2003年7月15日号

Last updated on July 11, 2003

特報

 和議再建中だったデータイーストが自己破産した。

 今年のAMショーの出展規模は10年前の半分近くまで縮小する。

海外

 米国ウィンリゾーツ社がカジノ経営でモナコのSBM社と提携した。

 「ドラキュラパーク」の雲行きが怪しくなってきた。

国内

 プレイモアはSNKプレイモアに改称し、「SNK」ブランドを復活させた。

 セガ社子会社のヒットメーカーで女性社長が誕生した。


2003年7月15日号のニュースダイジェスト

写真はタイトー「スペースインベーダー」25周年の一環として7月末に発売されるPS2用のゲームソフト「スペースインベーダー・アニバーサリー」(1,480円)から、資料モードで登場する開発者の西角友宏氏(下)と、選択画面用に再現された当時のインベーターハウスのようす(上)。「スペースインベーダー」は78年6月に発表され、79年6月にかけて日本中で猛烈に流行したヒット作。


10年前の主なニュース

 AOUはエキスポ収益が大きくなりすぎたため、会員の地方協会に補助金を配分することを決めた。AMショーは出展申し込みが多く、そのため削減した結果、67社が1,501小間に出展することになった。ホンダの副社長だった入交昭一郎氏が、セガ社副社長に就任した。任天堂の訴えで米国連邦地裁は、台湾のコピーヤーにNESソフトのコピー販売禁止などを命じた。SNKがネオジオソフト「サムライスピリッツ」を発売した。(1993年7月15日号)。

20年前の主なニュース

 米国ハーバード大学で「TVゲームと人類の進歩」と題するシンポジウムが開催された。フランスでギャンブル機禁止法が施行された。米国AGMAが翌年春に初めて展示会を開催することを決めた。JAMMAを除名されたボナンザが、会員関係存続確認を求める訴訟を起こした。任天堂が家庭用TVゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売した。大平技研が和議を申請した。(1983年7月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.経営再建を目指していたデータイースト(東京都杉並区荻窪、福田哲夫社長)が6月25日に破産宣告を受けていたことが、7月7日付け官報に掲載されて分かった。データイーストは76年に設立された業務用/家庭用TVゲーム機メーカーだったが、業績不振のため99年11月に負債33億円で和議を申請、債務の75%カットなどを条件として00年7月に和議認可となった。その後、マイナスイオン発生装置の販売に事業を転換し、経営再建を目指していたが、今年4月下旬東京地裁に自己破産を申請していた。業務用TVゲームでは80年に「デコカセットシステム」を開始、85年まで「ハンバーガー」など約40タイトルを出荷。基板タイプなど含めると97年までに約150タイトルのTVゲームを出荷したほか、86−94年には米国子会社を通じてフリッパーを製造した。

 2.今年のAMショー(9月11−13日、東京ビッグサイト)には前回と比べて7.5%減の50社が、5.3%減の807小間に出展することになった。出展規模は10年前の1,501小間に比べると54%まで縮小した。会場自体は前回と同じ2.5ホール分を使用する。今回は主催団体の会員以外でも出展できる「主催者テーマゾーン」を設定しており、その出展分(4社、14小間)が含まれている。出展規模の大きいのは順にセガ社(100小間)、プライズコラボレーション(エイコー、システムサービス、セガ社、タイトーの合同出展で90小間)、ナムコ(80小間)、サミー(65小間)、バンプレスト(52小間)、タイトー(50小間)、アルゼ(45小間)、日本ユニカ(20小間)、アトラス(16小間)、ホープ(同)などで、他は15小間以下。前回60小間出展したコナミは今回出展しない。

 3.米国のウィンリゾーツ社はモナコ公国の国営カジノ運営会社、ソシエテ・デブレン・デメール社(SBM)と業務提携し、6月20日付けで第三者割当増資方式によりSBM社が45百万ドルを出資、その結果ウィンリゾート社の株式の3.6%を所有したと発表した。これに伴い、2005年4月開業予定でラスベガスに建設中のカジノホテルの名称は、「ラ・レーブ」から「ウィン・ラスベガス」へ変更することが23日に発表された。SBM社はモナコのカジノを独占的に運営しており、ウィンリゾーツ社はSBM社と提携することで、欧州のハイローラーを「ウィン・ラスベガス」に呼び込めることなどを期待している。またウィンリゾーツ社はマカオのカジノにも進出する予定で、こうした国際的なカジノ事業展開の一環として「ラ・レーブ」の改称を決めたもの。日本のアルゼは今年3月現在、ウィンリゾーツ社の株式の32.9%を所有している。

 4.SNKの知的所有権を継承している潟vレイモア(大阪府吹田市、外山公一社長)は7月7日、鰍rNKプレイモアに社名変更したと発表した。同社ではこれを機に、ネオジオゲームソフトについては「ザ・キング・オブ・ファイターズ」、「サムライスピリッツ」、「メタルスラッグ」などこれまでのシリーズ続編だけでなく、新規シリーズも開始するとしている。また並行して開発を進めてきた新規事業のパチスロ機についても、7月1日に全国防犯協会連合会の認可を得ており、近く販売を開始する予定とのこと。プレイモアグループでは、開発会社のノイズファクトリー(本社はプレイモアと同じ)を除いて、6月にサンアミューズメントから改称した国内販売とロケ運営のSNKネオジオと、海外子会社であるSNKネオジオUSA社、SNKネオジオUSAコンシューマー社、SNKネオジオ香港社、SNKネオジオ韓国社などすべて社名を「SNKネオジオ」に統一しており、それらを束ねる形のプレイモアでも社名に「SNK」ブランドを復活したことになる。

 5.テーマパーク「ドラキュラパーク」建設に向けて、ルーマニアのアドリア・ナタセ首相は計画を進めるとの談話を7月2日に発表した。「ドラキュラパーク」の建設地は当初予定地のシギショワラから首都ブカレスト近くへと変更することが決まったものの、新しく任命されたミロン・ミトリア観光大臣が、これはルーマニア政府の事業ではなく民間の投資家が進める事業だと説明したため、投資家たちが一斉に引き上げてしまった。ナタセ首相は観光大臣の説明を訂正し、「ドラキュラパーク」建設は民間事業だが政府が支援するもの、と言明して投資家を呼び戻そうとしたわけだ。少なくとも不気味な中世の城が建つ用地や、付属するホテルやゴルフコースの用地を、政府は提供することを明らかにさせた。建設資金は千5百万ドルと見込まれているが、まだその大部分の資金調達の見通しが立っていない上、すでに投資していた企業も撤退する動きを見せており、かなり雲行きが怪しくなってきた。

 6.セガ社の開発子会社、ヒットメーカーの社長に開発責任者だった熊谷美恵さん(35歳)が6月30日付で就任していることが分かった。ヒットメーカー社長だった小口久雄氏(43歳)がセガ社社長に就任したのに伴うもので、業界関係でも女性社長は珍しい。熊谷さんは91年に法政大文卒で、93年にセガ社入社し、開発部門の分社化に伴い00年にヒットメーカーに移り、02年12月から取締役企画プロデュース部長。PS2用「電脳戦機バーチャロンMARZ」や業務用「アヴァロンの鍵」などを担当してきた。同様にセガ社開発子会社、SEGA−AM2の社長には開発責任者の片岡洋氏(36歳)が就任した。社長だった鈴木久司氏は会長に昇格した。片岡氏は91年にセガ社に入社し、02年からSEGA−AM2の開発一部長。業務用「ファイティングバイパーズ」、「アウトトリガー」などを担当してきた。

 7.セガ社は、開発子会社9社を10月1日付けで5社に再編するとともに、2社新設する、との基本方針を決めたと発表した。7月8日の取締役会で決めたもので、セガ社によると「@商品力の強化−グローバルに売れるタイトルの創出、A今後の成長に必要なタイトルの創出−新作、ヒット作、大作、欧米向け、B生産性の向上−効率化、全体としてのコスト削減」の三点を目的としており、再編の詳細は7月末の取締役会で決まり次第発表するとしている。同社は2000年に開発部門を9つの子会社に移したが、米国家庭用での不振などから改革の必要があり、子会社再編を進めることになったもの。現在約1,000名いるスタッフは削減しない。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。