2000年3月1日号

Last updated on February 17, 2000

特報

 名古屋地裁は、有名な競走馬の名前をTVゲームで無断使用したテクモに、損害賠償するよう命じる判決を下し、テクモは控訴した。
 シグマは第3社割当増資とTOBでアルゼの子会社になることになった。

海外

 セガ社は欧州業務用部門で、英国デイスレジャー社を整理、セガ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社に集約した。
 米国ウォルト・ディズニー社で3年ぶりに新社長が就任した。

国内

 アルゼは同社製パチスロ機が無断で改造され「8号営業」用メダルゲーム機として使われているとして、JAMMAとAOUに対し警告した。
 有力ディストリビューターのユウビスが和議申請した。


2000年3月1日号のニュースダイジェスト

パラシュート降下を体験するVRゲーム機「ジャンプゾーン」を設置した米国アーバインのFEC「パレスパーク」で(左から)パレスパークのヘンリー副社長、「ジャンプゾーン」を開発したイルージョン社のジェイコブ社長、ピーター・ビール会長

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はセガ社「パワースマッシュ」、完成品タイプではセガ社「サンバDEアミーゴ」。

10年前の主なニュース

 SNKは「ネオジオ」システムを全国各地で開いた説明会などで披露した。AOUは警察関係の社団法人として設立総会を開くことになった。タイトーは取引き業者との親睦会、TITをスタートさせた。ヒューマンは日本で初めて、ゲーム開発者養成学校を開校することになった(1990年3月1日号)。

20年前の主なニュース

 神戸の「ポートピア81」付帯遊園地の建設が始まった。アタリ社製品の日本での販売は、アタリジャパンだけでなく、セガ社とタイトーでも行うことが判明した。TVゲーム機メーカーの日本バーリー電子機器、近江電子工業が倒産した。米国ミッドウェー社の新社長に、デビット・マロフスキー氏が就任した(1980年3月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 名古屋地裁は1月19日、TVゲーム「ギャロップレーサー」、「同」において有名な競走馬の名前を無断で使用したテクモに対し、パブリシティ権を侵害したとして、22の馬主に約341万円の損害賠償をするよう命じる判決を言い渡した。テクモは先に一部の馬主に対し許諾料を支払ったが、その他の馬主とは金額で話し合いがつかないまま販売したため、馬主が訴えていた。有名人など「人」だけでなく有名馬にも顧客吸収力がある、と判決は認めた。テクモはパブリシティ権を認めるのは承服できない、として控訴した。

 2. セタ、SNKに続き、潟Vグマ(本社東京、真鍋勝紀社長)がパチスロ最大手のアルゼの子会社になることになった。アルゼはシグマの第三者割当増資(9億5千万円)と、真鍋社長夫妻の持ち株に対するTOB(資金16億8千万円)を通じ、2月29日付でシグマの株式の61.4%を取得する。今回の資本移動で、真鍋社長夫妻は自ら設立したシグマを手放すことになる。アルゼはグループ内のゲーム場経営をシグマに、それぞれ統合するとの構想を明らかにしている。

 3. 有力ディストリビューター、潟ウビス(本社東大阪市、川楠俊太郎社長)が和議申請し、大阪地裁は1月20日に保全命令を出した。フサイハ約54億円。71年6月にシンコー娯楽産業として創業、73年12月に潟Jワクスとして設立、92年2月現社名に改称した。7年にゲーム場経営のアイレムを取得、翌年アピエスと改称したが、99年4月アトラスに売却した。ゲーム業界の深刻な不況のため業績が悪化したのが原因。ユウビスでは具体的な再建策を進める、としている。

 4. アルゼは1月19日、同社パチスロを改造した機械が「8号営業」のゲーム上で無断で使われているが、商標法違反、著作権法違反(同一性保持権侵害)、不正競争にあたるとして、その指導をめぐりJAMMAとAOUに警告した。JAMMAは法令違反とならないよう会員に求める文書を出し、AOUは展示会の一部出展社に案内を送っている。この中でAOUはコピー問題と同じと捉え、「原則的には両者の話し合いによる解決」に委ねるとの姿勢を示している。

 5. 欧州でのセガ社業務用販売は子会社の英国デイスレジャー社を中心に構築されてきたが、1月までにデイスレジャー社は整理され、セガ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社(本社ロンドン、中西信夫社長)に販売を集約することになった。AWP機とスペアパーツの販売と社名は売却した。ボブ・デイス会長は退任した。欧州のゲーム場経営部門も大幅に縮小、ディズニーランド・パリ付属のゲーム状だけが残った。あと英国のAWP機部門であるJPM社グループだけが未整理のままとなっている。

 6. 米国ネバダ州のゲーミングコミッションは1月27日、コナミの子会社であるコナミ・ゲーミング社にゲーミング機の製造販売許可を与えた。これまで日系企業でネバダ州のライセンスを取得したのは、シグマゲーム社(シグマ真鍋社長の個人会社)、ユニバーサル・ディストリビューティング・オブ・ネバダ社(アルゼ岡田社長の個人会社)ぐらい。日本ではメダルゲーム機などゲーミング機の製造販売は規制されていないが、米国では連邦法と州法で大変厳しく規制されており、AMゲーム機とゲーミング機の区別も明らかとなっている。

 7. 米国ウォルトディズニー社(本社カリフォルニア州バーバンク、マイケル・アイズナー会長権CEO)は1月24日、12月までの第1・四半期決算を発表、増収増益と業績を回復させた。相変わらずテーマパーク&リゾート部門が貢献している。これを機に同社は3年間空席になっていた社長ポストに、ロバート・アイガー氏を昇格させた。アイガー氏はディズニー社傘下のTVネット大手、ABCグループ会長で、ディズニー社海外部門の責任者だった。また新任の上級執行副社長2名を含む5名からなる経営委員会を設置した。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はセガ社のCGテニスゲーム「パワースマッシュ」(2回目)、2位はナムコ「ミスタードリラー」。 TVゲーム完成品部門……1位はセガ社の音楽ゲーム「サンバDEアミーゴ」(3回目)、2位はコナミ「ダンスダンスレボリューション・サードミックス」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はオムロンの写真シール機「ピュアショット」(2回目)、2位はトーワジャパン「ストリートスナップ」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。