2001年1月15日号

Last updated on January 13, 2001

特報

 通産省はレーザーポインターによる事故を防止するためAOUなど18団体に販売・提供自粛を要請した。
 イタリア国会では賭博遊技撲滅のためゲーミング機を一掃する法案を審議中だ。

海外

 米国セントルイス市議会も暴力シーンのあるTVゲーム機を未成年から隔離する条例可決成立させた。
 セガ社の英国JPM社をコナミが買収する話は成立しなかった。

国内

 コナミとPCCWジャパンは1年半にわたる工業所有権紛争を和解で終わらせた。
 アドアーズの森社長が退任し、肩書きなしの伊藤代表取締役が社長になった。


2001年1月15日号のニュースダイジェスト

近畿地区新年会で上の写真は(左から)JAPEAの酒井事務局長、カプコンの吉田常務、PICの坂本社長、カプコンの米倉部長、初野部長。下の写真は梅原氏、日本科学遊園の吉田社長、ユウビスの川楠社長、オーケーファーストの八尾社長、ナムコの西村氏、加藤工業の加藤社長、タイトーの五十嵐氏。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコン「燃えろ!ジャスティス学園」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ」。

10年前の主なニュース

 SNKは1本用「ネオジオ」ハードキットとゲームソフト「ASO U」などを発表した。コナミ工業の上月景正会長がTV東京の番組「トップ登場」に出演した。米国IAAPAショーにトーゴ、明昌特殊産業が出展、遊園施設を紹介したほか、カプコンUSA社、セガUSA社が出展した。「ゲームマシン」チャート年間1位はセガ社「テトリス」と「スーパーモナコGP」だった(1991年1月1‐15日号)。

20年前の主なニュース

 オリエンタルランドは83年開業に向けて、東京ディズニーランド建設に着工した。ナムコは「パックマン」、「ラリーX」について国内許諾を追加した。またナムコは蒲田駅前に、SNKは大阪市内の西天満に本社を移転した。ジュークボックスの米国ロックオーラ社までもがTVゲーム製造に参加することになった。(1981年1月1‐15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 通産省・文化関連産業課は12月15日、子どもがレーザーポインターを遊び道具にし視力障害を起こすという事故を防ぐため、レーザーポインターを販売・提供する18の事業者団体に販売などの自粛を求める要請文を送った。ゲーム場のクレーン機の景品として子どもたちがレーザーポインターを入手する例もあるため、AOU、SC遊園協会(NSA)、全日本遊園施設協会(JAPEA)でも要請文を受け取ったが、AOUは機関紙で小さく触れるにとどめ、JAPEAは年明けの理事会で対応を決めるとしている。NSAは会合でレーザーポイターを扱わないことを決め、12月18日付で会員に協力を求めた。

 2.イタリアはもともとゲーミング機の設置営業が禁止されているが、リデムプションゲームを解禁した95年の法改正以来、ギャンブル遊技ができるようになったと勝手に解釈する傾向が業者間で強まり、全国的な取り締まりにもかかわらずTVポーカーゲーム機などによる犯罪が相次ぐことになったため、国会でゲーミング機を一掃するための法案作りを進めることにしたもの。業者団体のSAPARはできるだけゲーミング機に対する規制を避けたい、としているが、困難なようだ。

 3.米国インディアナポリス市と同様、セントルイス市議会も暴力シーンのあるTVゲーム機に未成年者が近づけないようにする条例を可決成立させており、4月にも施行する予定となった。セントルイス市条例の場合、17歳未満の少年がそういう業務用TVゲーム機で遊んだり、家庭用TVゲームソフトを手に入れたりするのを防ぐというもので、家庭用ゲームソフトまで規制するなどの違いがある。この他サンディエゴ市やシカゴ市でも規制する提案はあるが保留状態となっている。

 4.セガ社が持つ英国のAWP機メーカー、JPM社とエースコイン社、クリスタルレジャー社にいて、昨年4月ごろからコナミが買うことで交渉が続けられてきたが、金額で話し合いがつかず交渉は打ち切られた。セガ社はJPM社グループを96年に買収、これらの子会社の業績も良いが、欧州子会社再編の一環として手放すことがありうると見られていたし、コナミはゲーミング機ビジネスを欧州にも広げるとされていたが、セガ社側ではとても応じられない金額だとして交渉を打ち切ったことを明らかにしている。

 5.コナミとPCCWジャパン(旧ジャレコ)は1年半にわたる工業所有権紛争について和解した、と12月18日に発表した。主にコナミが「ビートマニア」特許に基づき仮処分を申請、ジャレコが同特許の無効審判を申請していたもので、特許庁による後者の判断がそろそろ示されるという段階で、両社は和解し、紛争を終了させた。2000年7月にナムコとコナミが和解したのに続くもので、和解金の支払いなどはなかったもよう。ジャレコは香港のネットワーク大手企業のPCCWグループに入っており、紛争どころではなくなったため、と見られている。

 6.ナムコとセガ社は12月11日、業務用ゲーム機や景品などの物流業務を、セガ社の物流子会社であるセガ・ロジスティックサービス(SLS)に統合する、と発表した。SLSは95年、物流などをセガ社から分離独立させた子会社で、ナムコとセガ社は物流コストを削減するために統合することを決めたもの。両社では保守・サービス業務の統合も検討する。SLSにはナムコから物流担当者が派遣され、またナムコ商品センターも利用される予定で、4月1日から実施される。

 7.アルゼグループのアドアーズは12月27日、森茂樹社長が健康上の理由で退任し、1月1日付で肩書きなしの伊藤靖宏代表取締役が社長になると発表した。伊藤氏は1964年慶応大経済卒、日本相互銀行(現さくら銀行)入行、91年さくら抵当証券の常務を経て、93年にシグマに入り、94年から常務。シグマはテクニカルマネージメント、環デザインと2000年10月1日に合併し、その折元SNKの森氏が社長に抜擢されていた。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの対戦格闘ゲーム「燃えろ!ジャスティス学園」(初登場)、2位はセガ社「バーチャストライカー 2バージョン2000」。TVゲーム完成品部門……1位はセガ社の競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ2000」(19回目)、2位はコナミ「コンフィデンシャルミッション」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はメイクソフトウェアの写真シール機「フォト&シール・クルクル」(初登場)、2位はオムロン「フラッシュショット」。


 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。