2004年8月1日号

Last updated on July 27, 2004

特報

 米国AAMAの年次総会に伴い、新作ゲームが多数披露された。

 SCEは「PS2」の次世代機を05年5月の「E3」で披露することにした。

海外

 ラスベガスのカジノ運営は、M&Aで巨大化が進むことになった。

 「ユニバーサルスタジオ上海」の開業予定は延期される見通しになった。

国内

 国立科学博物館で「テレビゲームとデジタル科学展」が開催されている。

 アリサカの第1・四半期は大幅な増収増益だった。



2004年8月1日号のニュースダイジェスト

写真はサミーが7月2日にオープンした「道頓堀極楽商店街」の中で、上は5階にある「道頓堀南交番」、下は明石焼の「中瀬」のようす。


10年前の主なニュース


 AOU会長に入江昭造氏が選ばれ、中西昭雄元会長と梅原靖三前会長は名誉顧問になった。ナムコは米国でのゲーム場運営会社を、ナムコサイバーテインメント社として統合した。NSAは5月に中国AM市場視察ツアーを実施した。セガ社は新作展で「ウィングウォー」などを披露した。メキシコの吉村敬一郎社長が死去した。(1994年8月1日号)

20年前の主なニュース


 ゲーム場の風営化を盛り込む風営法改正案は参議院・地方行政委員会で、さらに矛盾点や疑問点が続出し、長時間の審議が行なわれることになった。略式起訴された枡保氏が、NAOの理事を辞任した。アタリ社の家庭用部門は、元コモドール社長のトラミエル氏に売却された。アイレムが10周年記念式典を開いた。(1984年8月1日号)

Copyright ©Amusement Press Inc. 2004     ゲームマシン、アミューズメントプレス、アミューズメント通信は登録商標です。無断で本紙記事を転載したり、その他アミューズメント通信社の知的所有権を侵害することは違法です。


【ニユースダイジェスト】

 1.米国のAM機メーカー/ディストリビューター協会、AAMAは7月22−24日にシカゴで年次総会を開いたが、それに伴って開催されたミニ展示会「ディストリビューターギャラ」に新作が多数披露され、注目されている。この展示会はウィンダムホテルで23日午後7時から開かれ、22社が50以上の製品を紹介し、210人の会員が参加した。ここで披露された新作には、ロースリルズ社のTVドライブゲーム機「ザ・ファースト&ザ・フュアリアス」、ナムコの「鉄拳5」、セガ社の「ゴーストスカッド」、サミーのアトミスウェーブ用「キング・オブ・ファイターズ・ネオウェーブ」など。くつろぎながら製品について語り合うこの初めての企画には、外科手術を受け目下治療中のマイク・ルドウィッツ会長も姿を見せた。年次総会自体は24日の午前中に開かれ、事業計画などを決めたほか、一部役員の改選を行い、ナムコアメリカ社のフランク・コゼンティーノ氏が、引き続き議長を務めることになった。

 2.SCEの久多良木健社長は7月12日、東京で開催された「プレイステーション・アワーズ2004」で、「PS2」の次の「ネキストシステム」を来年5月の「E3」で披露することを明らかにした。05年春には開発ツールを、秋の東京ゲームショーでは数タイトルをプレイできる状態で紹介する予定だとしている。「PS」は94年12月発売以来、「PSone」を含めて世界中で出荷された台数が、今年5月に1億台を突破しており、また「PS2」は発売から5年目で内容の充実を進め、さらに今年末にはハンドヘルド機「PSP」の発売を控えるなど、SCEは家庭用TVゲーム機分野で最も意欲的に事業を進めており、今回の「アワーズ2004」はその姿勢を象徴するようなイベントになった。なおSCEは、IBM、東芝の3社と次世代汎用MPU「セル」を開発しており、これを使ったワークステーションの試作機を今年12月までに完成させる予定で、「PS2」の次世代機にも搭載されると見られている。

 3.ナムコが制作した裸眼立体CG映像作品「Re:Anjyu」が米国のCG展「シーグラフ2004」(8月8−12日、ロサンゼルス)のアートギャラリーに入選し、展示されることになった。この作品は2001年の「シーグラフ」に入選し、同年の「文化庁メディア芸術祭」インタラクティブ部門大賞を受賞したCG作品「Anjyu」を、三洋電機が開発した「裸眼立体視ディスプレイ」で、立体的に鑑賞できるようにしたもの。作品はナムコCTカンパニーの大場康雄氏が制作し、音楽を辰田朋子さんが担当した。「裸眼立体視ディスプレイ」はPDPの手前部分に斜めバリア方式を採用することで、四つの視点を発生させ、どの位置から見ても立体視ができるという技術で、02年9月に発表されている。「Anjyu」を「裸眼立体視ディスプレイ」で見せるための作業は、大場氏によると「想像以上に繊細な作業」を要するものだったが、完成版は「映像の中に飛び込むような感触」が得られるものになったとのこと。

 4.7月17日から東京・上野の国立科学博物館で「テレビゲームとデジタル科学展」が開催され、ヒギンボッサムの「テニスフォーツー」、スチーブ・ラッセルの「スペースウォー!」、ノーラン・ブッシュネルの「コンピュータースペース」、アタリ社「ポン」など最も初期のTVゲームが展示されている。またタイトー「スピードレース」、「ウェスタンガン」、「スペースインベーダー」、ナムコ「パックマン」など、ヒットした歴史的な業務用TVゲーム機も、実物が展示されている。しかし、この催しの主な展示物は家庭用TVゲーム機で、その仕組みなどを解説する内容となっている。10月11日まで開催されており、入場料は大人1,300円。後援にACCS、CESAは含まれるが、業務用の業者団体はない。業務用のメーカーではセガ社、タイトー、ナムコが協力した。

 5.米国ラスベガスのカジノ運営に関し、巨大化が進むことになった。大手のMGMミラージュ社が負債引き受け分を含む79億ドルでマンダレイベイリゾート社を買収することで6月14日に合意したのに続き、今度はハラ−ズ・エンターテインメント社がシーザーズ・エンタテインメント社を同様に94億ドルで買収することで、7月14日に合意したからである。しかしながらカジノ運営会社のM&A(合併・買収)は、株主総会などの承認以外に、ネバダ州のゲーミングコントロールボードおよびゲーミングコミッションの承認を必要とするので、実現は来年になる見通しだ。例えばラスベガスヒルトンは、コロニーキャピタルがシーザーズ・エンタテインメント社から買い取ることで03年6月に合意しているが、一年後の今年6月になってやっとカジノライセンスが取得できる見通しになり、買い取りが実現することになった(ヒルトンの名前は変更されない)。

 6.アリサカは7月27日、第1・四半期(4−6月期)業績を発表、売上高は前年同期比27%増の1,428百万円、経常利益は98%増の38百万円、純利益は94%増の20百万円と、大幅な増収増益になった。期間中の4月に「アーバンスクエア草津駅前店」を開設しており、店舗数は35店のままだが、前期にオープンした「アーバンスクエア・ダイエーハーバーランド店」など既存店が好調で、事業別でもゲーム場が30%増と最もよく伸ばしたことによる。ただし、店舗開設に伴う借入金などが増加しており、長期支払手形は6億円以上減少したが、社債が2億円、長期借入金が8億円ほど増加し、固定負債は5億円以上増加している。しかし同社によると、これらは計画していた範囲内のことで、9月中間期の業績予想の変更はない。

 7.中国・上海に建設される予定の「ユニバーサルスタジオ上海」の06年開業予定は延期される見通しになっている。米国ユニバーサルパークス&リゾーツ社は02年12月に、中国の上海外高橋関連企業および錦江グループとの間で建設に合意していたが、着工するには中国中央政府の承認が必要とされていた。ところが、中央政府は中国経済の景気過熱を抑えるために、事実上承認を遅らせていることがこのほど判明した。しかし、中国政府は計画を取りやめるとか延期することを決めたわけではなく、いぜんとして審査中としており、結果的に承認手続きを引き伸ばしている、というのが真相のようである。そのためユニバーサル社では、中央政府の正式な承認を気長に待ちながら、いつでも着工できるように準備をしているが、そのための態勢は縮小しているとしている。

 8.CESA主催の家庭用TVゲームソフト展、「東京ゲームショウ2004」(9月24−26日、幕張メッセ)には、114社が1,458小間に出展する予定で、前回の111社、1,426小間をやや上回ることになった。展示場はメインの一般展示のほか、ゲームスクール、物販、開発ツール&ミドルウェアの3コーナーがあり、また展示会と同時に「TGSフォーラム」が国際会議場で開催される。「一般展示」に出展する、業務用メーカーを兼ねる家庭用メーカーは、セガ社、サミー、ナムコ、タイトー、コナミ、アトラス、SNKプレイモア、カプコン、テクモなどとなっている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。