1999年12月15日号

Last updated on December 13, 1999

特報

 遊園地関係の世界的な展示会、IAAPAショー99(アトランタ)に日本のメーカーも多数出展した。

 昨年の米国ナムコ社に続き、米国コナミ社はゲーム機部門のIAAPA賞を受賞した。

海外

 ナムコは音楽ゲームのパイオニア、米国バーチャル・ミュージック・エンタテインメント(VME)社をその知的所有権ごと買い取った。

 イタリアの秋の展示会ENADA99はTVポーカーブームで拡大した。

国内

 セガ社は9月中間決算とともに、ゲーム開発部門とゲーム場運営部門を2000年に分社化することを発表した。

 コナミは中間決算で大幅な増収増益を示した。サミーは12月16日に株式を店頭公開することになった。


1999年12月15日号のニュースダイジェスト

IAAPAショー99で、上の写真はナムコが買収した米国VME社のネイプルズ社長と「クエストフォーフェイム」。下はゲーム機部門新製品賞を受賞した米国コナミ社のルドヴィッツ社長と「DDR」

ベストヒットゲームズ

TVゲームソフトウェア1位はナムコ「ミスタードリラー」、完成品タイプではコナミ(ダンスダンスレボリューション・セカンドミックス」。

10年前の主なニュース

 家庭用ゲームソフト「テトリス」の独占権をめぐる訴訟で、米国連邦地裁は11月13日、アタリゲームズ社ではなく、ソ連のエローグと契約した米国任天堂に独占権があるとの略式判決を下した。AOUは、AOUエキスポに出展できるのはAOUが新設した関連事業者賛助会員に限る、と規定を変更した(1989年12月15日号)。

20年前の主なニュース

 科学技術館主催「全国ロボット大会」が、ナムコの全面協力で初めて開催された。ヒット作「ジプシージャグラー」を開発した米国ミードウズ社が倒産した。国内では人気作のデータイースト「アストロファイター」、SNK「サファリラリー」についての製造許諾が始まった。(1979年12月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 遊園地関係の世界的な展示会、IAAPAショー99(11月17−20日、アトランタ)はさらに大規模となり、世界中から約3万人の業者が訪れた、遊園施設からアトラクション、ゲーム機まであらゆるAM機器、サービスを集めたもので、日本からサノヤス・ヒシノ明昌、トーゴ、川鉄商事が出展、またアトラス、SNK,コナミ、サミー、セガ社、ナムコ、旭精工の米国子会社が出展した。会期中さまざまな賞が贈られるが、今回はコナミ 「ダンスダンスリボリューション」がゲーム機部門の新製品で受賞した(98年にはナムコ「タイムクライシス U」が受賞した)。

 2. ナムコは11月10日、音楽ゲームのパイオニア、米国バーチャルミュージック・エンタテイメント社(VME)をその知的所有権ごと16百万ドルで買い取り、ナムコホールディング社の子会社にしたと発表した。VME社は音楽ゲーム「クエストフォーフェイム」を開発、PC版を94年に出荷した(PS版は97年出荷)。ナムコは業務用としてこれを共同開発し、このほど出荷する。ナムコではインターネットビジネスまで広い範囲で音楽ゲームを展開したいとしている。

 3. セガ社は11月26日に9月中間決算と、ゲーム開発・ゲーム場運営部門の分社化を発表した。中間決算は増収赤字だが、部門別売上高では業務用が市場縮小で44.6%減、オペレーション収入が店舗閉鎖などで15.5%の減、家庭用が米国での「DC」発売に伴い183%増となった。「DC」ベースのネットワーク事業をCSKグループの潟Cサオ(旧IICから社名変更)に譲渡し47億円の特別利益が出たが、人員削減に伴う特別退職金20億円、棚卸資産等処分損12億円など特別損失も計上した。

 4. セガ社の分社化はゲームソフト開発部門を約15社の子会社に移転、またゲーム場運営(オペレーション)部門を東日本と西日本の2子会社に移転する、というもので2000年中に実施する計画だ。同社ではこれまでのゲーム場での「3分間100円」という形態ではなく、「1時間1,000円」という「エンタテイメント・サイバースペース」空間を2001年から本格展開し、そのため2000年中に東京、大阪などに各10店実験営業する、としている。これは高速通信回線で接続した通信ゲームが中心になる、とのこと。ゲームの具体的な説明はまだ明らかにされていない。

 5. コナミは中間決算で、初めて連結決算を発表した。今期からオペレーション部門を分社化しており、連結で見たほうがわかりやすいこともある。単独中間決算の部門別売上高ではAM(業務用で主にTVゲーム)が565%増、GM(業務用で主にゲーミング機)が1.0%減、家庭用が68.6%増と好調。子会社のKCEO株式公開で77億円の特別利益も出たが、不動産処分で32億円の特別損失を計上した。

 6. ナムコの9月中間決算は当初予想通りの減収減益になった。部門別売上高では、業務用が市場後退で18.6%減、オペレーション収入が4.7%減となっている。タイトーは9月の業績修正どおり、4年ぶりの赤字となった。オペレーション部門は主力のゲーム場で前年同期を上回ったが、カラオケとシングルが苦戦し1.2%減となった。業務用は24.5%増と頑張った。カプコンは増収減益で、部門別では業務用が49.7%減、レンタル機器収入が28.6%減と減らしたが、オペレーション収入が13.5%増、家庭用が31.2%増と伸ばした。

 7. サミー梶i本社東京、里見治社長)の株式が12月16日に店頭公開されることになった。75年設立のサミー工業が97年社名変更したもので、99年3月期(単独)の売上高構成比はパチスロ77.6%、パチンコ8.3%(7号営業遊技機は計85.9%)、業務用AM機8.5%、家庭用ゲームソフト4.4%、オペレーション収入1.2%となっている。業務用AM機部門については98年設立の子会社、サミーアミューズメントサービスが担当、米国では子会社サミーUSA社がある。

 8. イタリアの秋の展示会、ENADA(ローマ)ではTVポーカーゲーム機の氾濫で業界が拡大したが、AM機のTVゲーム機は市場を減らした。元々ギャンブル機は禁止されているが、95年の法改正でリデムプションゲームが容認されたのを機にギャンブル化が進んでいるもので、春のENADAスプリングのときは社会問題化し、TVポーカーは取り締まりの強化で減少すると見られていた。ところが業界は、一回の賭金を下げるなどしてギャンブル性を薄めたため取締りが少なくなった、と説明されている。

 9. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲームソフトウェア部門……1位はナムコのアクションゲーム「ミスタードリラー」(初登場)、2位はテクモ「デッド・オア・アライブ 2」。TVゲーム完成品部門……1位はコナミのダンスシミュレーションゲーム「ダンスダンスリボリューション・セカンドミックス」(7回目)、2位はコナミ「ドラムマニア」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はトーワジャパンの写真シール機「ストリートスナップ」(18回目)、2位はメイクソフトウェア「エル」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。