2002年2月15日号

Last updated on February 4, 2002

特報

 米国アロー・ダイナミックス社の新型ローラーコースターがマジックマウンテンで完成した。

 コーエーの訴えていた著作権訴訟は敗訴が確定した。

海外

 米国「AB」調べの世界の遊園地上位50ヵ所で、初登場のUSJは7位となった。

 ドイツのクラロボテル社が産業用ロボット技術で遊園施設を開発した。

国内

 ソニーの第3・四半期決算でゲーム部門は「PS2」で伸ばした。

 カプコンは子会社カプトロンのゲーム場運営部門を統合することになった。


2002年2月15日号のニュースダイジェスト

3協会合同新年会で、上の写真は(左から)JAPEAの山田三郎会長、JAMMAの柿原彬人会長、AOUの入江昭造会長、JAMMAの中村雅哉名誉会長。下の写真は(左から)ナムコの高木九四郎副社長、セガ社の永井明専務、ナムコの中村雅哉社長、セガ社の佐藤秀樹社長、ナムコの橘正裕常務。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はセガ社のCG格闘ゲーム「バーチャファイター 4」、完成品タイプではセガ社のTVガンゲーム機「ルパン三世・ザ・シューティング」 。

10年前の主なニュース

 JAMMAは、TV麻雀ゲームの健全娯楽委員会の審査が進まないとして日本物産が退会したのを了承した。AOUエキスポ92には53社が763小間に出展することになっため、会場を2ホールに増やした。香港ボンデール社のフレッド・ミルナー社長は、「ストリートファイターU」基板のコピー品輸出を認めた。セが社はフランスのWDK社を買収することで合意した。(1992年2月15日号)。

20年前の主なニュース

 NAOとJAMMAは飲食・喫茶店の全国団体に、ギャンブルマシン設置追放を要望した。本紙調査で81年の最優秀機は任天堂「ドンキーコング」となった。米国ミッドウェー社は連邦裁判所、ITC(国際貿易委員会)を通じてTVゲーム機コピー品排除の成果を収めた。NAOエキスポ82には41社が124小間に出展することになった。(1982年2月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.米国アロー・ダイナミックス社開発の新タイプのローラーコースター、「フォースディメンション」(四次元)の1号機が1月12日、米国西海岸の遊園地シックスフラッグス・マジックマウンテンで「X」(エックス)の名前で営業運転を開始した。このローラーコースターは座席がこれまでのように走行車両内側にあるのではなく、走行車両の左右に2人分ずつあるのが大きな特徴で、しかも進行するコースに伴い座席部分がくるりと上下に回転する。つまりコース上の動きに車両を軸とした動きが加わるため、四次元の動きとなるというもの。コース全長1,500mを時速120kmの速度で上下動しながら疾走していく。コース上のドロップは最大61メートル。

 2.褐栄(コーエー、本社横浜、小松清志社長)が葛Z術評論社(本社東京、片岡巌社長)を相手取って訴えていた裁判で、最高裁第2法廷は12月21日、光栄の上告を棄却し、光栄の敗訴が確定した。これは技術評論社発行の単行本に添付されていたファイルを使うことによって、著作権のある光栄のPCゲームソフト「三国志V」のストーリーを変える可能性があるとして著作権侵害を主張したもの。東京地裁は95年7月に、東京高裁は99年3月にそれぞれ光栄の訴えを退ける判決を下していた。高裁判決によると、光栄は具体的にどう改変されたか立証しなかった。また光栄は映画の著作権を主張したが、静止画によるシミュレーションソフトでは映画の著作物とは認められないとした。

 3.米国週刊紙「アミューズメントビジネス」は恒例の世界の遊園地2001年入場者上位50ヶ所を発表、初登場のユニバーサルスタジオ・ジャパン(USJ)は3月開業で7位となった。9月開業の東京ディズニーシー(TDS)は20位だった。1位は東京ディズニーランド(TDL)、2位はディズニーワールドのマジックキングダム、3位は西海岸のディズニーランド、4位はフランスのディズニーランド・パリで、前回と変わらず。日本からは2ヵ所増2ヵ所減の7箇所だった。遊園地を展開しているグループ企業では1位がこれまでと同じウォルトディズニー・アトラクションズ社で、計9,470万人集めた。同紙によると、50位内の遊園地の入場者数は前年比2%増の2億5,051万人で、全体に好調だった。

 4.ソニーは1月25日、第3・四半期決算を発表。SCEが担当するゲーム部門の売上高は前年同期比62.9%増の383,159百万円、営業利益は66,410百万円(前年同期は13,944百万円)と好調に伸ばした。価格を下げた「PS2」本体とゲームソフトが増えたためで、「PS」は減少している。「PS2」の東南アジアでの販売は、01年12月から香港、シンガポール、マレーシア、タイで、また1月から台湾で開始している。さらに2月からは韓国でも販売開始することになり、現地に子会社SCEコリア社を12月に設立した。韓国ではこれまで家庭用がなかったが、初めて正式に導入されることになる。

 5.カプコンは1月15日、完全子会社の潟Jプトロン(本社大阪、初野純孝社長)のゲーム場運営をカプコンに統合することを決めた。カプトロンは81年設立の日本カプセルコンピュータが92年に改称、旧ユニカを吸収したオペレーター会社で、現在12店運営している。カプコンは01年11月オープンの「プラサカプコン黒崎店」など27店運営しており、カプコンのほうが知名度が高いため、カプコンにゲーム場運営を4月1日付けで統合することにした。カプトロンの主業務はゲーム場運営だったので、これがなくなると不動産管理業務だけとなる。

 6.ドイツのクラロボテル社が産業用ロボットの技術を使って遊園施設「ロボットコースター」を開発、これをドイツのシュワルツコフ社が米国IAAPAショー2001で展示した。何重にもつながるアームの先に2人分の座席を設けており、産業用ロボットと同様急激に上下動したり、回転させたり、コンピューターによりあらゆる動きを体験できるもの。展示会では数件の注文を受けたという。しかし遊園施設の魅力を、単にスリルだけに求めるならともかく、もっと違う充実した楽しみに見出すという人びとを満足させることはないとも見られている。

 7.名古屋ジュークの元社長、小川正宏氏(おがわ・まさひろ)が1月12日午前10時45分、心不全のため名古屋市緑区の病院で死去した。71歳。東京都出身。自宅は名古屋市千種区千種台14の9。葬儀・告別式は13日午前9時から名古屋市瑞穂区内の紫雲殿で行なわれた。喪主は長男智宏(ともひろ)氏。1959年に創業、70年に設立した名古屋ジュークの創業者で、ジュークボックスとゲーム機の販売、オペレーションで知られた。10年ほど前から脳梗塞などの病気に悩まされ、入退院していた。このため名古屋ジュークは01年4月に自己破産した。小川氏は3年前まで中部OP協会や愛知県オペレーター協会の役員をしていた。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社のCG格闘ゲーム「バーチャファイター 4」(9回目)、2位はカプコン/バンプレストの「機動戦士ガンダム 連邦vsジオン DX」。 TVゲーム完成品部門……1位はセガ社のTVガンゲーム機「ルパン三世・ザ・シューティング」(初登場)、2位はナムコの「太鼓の達人 2」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェア/セガ社の写真シール機「衝撃美写」(3回目)、2位はアトラスの「やまとなでしこ」。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。