2001年6月15日号

Last updated on June 9, 2001

特報

 セガ社は『バーチャファイター4』など新作を多数披露した。

 アルゼの単独決算でSNK株式評価損などが特別損失に計上された。

海外

 米国インディアナポリス市条例問題には、市長の営利目的が絡んでいた。

 米国AAMAの新会長にアル・クレス氏が選任された。

国内

 セガ社連結決算で家庭用は大赤字になったが、業務用、ゲーム場は堅調だった。

 ナムコの連結決算は60億円の赤字となったが、今期ゲーム場経営は大幅改善される。


2001年6月15日号のニュースダイジェスト

セガ社プライベートショーで、上は東京会場で挨拶する香山哲共同COO、下は「バーチャファイター 4」で採用されたネットワークカード。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコンの「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」、完成品タイプではナムコの「太鼓の達人」。

10年前の主なニュース

 セガ社の91年3月決算は大幅増収増益となり、駒井徳造専務が副社長に昇格した。ナムコは着実に増収増益とした。カプコンは業務用、家庭用とも順調で大幅増益になった。コナミは神戸市・西神に技術研究所を完成させた。トーゴは米国に子会社、トーゴ・インターナショナル社を設立した(1991年6月15日号)。

20年前の主なニュース

 「ギャラクシアン」製造許諾契約に違反し超過製造した日本物産をナムコが訴えていた民事訴訟で、日本物産が超過分の許諾料を支払うことで法廷和解が成立した。TVスロットマシンの開発で知られる米国サーコマ社がインターナショナル・ゲーム・テクノロジー(IGT)社と社名変更した。コナミは米国にコナミ・インターナショナル社を設立した(1981年6月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガ社は5月中旬、全国3ヵ所でプライベートショーを開催、「バーチァファイター4」(VF4)、「ビーチスパイカーズ」など多数の新作を披露した。東京会場では香山哲共同COOが挨拶、「VF4の公開ロケテストでこれまで最高のインカムがあったが、これはVF4で採用したデータ記録カードとiモードによるネットワークサービスが評価されたためと思う。セガ社はTVゲーム開発に積極的に力を入れるなど業務用に再投資する。新基板『ナオミ3』も開発中だ」など語った。「VF4」は8月上旬、、「ビーチスパイカーズ」は7月中旬出荷予定などとなっている。

 2.米国インディアナポリス市が昨年制定し、業者側の訴えで施行できなくなったTVゲーム機隔離条例について、市側は連邦控訴裁に異例の再審請求をしていたが、5月25日にそれが却下されたため連邦最高裁に上告することにした。これほど同条例の施行にこだわるバート・ピーターソン市長には、TVゲーム追放のキャンペーン用ビデオを制作する会社を所有し、そのビデオテープ販売によって利益を得ている、という裏の事情があることが分かった。問題の条例について今年3月連邦控訴裁判所は、合衆国憲法修正第一条(言論の自由)に違反しているとして施行を禁止している。

 3.セガ社は5月22日、今年3月期決算を発表。故大川功氏が72%所有していた開発会社、CSK総合研究所(CRI)は、大川氏の株式贈与に伴い今年1月セガ社の子会社になったことを明らかにした。連結決算で売上高は28.4%減の242,913百万円、経常損失は52,736百万円、最終損失は51,729百万円となったが、部門別では業務用販売が売上高52,502百万円、営業利益9,634百万円、ゲーム場経営が売上高74,656百万円、営業利益8,242百万円とともに堅調だった。家庭用は売上高115,753百万円、営業損失69,186百万円だった。

 4.ナムコの連結決算は売上高が1.0%減の146,554百万円、経常損失が3,477百万円、最終損失が6,000百万円だった。業務用販売は売上高19,344百万円、営業損失3,207百万円で、ゲーム場経営は売上高74,685百万円、営業損失820百万円と低調だった、家庭用は売上高30,219百万円、営業利益が50.6%減の4,855百万円だった。投資有価証券評価損約25億円を含む約78億円を特別損失に計上したため、最終損失が膨らむことになった。今期の業務用販売はなお低調だが、ゲーム場経営は大きく改善されると見ている。

 5.タイトーは単独決算だけで、売上高が4.2%増の62,795百万円、経常損失が929百万円、当期損失が2,150百万円だった。しかしメインのゲーム場経営売上高は0.5%増の39,814百万円と持ち直した。ゲーム機販売は「バトルギア2」のヒットにもかかわらず8.9%減の7,031百万円と後退した。バンプレストの連結決算では売上高が5.6%減の31,721百万円、経常利益が39.0%増の2,730百万円、最終利益が40.9%増の1,624百万円と好調だった。うちAM事業(業務用販売、景品、ゲーム場経営)は売上高19,326百万円で、営業利益2,197百万円だった。

 6.SNK、アドアーズなどを含むアルゼの連結決算は売上高が27.7%増の203,262百万円、経常利益が13.7%減の72,669百万円、最終利益が62.7%減の10,703百万円だった。海外などSNK不採算部門リストラで約182億円を特別損失に計上した。さらに単独決算では民事再生を申請したSNKの株式評価損4,995百万円と、SNKに対する貸倒引当金7,647百万円を特別損失に計上した。しかしアルゼはなおSNKの株式の50.8%を所有、経営権を保有している。昨年10月合併でスタートしたアドアーズは赤字で、セタも赤字だった。

 7.米国業務用AM機メーカー/ディストリビューター協会、AAMAはワシントンDCで開催した5月21日の総会で新会長にアル・クレス氏(ベンチマーク社)を選んだ。クレス氏は副会長から昇格したことになる。前会長のロン・カララ氏は役員にとどまる。会計だったデビット・カルピート氏は副会長に昇格した。幹事のフランク・コーゼンチーノ氏は留任。会計にはジョー・スラディック氏が選任された。AAMAは毎年春に展示会ASIを開催するほか、オペレーター協会AMOAと歩調を合わせ連邦議会に対するロビー活動などを展開している。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの格闘ゲーム「機動戦士ガンダム・連邦vsジオン」(4回目)、2位はセガ社の「バーチャストライカー 3」。 TVゲーム完成品部門……1位はナムコの太鼓叩き音楽ゲーム機「太鼓の達人」(5回目)、2位はセガ社の「ダービーオーナーズクラブ 2000」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位は日立ソフトウェアの写真シール機「劇的美写」(5回目)、2位はオムロンの「フラッシュショット」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。