1999年4月1日号

Last updated on March 24, 1999

特報

 JAMMAの中村雅哉名誉会長(ナムコ社長)は、AM機で年少者が遊ぶことを禁じたドイツの法規制撤廃を要求した。
 エミュレーターソフト登場で、ソニー・コンピューターエンタテインメント(SCE)は米国で訴訟を提起した。

海外

 セガ社はドイツ、フランスのプルミエ・ロアジール社など業務用欧州子会社を整理再編しつつある。

国内

 AOUエキスポ99の来場者は前年比17%減の17,192人、初日夜のパーティー参加者は20%減の615人にとどまった。

 JAMMAはこれまで3回開いたアジアAMショーを継続しないことを決めた。


1999年4月1日号のニュースダイジェスト

今年1月の英国ATEIに伴うBACTAボールで(左から)ナムコの中村雅哉社長、ドイツのガーゼルマングループのパウル・ガーゼルマン会長

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー2ver.99」、完成品タイプではコナミ「ダンスダンスレボリューション」。

10年前の主なニュース

 任天堂の許諾を得ずにNES用ゲームソフトを製造できる、とする地位保全の仮処分をナムコは申請していたが、京都地裁はこの申請を却下した。JAMMAは総会を開催、理事3名を増員し、家庭用部会を設けた(1989年4月1日号)。

20年前の主なニュース

 日本で初めてドイツ製「シャトルループ」ローラーコースターが横浜ドリームランドに導入された。インベーダーブームでついにNHKテレビも特集報道した。ウコー・コーポレーション(内山光代社長)が倒産した(1979年4月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. AOUエキスポ99(2月17−18日)の来場者は前年比17.3%減の17,192人だったことが判明した。うち有料の当日入場券で入ったのは25%減の3,472人。報道関係も24.8%減の624人だった。初日の夜、赤坂プリンスホテルで開かれたエキスポパーティーには20.8%減の615人が参加したにとどまった。JAMMAの中山隼雄会長は来賓挨拶で、風営法による規制を緩和できるような努力がなされていない、と意見を述べた。AOUを監督する警察庁はいずれにも参加しなかった。

 2. ドイツでは射倖遊戯機が遊技場のほとんどを占めているため、AMゲーム機を置いていても未成年者は入場できないが、AMゲーム機しか置かないナムコのゲーム場でも未成年者が入場できないのはおかしい、との立場から中村雅哉社長は、JAMMA名誉会長としてロンドンで開かれた国際会議でこの問題を提出した。ドイツの遊技機協会、VDAIのパウル・ガーゼルマン会長(ガーゼルマングループ会長)は中村氏に同意し、政府に対して改善を要求していくとしている。

 3. アップル社「マッキントッシュ」で「プレイステーション」(PS)用のゲームソフトを使えるようにするエミュレーター、「バーチャル・ゲームステーション」(VGS)を米国コネクティックス社が開発、1月に米国で売り出したが、これに対しソニー・コンピュータエンタテインメント社(SCE)は販売禁止などを求める訴訟を連邦地裁に提出した。SCEは著作権法違反などを理由に掲げているが、根拠は示していない。コネクティックス社はSCEの訴訟について「残念だ」としている。

 4. JAMMAは2月24日の理事会で、アジアAMショーを継続して行わないことを決めた。これまでアジアAMショーは香港、シンガポール、上海と3回開いてきたが、これでアジアの主な都市は一巡し当初の目的は達成したこと、それよりも国内のAM市場が厳しい局面にありこれに対処する必要があること、が主な理由。高橋和治専務は、「予定された韓国では税金が高い、日本語表記ができない、を理由にした」としているが、出席した理事は「理事会ではそんなことを理由にしたわけではない」としている。

 5. 日本娯楽機械オペレーター協同組合(JOU、松本昭夫理事長)は昨年12月の理事会で組合解散を決定、2月9日の通常総会で解散を正式決定した。71年12月に発足した日本オペレーターユニオンを母体に、73年3月に設立されたJOUは98年12月までで事業活動を終えた。84年8月の新風営法成立に伴い、翌年1月にSC遊園協会が設立され、JOU組合員の大半がSC遊園協会に移った後も共同購入などの活動を続けていた。

 6. カプコンは2月24日、99年3月期業績予想を大幅に下方修正した。家庭用で3月発売予定のPSソフト「ディノクライシス」が7月に延期になる、開発再編で業務用も一部次期に繰り越しになる、パチンコ用液晶表示装置の納入も延期になる、また製品販売も計画を下回る、などによるもの。連結売上高は前回予想50,000百万円だったのが36,500百万円に、経常利益は8,900百万円が2,500百万円に、最終利益は8,000百万円が1,500百万円に下方修正されている。

 7. セガ社の業務用欧州子会社は英国のセガ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社を中心に、英国デイスレジャー社などがあるが、昨年から今年にかけ、東欧にあったデイスレジャー社の子会社を整理、またドイツのプルミエ・ロワジール社を閉鎖、フランスのプルミエ・ロワジール社の販売ラインもクーニック社に譲渡するなど整理した。ヨーロッパではこれまで多数の子会社が販売を担当していたが、実質的にセガ社製品の販売を伸ばしていくために、これら子会社を整理する必要があったもようだ。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャストライカー2ver.99」(3回目)、2位はコナミの「グラディウスW復活」。 TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのダンスシミュレーションゲーム「ダンスダンスレボリューション」(8回目)、2位はコナミ「ダンスダンスレボリューション・セカンドミックス」。 TVゲーム以外のアーケードゲーム機部門……1位はメイクソフトウェアの写真シール機「エル」(初登場)、2位はアトラス「スーパープリクラ21」。

 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。