万円の営業利益、ゲーム場運営の売上高が1,312百万円で110百万円の営業利益を出したが、家庭用は再構築中で売上高は438百万円にとどまり、301百万円の営業赤字だった。第2・四半期は、業務用では写真シール機とメダルゲーム機の新作を、また家庭用では「真・女神転生」などを発売しており、ゲーム場は大和、高崎に新規出店する予定なので、9月中間期は当初見込みどおり黒字回復が見込まれている。

 8.米国ではしばしば、暴力的と見られるシーンを含むTVゲームを法令によって規制しようという動きがあるが、ワシントン州シアトルにある連邦地裁は7月14日、ワシントン州が制定したゲームソフト規制法について、合衆国憲法修正第一項(言論、表現の自由)に違反しているとする判決を出した。問題となった同州の規制法は暴力的なシーンを含むゲームソフトを年少者に販売してはならないとして、罰則を定めるもので、昨年州議会で成立している。これに対してエンタテイメント・ソフトウェア・アソシエーション(ESA)は、合衆国憲法に違反するものだとして訴訟を起こしていた。連邦地裁のロバート・ラスニック判事は、ESAの主張を認めるサマリージャッジメント(略式判決)を出したわけだが、特に「暴力描写は重要なメッセージを伝えるために文章やアート、メディアを通じて使用されてきたが、それが憲法修正第一項で保護されないとする根拠はない」と述べて注目されている。

 9.中国陜西省西安(シーアン)に巨大なテーマパークの建設が計画されている。これは地元西安と香港、そしてカナダの企業による合弁事業として計画されているもので、西安経済技術開発地区の約53万平方メートルの敷地に、アジアでも最大規模のアミューズメント施設を建設するとしている。テーマパークは、オーシャンワールド、エンタテイメントワールド、プランテーションワールドの3つのエリアで構成されるもようで、全体のデザインはカナダのホワイトウォーター社が担当する。総工費は約8千3百万ドル、今年10月に着工し、3年以内に完成させるとのこと。ただし中国のことゆえ、実現するかどうかは分からない。

 10.福岡県久山町にパラマウント映画にちなむテーマパークを、10年開業を目指して建設すると、いう構想が7月29日に発表された。それによると福岡にあるスポーツ施設運営会社の日本トレードと、米国カリフォルニア州ビバリーヒルズにあるゲートウェイ・エンタテインメントグループ社、そしてパラマウントパークス社が、日本でスリルライドを含む5つのゾーンからなる映画のテーマパーク建設を進めることで、基本的に合意した。そのため、日本トレードとゲートウェイ社が中心となって、建設資金を集める持株会社を日本で設立する予定となっている。構想にはテーマパークと、ホテル、教育機関が含まれており、総事業費は約1,400億円が見込まれているが、その資金調達先や事業主体などはまだ決まっていない。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。