1998年5月1日号

Last updated on April 18, 1998

特報

 米国ASI98は出展社、来場者とも増加したが、市場は足踏み状態となっており、マイクロソフト社やインテル社の提唱するPCゲームの業務用化は一向に進んでいない。

海外

 中東ドバイで遊園施設とAMゲーム機の展示会、TPFCが3月上旬開かれ、SNK、コナミ、セガ社、ナムコのTVゲーム機などが紹介された。

国内

 バンダイは新タイプの子ども向け施設「ウルトラマン倶楽部」をオープンした。3年後に店舗まで増やす予定。

 「ぷよぷよ」開発で知られるコンパイルが和議申請し、経営破綻を明らかにした。


1998年5月1日号のニュースダイジェスト

新設したナムコ大阪ビルで(左から)ユウビスの川楠社長、ナムコの中村社長、テヅカの手塚社長

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はSNK「リアルバウト飢狼伝説 2」、完成品タイプはセガ社「セガラリー 2」 。

10年前の主なニュース

 ナムコに続いてセガ社の株式が、81年以来の店頭登録を経て、東京証券取引所第2部に上場された。ビリヤードブームを背景に、タイトーが全国大会を開催した(1988年5月1日号)。

20年前の主なニュース

 和歌山県白浜に大型サファリ遊園地「ワールドサファリ」がオープンした。カワクス(現ユウビス)の本社社屋が完成した(1978年5月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 米国ASI(アミューズメント・ショーケース・インターナショナル、3月26−28日、ラスベガス)の出展社、登録入場者数はやや増加し、市場回復の兆しを見せたが、全体にまだ停滞感が強く残っている。新ゲームは米国WSM社らと日系のセガ・ゲームワークス社、そして日本の有力メーカーの米国子会社などから披露された。マイクロソフト社やインテル社が提唱しているPCゲームの業務用化はなお関心を引いているものの、いぜんとして進んでいない。サミーUSA社の小間で紹介されたガエルコ社(スペイン)の「ラディカルバイカーズ」がけっこう注目された。

 2. アラブ首長国(UAE)の首都、ドバイで3月3−5日「テーマパークス&ファンセンターズショー」(TPFC)が開かれ、日本製TVゲーム機なども出品された。UAEはイスラム圏にありアルコール類はもちろん、ギャンブルも禁止されている。TVゲームなどを中心とする展示では有料プレイが一般的で、開場時間は10−13時、16−20時半と変わっている。ドバイに支店を持つSNKはアル・ハクバン社の小間で出品。ほかにコナミ、ミッドウェー/アタリゲームズ社の製品もアル・ハクバン社から出品となった。セガ社はMAFレジャー社、ナムコはサウジブラザーズ社を通じて出品した。

 3. SNKの米国子会社、SNK・オブ・アメリカ社の神野義一社長が退任、大阪本社に帰ったのに伴い、4月1日付けでジョン・バロン執行副社長が社長に昇格した。バロン氏の米国業務用業界での経歴は長く、87−96年に米国SNKで勤めた後、93−97年にセガ・ゲーミング社に移っていた。なおゲーミング関係では最大手の米国IGT社(インターナショナル・ゲーム・テクノロジー)が3月17日、英国のゲーミング大手であるバークレスト社を約7000万ドルでバス社から買い取ったと発表、大きなニュースとなっている。

 4. バンダイは新タイプの子ども向け施設「ウルトラマン倶楽部」の1号店を3月8日、東京・浅草でオープンした。同社キャラクタービジネスの新機軸となるもので、キッズエンターテインメント施設と呼んでいる。1号店には3億円投資し、初年度3億円の売り上げを見込んでおり、3年後には10店、年間50億円の売り上げを目指している。1号店は920uにウルトラマンのキャラクターで統一された物販、遊具を網羅しており、「ウルトラマン列車」や「キッズゲームコーナー」もある。

 5. 潟Rンパイル(広島市南区、仁井谷正充社長)が3月18日、広島地裁に和議申請し、倒産した。負債約75億円で、再建を目指し営業継続中。82年設立、当初はPCビジネスソフト開発だったが、家庭用ゲームソフトに参入、92年セガ社から出荷された「ぷよぷよ」で業務用に参入した。売上高は97年3月期がピークで6,945百万円、うちゲームソフトは85%を占めている。事業拡大を目指していたが、業績は後退、資金不足となったもの。

 6. ナムコは大阪府吹田市に自社ビルを取得、改装して「ナムコ大阪ビル」とし、3月23日関係者らに披露した。479uの敷地に5階建て、延べ床面積1,370uのビルとなっており、従来の大阪事務所からその大部分が移転するほか、家庭用ゲームソフト開発チームの一部も入る。同社の中村雅哉社長は、現在テヅカの手塚昭雄社長が初代所長として67年に大阪事務所を開設して以来の、自分の念願がやっと実現したと語った。

 7. SNKは3月17日に大阪本社で、19日に東京支店でプライベートショーを開催、ネオジオ新作「リアルバウト飢狼伝説 2」(RB2)、AM自販機「ネオレーザー」などを紹介した。これは「RB2」の発売直前で商談をすすめるために開いたもので、インタージオのプライズマシン「トップボンバー」も紹介された。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はSNKの対戦ゲーム「リアルバウト飢狼伝説 2」(初登場)、2位はセガ社の「バーチャストライカー 2」。 TVゲーム・完成品部門……1位はセガ社のCGカーレースゲーム「セガラリー 2」(2回目)、2位はコナミの「ビートマニア」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はコナミの写真シール機「プリプリキャンバス」(10回目)、2位はアイマックス/ジャレコの「なんでもシール委員会」。

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。