1999年6月1日号

Last updated on May 24, 1999

特報

 英国ロンドンで直径および高さ135mと世界最大の大観覧車、「BAロンドンアイ」の建設が始まった。

 トーワジャパン、丸石産業、ビスコが相次いで経営を破綻した。

海外

 米国で2000年1月に発行される新1ドル硬貨のデザインが5月4日発表された。

 ドイツの遊技機展、IMAが再び1月開催になる可能性が強まっている。

国内

 セガ社は99年3月期業績を大幅に下方修正、大赤字になるとしてリストラ計画を発表した。

 反対にソニーは、家庭用ゲーム部門が大いに貢献したとする99年3月期決算を発表した。


1999年6月1日号のニュースダイジェスト

神奈川県の大規模商業施設「小田原シティモール・クレッセ」内にオープンしたタイトーアミューズメントシティ小田原店」は、ゲーム場(写真はその一部)とボウリング場「Xボウル」で構成されている。

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー2 ver.99」、完成品タイプではコナミ「ダンスダンスレボリューション・セカンドミックス」。

10年前の主なニュース

 日本アミューズメントマシン工業協会(JAMMA)は通産省関係の社団法人として設立許可を申請した。業者団体でありながら公益法人となるわけで、早くも制度的な矛盾を抱えることになった(1989年6月1日号)。

20年前の主なニュース

 空前の「インベーダー」ブームで、少年非行など全国で問題が深刻化している。JOUなど業者団体は、少年の深夜立入り禁止など自主規制を実施するが、全国的にはほとんど対策になっていない(1979年6月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 英国ロンドンのテムズ川沿いの観光開発用地に、高さ135m、25人乗りのカプセルが32個付いたウィールが30分で一回転するという、文字どおり世界最大の大観覧車「BAロンドンアイ」の建設が4月21日に本格化した。年内に完成、2000年1月に開業する予定。この大観覧車は片面側のフレームだけで支えられており、建設も横にしたままテムズ川上で組み立ててから立ち上げるというユニークなもの。カプセルも吊り下げタイプではなく、ウィールの外側にある。全体のプロデュースは英国航空(BA)が担当、マダムタッソーのタッソーグループがオペレーションを担当する。

 2. 米国で2000年1月にも発行される新1ドル硬貨のデザインが、5月4日発表された。表面は金色で、直径2.6cm。表側は子連れのインディアン女性、サカジャウィナの肖像。裏側は米国国章のイーグル、というデザイン。スーザン・B・アンソニー女史の肖像を描いた、1979年発行の旧1ドル硬貨は不評だった。新1ドル硬貨は自動販売機、ゲーム機など幅広く利用されることが期待されている。景気回復を目指し、米国のゲーム機業者団体などは新1ドル硬貨の発行を促す運動を長年続けてきた。

 3. ドイツの遊技機展、IMAはもともと1月開催だったが、98年から11月開催に変更した。ところが11月開催ではビジネスにつながらないことが判明し、再び1月開催に戻すとの提案が検討されている。しかしその場合、開催地は今までのフランクフルトではなく、少なくとも2001年までは会場の都合でニュールンベルグになる。このため主催する業者団体、VDAIは5月中にも会議を開き、結論を出す予定だ。

 4. 米国の連邦地裁は4月20日、コネクティックス社に対しマック用エミュレーター「バーチャルゲームステーション」(VGS)を出荷しないよう命じる予備的禁止命令を出した。「VGS」は「プレイステーション」用のゲームソフトを使えるようにするもので、ソニー・コンピューターエンタテインメント(SCE)は、BIOSで商標を無断で利用するなど知的所有権を侵害している、として訴訟を起こしている。コネクティックス社によると、すでに出荷済みの「VGS」には予備的禁止命令は及ばない、ウィンドウズ用の開発にも関係がないとしている。

 5. セガ社は4月28日、99年3月期業績予想を大幅に下方修正し、連結ベースで45,000百万円の二年連続赤字を出す見込みとなった。AM部門で売上高が16,000百万円計画を下回り、営業利益13,600百万円となるものの、「ドリームキャスト」を立ち上げた家庭用で売上高が計画を14,500百万円下回り、営業損失11,500百万円を出す。しかも業務用、家庭用で計33,300百万円の特別損失を計上するので、単独で32,800百万円の当期損失となる見込み。連結では米欧での「セガワールド」不振など重なり、赤字を増やす。このため大掛かりなリストラを進めることになった。

 6. ソニーは4月28日に99年3月期連結決算を発表。そのうち「プレイステーション」など家庭用ゲーム機関係は、売上高が前年比8.5%増の783,822百万円、営業利益は16.7%増の136,500百万円となり、ソニー本体にもっとも貢献する部門となっていることを示した。「プレイステーション」本体は国内では前年を下回ったが、米欧では伸ばしており、年間で2,160万台(前年度は1,937万台)出荷し、累計5,442万台となった。これに伴いゲームソフトも伸ばした。2000年3月期は次世代機の出荷を前に売上高が減少、設備投資もあり収益が悪化すると見られている。

 7. 「ストリートスナップ」の潟gーワジャパン(東京、正岡力社長)は4月30日に第1回不渡りを出し、事務所を閉鎖した、5月6日第2回不渡りを出し、17日に東京地裁に自己破産を申請した。負債は割引手形50億円の相殺前で200億円。滑ロ石産業(東京、稲次正年社長)も4月30日、5月6日と2回不渡りを出し、自己破産を申請した。負債は80億円。潟rスコ(東京、秋山哲雄社長)は5月6日、京都地裁に和議を申請した。負債55億円で、営業継続中。これらに関連し、建設機械レンタルのサコス鰍ヘトーワジャパンに対する229百万円、ビスコに対する866百万円、丸石産業に対する4,239百万円を含む不良貸付債権約80億円を特別損失に計上すると発表した。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャストライカー2 ver.99」(6回目)、2位はセガ社「クレイジータクシー」。 TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのダンスシミュレーションゲーム「ダンスダンスリボリューション・セカンドミックス」(2回目)、2位はコナミの「ビートマニア・コンプリートミックス」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はメイクソフトウェアの写真シール機「エル」(5回目)、2位はトーワジャパン「ストリートスナップ」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。