1998年3月1日号

Last updated on February 16, 1998

特報

  米国ラスベガスヒルトンホテルが7千万ドルかけて新設したアトラクション「スタートレック・ザ・エクスピアレンス」がオープンした。 

海外

 ナムコの米国オペレーション子会社、ナムコ・サイバーテインメント社が連邦破産法第11条の手続きを取って、経営の再構築を図ることになった。 

国内

 カプコンは98年3月期の業績見通しを売上高、経常利益とも上方修正したのに伴い、223億円の特別損失を計上、公開以来初の赤字決算となることが明らかになった。

 タイトーは「電車でGO!2高速編」を発表、完成品とキットで3月にも出荷することになった。

 


1998年3月1日号のニュースダイジェスト

ユウビスの高齢者向け「遊楽園」で、上はユウビスの川楠俊太郎社長(左)と本紙の赤木社主

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェア1位はSNK「サムライスピリッツ〜侍魂〜」、完成品タ イプはコナミ「ビートマニア」 。

10年前の主なニュース


 参議院地方行政委員会・風俗営業などに関する小委員会は、ゲーム機設置営業の許可制にもかかわらず遊技機賭博が多いとして再び問題にした(1988年3月1日号)。

20年前の主なニュース


 日本娯楽機械オペレーター協同組合(JOU)は定例総会開催に伴い、タイトー「スピードレース」など優良機械9機種について表彰した(1978年3月1日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. 米国のラスベガスヒルトンホテルで1月4日、ノースタワーにアトラクション「スタートレック・ザ・エクスピアレンス」がオープンした。文字どおり「スタートレック」を再現、体験できるもので、映像シミュレーター「ザ・ボイジ」をメインにしており、入場料は約10ドル。パラマウントパークス社との合弁事業で7千万ドル投資して完成した。カジノフロア「スペースクエスト」はアトラクションより早く97年11月にオープンしている。Web Siteはhttp://www.startrekexp.com/

 2. ナムコの米国オペーレーション子会社、ナムコ・サイバーテインメント社(NC社、イリノイ州ベンセンビル)が経営建て直しのため、1月29日に連邦破産法第11条(チャプターイレブン)の申し立てをした。ナムコは90年にアタリゲームズ社のオペレーション部門を買収、ナムコ・オペレーションズ社としたうえで、93年にアラジンズキャッスル社を買収してNC社としたもので、96年にエジソンブラザーズ社のゲーム場も買取り、全米最大のゲーム場経営会社となっていた。ナムコでは、NC社がショッピングモールなどロケーション賃貸契約の見直しを図るためと説明している。しかし、この手続きはかなり深刻な影響を与える、との見方もある。

 3. カプコンは1月23日、98年3月期の業績見通しを売上高、経常利益とも上方修正するとともに、223億円の特別損失を計上、当期損益では公開以来初の赤字となることを明らかにした。特別損失の内訳は、メキシコの販売子会社カプコンメキシコ社の清算に伴う86億円、米国家庭用の繰越し欠損金が残っていた米国の持株会社カプコンUSA社での評価損87億円、業務用の海外提携先に対する不良債権20億円、国内の大口融資先に対する引当金30億円。海外販売提携先、国内大口融資先については具体名を明らかにしていない。バランスシート上のリストラと解されている。

 4. 公正取引委員会は1月20日、潟\ニー・コンピーュータエンタテインメント(SCE)に対し、家庭用「プレイステーション」(PS)の取り引きで独占禁止法に違反しているとして、同法に基づく排除勧告を出した。これはSCEが小売店などに対し、PSゲームソフトの販売価格維持拘束、中古ソフトの取り扱い制限などしているとし、これらの行為の中止を求めるもの。SCEはこれに対し、「違法な行為はない。中古ソフトを支持しないのは著作権保護からして当然」と反論。CESAなどソフトメーカー協会も中古ソフト排除キャンペーンを強めている。小売店など流通協会のARTSは、公正取引委員会の勧告を支持する見解を発表してい る。

 5. 潟ウビス(本社大阪府東大阪、川楠俊太郎社長)は大阪・天六に高齢者(50歳以上)向けのゲーム場「遊楽園」(300u)を12月27日にオープン、新聞や雑誌、テレビなどにも取り上げられ大きなパブリシティ効果を上げている。ユウビスでは、「プリクラで増えた女性客も減少傾向にある今、次に増やせる客層は高齢者だと考え、新規オープンに際し実験店として実施した」と説明している。設置ゲームは「電車でGO!」など年配客が比較的容易に遊べるもの。このため男性中心だが、婦人のグループや身障者など家族連れに評判がいい。

 6. タイトーは1月21日、「電車でGO!2高速編」を完成品とキットで3月にも出荷すると発表した。JR秋田新幹線や在来線で最速の北越急行など高速路線の運転をリアルに再現するもので、スピード感を加えたのが特徴。前作は97年3月以来約2,000台出荷してゲーム場の人気者となった。後継機「2」は完成品600台、キット1,400台の予定。家庭用PS向け「電車でGO!」はすでに75万枚以上出荷しており、ヒット作となっている。

 7. AOUアミューズメントエキスポ98(2月18-19日、幕張メッセ)の出品予定機種は「ゲームマシン」本紙で網羅した。それによると全般的に、TVゲーム機ではいわゆる「2」ものが多く、またピークはすでに過ぎたとされるAM自販機や景品類が相変わらず多くなるもよう。消費税率アップなどにより消費はダウンしており、ゲーム場の売上高も大幅に後退しつつあるとされている時期だけに、画期的なヒットゲームの登場が多望されているが、多くのメーカーにとっても厳しい局面にあり、展示会としては低調になると予想されている。

 8. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はSNKネオジオのCG格闘ゲーム「サムライスピリッツ〜侍魂〜」(前回2位)、2位はセガ社「バーチャストライカー 2」。TVゲーム・完成品部門……1位はコナミのDJシミュレーションゲーム「ビートマニア」(初登場)、2位はセガ社「ハーレーダビッドソン」(初登場)。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はタイトーの写真シール機「写してちょ!」(前回2位)、2位はセガ社「カレンダー倶楽部」。

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えています。