1998年6月15日号

Last updated on June 6, 1998

特報

 セガ社は6月26日付けで執行役員制を導入、取締役を10人以内に大幅削減する。これに伴い業務用販売の中心人物だった、小形武徳副社長が退任する。

海外

 米国ナムコ・サイバーテインナメント社が再建計画を裁判所に提出、早ければ8月にも手続き終了の見通し。

 米国コナミは業務用と家庭用とに分離した。

国内

 株式を公開している業務用ゲーム機メーカーの98年3月期決算がほぼ出揃った。

 セガ社は家庭用の大幅後退で減収赤字に。タイトーはヒット作で業績を回復した。


1998年6月15日号のニュースダイジェスト

タイトーは5月25日、CGシステム基板「タイトーGネット」を発表した。写真上は発表会で(右から)中村 社長松高 本部長、林 本部長。下は発表会場。(次号で詳報)

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はセガ社「バーチャストライカー 2」、完成品タイプは コナミ「ビートマニア・セカンドミックス」 。

10年前の主なニュース

 法人申告所得ランキングで、セガ社など業務用各社の躍進目立つ。家庭用TVゲーム関係も「ファミコン」普及で一段と伸ばす(1988年6月15日号)。

20年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)のAM部会は、協会としての電取認可登録制度の開始を決めた。相次ぐ電気用品取締法違反防止のため実施するもの(1978年6月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. セガ社は5月22日、「執行役員制」の導入を決め、6月26日から実施することになった。これに伴いこれまで26人いた取締役を10人に削減、うち社外取締役が4人新任となる。大川会長、中山副会長(昇格)、入交社長、鈴木久司副社長(昇格)、広瀬禎彦副社長(新任)の5人が代表権を持ち、福島取締役が留任。業務用の小形武徳副社長らは退任し、子会社の業務に専念する。オペレーション担当の永井明専務らは取締役を退任、取締役会の決定事項を執行する「専務執行役員」となる。同社「執行役員」にはこうした専務執行役員、常務執行役員、単なる執行役員の3種類となる。

 2. 株式を公開している業務用メーカー各社の98年3月期決算がほぼ出揃った。うちセガ社は米国家庭用の不振で減収、特別損失を計上して赤字になり、カプコンは家庭用ヒット作で大幅増収だが、再構築で特別損失を計上し赤字となった。タイトーはヒット作で業績を回復。ナムコ、コナミ、アトラスは増収ながら減益となった。テクモは家庭用で増収だか利益は横ばい、ジャレコは減収赤字となった。消費不況など全般に業務用を取り巻く環境は一段と悪化している。

 3. 家庭用TVゲーム機の本体メーカーでは、SCEの98年3月期連結売上高が7,033億円に達し、任天堂の連結売上高5,346億円を大幅に上回ったことが判明した。97年3月期ではまだ任天堂のほうが多かったので、この一年で追い抜いたことになる。SCEは公開会社のソニーとその子会社SMEの共同会社で、株式をまだ公開していないため決算を発表する義務がないが、ソニーが連結決算で今回から「ゲーム」関係の売上高など発表するにいたっている。

 4. 米国のナムコ・サイバーテインメント社(NC)は収益構造を改善するためチャプターイレブンの手続きに入っているが、再建計画を5月4日に裁判所に提出した。当初の目的であるロケーションの賃貸料値下げ交渉が進んでおり、債務の全額返済を盛り込む再建計画で、早ければ8月中にも手続きを終える見込みとなっている。NC社はショッピングモール内のゲーム場の比率を下げ、映画などとの複合型ゲーム場を増やしたいとしている。同社は直営345店、レベニューシェア179店を経営する米国最大のオペレーター会社。

 5. コナミの米国販売子会社、コナミ・オブ・アメリカ社は業務用と家庭用に分離され、業務用はシカゴ郊外にとどまるが社名をコナミ・アミューズメント・オブ・アメリカ社と変更、木根淵明氏が社長となった。家庭用はコナミ・オブ・アメリカ社の名前を引き継ぎ、また引き続き佐野誠会長兼CEOが責任者となるが、西海岸のサンフランシスコ郊外に移転した。この移転は「米州地域での販売体制見直し」の一環と説明されている。またコナミは87年12月に子会社、ブラジルコナミ(サンパウロ)を設立したこともこのほど明らかにした。

 6. ユニバーサルスタジオ・フロリダ(オーランド)にまた一つ、大規模なアトラクション「ツイスター」が完成、5月4日オープンとなった。人気のアトラクション「ターミネーター2/3D」に匹敵するもので、5階建ての建物の中に大量の水と強い風で巨大な竜巻を作り出し、客は映画「ツイスター」の主人公になったような感じで竜巻と闘うことになる。同園では第二パーク「アイランズ・オブ・アドベンチャー」を99年夏オープンを目指し建設中で、このため「ユニバーサルスタジオ・エスケープ」と最近改称している。

 7. JAMMAなど3協会は業務用と家庭用の業界規模を測定するための調査結果をこのほど発表した。この調査は今回で3回目となる。それによると、97年3月期の業務用市場は製品関係が2,244億円、オペレーション関係が6,423億円の計8,670億円となった。前年比3.8%増でこれまでの二けた成長から大きく後退している。家庭用はハードウェアが3,995億円、ソフトウェアが4,805億円の計8,800億円となった(前年比11.7%増)。業務用の業者協会がなぜ家庭用の市場規模を測定する必要があるのかについては、特に説明があるわけではない。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はセガ社のCGサッカーゲーム「バーチャストライカー 2」(7回目)、2位はセガ社の「ファイティングバイパーズ 2」。 TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのDJシミュレーションゲーム「ビートマニア・セカンドミックス」(3回目)、2位はナムコの「タイムクライシス 2」。 TVゲーム以外のアーケードゲーム機部門……1位はコナミの写真シール機「プリプリキャンバス」(13回目)、2位はアイマックス/ジャレコの「なんでもシール委員会」。

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。