2000年12月1日号

Last updated on November 24, 2000

特報

 セガ社はネットビジネスの世界一を目指すため、あえて4年連続して最終赤字を出すことになった。
 ソニーのゲーム部門は「PS2」の生産遅れなどで、連続3つの四半期にわたり営業赤字となった。

海外

 米国インディアナポリス市条例について、連邦高裁は決定を出すまで条例施行を差し止めした。
 伝統ある英国業界紙「コインスロット」をATE社が買収、「ゲームプレイ」と統合した。

国内

 セガ社は新作展を開催、CGゲーム機「エアトリックス」など新作を多数紹介した。
 アルゼはパチスロ新作展を開催、SNKの「プロスロット大花火」も紹介した。


2000年12月1日号のニュースダイジェスト

上の写真はアルゼ新作展で(左から)川崎取締役、岡田社長、安藤本部長。下はセガ社新作展で(左から)森常務、岐阜特機の真鍋社長、セガ社の山下部長。

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はカプコン「カプコンvsSNK」、完成品タイプではセガ社「ダービーオーナーズクラブ」。

10年前の主なニュース

 米国連邦議会は1年後からTVゲームの並行輸入を認めるという時限法を可決した。米国AMOAエキスポ(10月25‐27日、ニューオーリンズ)はコナミ「TMNT」のヒットを除き、新ゲームが多い割に盛り上がりに欠けた。米国のユニバーサルスタジオ・フロリダは技術的なトラブルを克服し、やっと営業を開始した(1990年12月1日号)。

20年前の主なニュース

 ナムコが全面協力する「第1回全日本マイクロマウス大会」が開かれ、ロボット大会とともに空前の盛況となった。東洋娯楽機はよみうりランドに新タイプの遊園施設「大海賊」を完成させた。関西精機製作所は「スターファイブ」を英国ストリート社に製造許諾した。全日本遊園協会(JAA)は12月解散の手続きを決めた(1980年12月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. セガ社は「世界一のネットワーク・ゲーム・サービス・プロバイダー」となるための体制を整え、4年連続の最終赤字になるとの業績予測下方修正を発表した。家庭用「DC」を米欧で低価格で普及させるため、185億円のマイナス要因が発生し、2001年3月期は221億円の最終赤字になる見通しとなったが、2002年3月期には黒字回復するのこと。入交昭一郎副会長は取締役相談役に退き、佐藤秀樹専務が副社長に、大山俊道取締役兼イサオ社長が専務に昇格した。

 2. ソニーは10月26日に第2・四半期(7‐9月)決算を発表、ゲーム部門の売上高は前年同期比17%減の1,209億円、営業損失は2,807百万円と、連続して3つの四半期で営業赤字となった。自社制作ゲームソフトが大幅に後退したのと、「PSone」「PS2」などの生産不足、生産回復のための費用などが原因で、次の四半期でも営業赤字が続く見通しだ。なお「PS2」本体は国内累計で352万台出荷、ゲームソフトは800万枚出荷した。

 3. 暴力シーンのあるTVゲーム機を未成年者にさせないため隔離するという米国インディアナポリス市条例について、連邦控訴裁判所は10月18日、業者側の予備的禁止命令を求める緊急申請を仮に受け入れ、控訴裁が決定を下すまで条例の施行を停止させた。控訴裁は年末までに何らかの決定を出すと見られている。こうした条例は現在、シカゴ、セントルイス、サンディエゴでも議会で審理中であり、業界側では対抗していく構えだ。

 4. 英国で1958年以来発行されているゲーム業界向け週刊「コインスロット」がワールドフェア社の手から、業界団体系のATE社の手に渡った。国際的展示会ATEIを主催するATE社は広報誌「ゲームプレイ」を出してきているが、10月中旬以後これを「コインスロット」の中に統合させた。なおワールドフェア社はこれ以外の週刊「ワールドフェア」、月刊「ユーロスロット」などの発行をこれまでどおり続けていく。

 5.セガ社は11月上旬に新作展を開催し、開発子会社によるCGスケートボードゲーム機「エアトリックス」などを披露した。「ナオミ」基板使用の「スポーツジャム」、「WWFロイヤルランブル」、「F355チャレンジ・インターナショナルコースエディション」、「コズミックスマッシュ」などのTVゲーム機や、「スーパーグルグルステーション」などのプライズ機など多数披露しており、12月から来春発売分まで紹介したことになる。

 6. アルゼは東京と大阪でパチスロ機の新作「ドンチャン2」の発表会を開催、計13,000人もの業者を集めた。SNKなど含めたアルゼグループとして開いたもので、SNKのゲーム場向け「プロスロット大花火」や「NGP」用ゲームソフト、旧シグマ製TVメダルゲーム機、マネープッシャーなども合わせて展示した。子会社を統合して出来たアドアーズについて、アルゼの岡田和生社長は「パチンコ店経営は絶対にしない」と説明した。

 7.JAMMAは10月18日の理事会で金沢義昭氏が副会長を退任し、木村雅三理事が副会長になったことを明らかにした。金沢氏は10月30日にPCCWジャパン(旧ジャレコ)社長を退任退社しているが、いぜんJAMMAの理事に残っていることになる。先のAMショーで来場者が大幅減少したことについて、「TGSと重なった割には多かった」とした。自ら禁止した外国企業の出展を許した事務局の間違いについては、「事務手続きの不手際」として高橋専務が謝罪するにとどまった。

 8.「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はカプコンの対戦格闘ゲーム「カプコンvsSNK」(5回目)、2位は彩京/カプコン「ガンスパイク」。TVゲーム機完成品部門……1位はセガ社の競走馬育成ゲーム「ダービーオーナーズクラブ」(16回目)、2位はセガ社「東京バス案内」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「フラッシュショット」(7回目)、2位はメイクソフトウェア「フォト&シール・キララ 2」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。