1998年1月1-15日号

Last updated on December 29, 1997

特報

 アトラスの米国子会社、ADE社が米国APBI社、SNKとその米国子会社を特許の独占使用権侵害で連邦地裁に訴えた。米国SNKは、その特許をADE社は所有していないと反論している。 

海外

 イタリアのENADA97はこれまでの最大規模となったが、非合法のギャンブル機導入をめぐる混乱が続いている 。 

国内

 データイーストは「スタンプ倶楽部」の権利をセガ社に譲渡し、業務用ゲーム機開発から事実上撤退することになった。
 大阪地裁は、「改変カード」は著作権侵害だと訴えたコナミの主張を退けた。

 


1998年1月1-15日号のニュースダイジェスト


セガ社新製品発表会のようす(大阪会場)

ベストヒットゲームズ

 TVゲームソフトウェアはSNK「月華の剣士」、完成品はナムコ「ラピッドリバ ー」が1位。

10年前の主なニュース

 東京都AMOP協会(現東京都協)は赤字に陥っていたが、AOUエキスポの業務受託収入で財政を立て直したことを総会で確認(1988年1月1日号)。

20年前の主なニュース

 スロットマシンなどを設置しているメダルゲーム場は前年比21%増の1,544店になった、と警察庁が77年12月に発表した(1978年1月15日号)。

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【ニユースダイジェスト】

 1. アトラスの米国子会社、アトラス・ドリーム・エンタテインメント(ADE)社は11月25日、米国イメージウェアソフトウェア社が持つ特許の独占的使用権を侵害されたと、米国のAPBI社、SNKとその米国子会社を連邦地裁に訴えた。同社はまたAPBI社が持つ特許の無効宣言も求めている。これに対し、米国SNK社は、ADE社はイメージウェア社の特許を所有しているわけではない(特許侵害訴訟の当事者資格がない)ので訴えはまったく不当だと反論している。アトラスは97年10月から半年間に米国で「プリント倶楽部」を5,000台していると発表している。

 2. イタリアのEnada97(10月16−19日、ローマ)は25回目の開催で、過去最大の規模となったが、95年10月にリデムプションゲームが認められて以来、ギャンブル機の認められていない同国市場にギャンブル機がはびこっており、混乱が続いている。もっとも今回はギャンブル機の出品が大幅に後退した。主な出展社は、SNKネオジオを中心に展示したゲビン社、セガ社製品など扱うテクノプレイ社など。基板タイプだけでなく、完成品タイプにも需要があり、健全なAM機市場として発展することが期待されている。

 3. データイースト梶i本社東京、福田哲夫社長)は12月4日、「スタンプ倶楽部」の権利をセガ社に譲渡し、それに携わってきた30人をセガ社に出向させたと発表した。これに伴い同社は業務用AM機開発を中断、事実上撤退し、家庭用などに専念することになる。同社は76年4月設立の業務用メーカー、86年から家庭用にも進出した。この間86年にフリッパー開発の米国データイースト・ピンボール社を設立したが、セカ社に売却した(現セガ・ピンボール社)。97年中の業務用TVゲームはネオジオ用「マジカルドロップV」、セガ社「ウィンターヒート」だけ。

 4. コナミが同社家庭用TVゲームソフト「ときめきメモリアル」の内容を変えたとして、スペックコンピュータ梶i本社福岡、永山久社長)を訴えていたが、大阪地裁は11月27日の判決でキャラクターの無断使用を認めたが、コナミが強く主張する著作物の無断改変は認めなかった。これは「ときメモ」用メモリーカードを併用することにより、ゲーム途中のストーリーを省略して一気にラストシーンまで行けるようにしたものだが、元のゲームは改変されているわけではないとして、コナミの訴えを退けたもの。コナミは控訴した。

 5. バーチャリティ梶i本社東京、福原康児社長)は1月1日付けで社名をエーアイキューブ鰍ノ変更、新事務所で業務を開始する。同社は、英国バーチャリティ・グループ社の完全子会社として91年11月に設立されたが、親会社が97年2月に経営を破綻させたため、福原社長が日本法人を買取り、またドイツのサイバーマインド社に移っていた業務用VRゲーム機「バーチャリティ2000」に関する技術も譲りうけていた。詳しくはウェッブサイト参照。http://www.aicube.com/

 6. 「ゲームマシン」チャートから。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はSNKの対戦ゲーム「月華の剣士」(初登場)、2位はカプコン「ストリートファイターVセカンドインパクト」。TVゲーム・完成品部門……1位はナムコの急流下りゲーム「ラピッドリバー」(初登場)、2位はナムコ「ファイナルハロン」。 TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はコナミの写真シール機「プリプリキャンバス」(5回目)、2位はナムコ「スタアオーディション」。

 7. 同じく97年下半期(7月−12月)チャート集計分から。TVゲーム・ソフトウェア部門……1位はナムコ「鉄拳3」(上半期16位)、2位はナムコ「子育てクイズマイエンジェル 2」。TVゲーム・完成品部門……1位はタイトー「電車でGO!」(上半期19位)、2位はセガ社「ハウス・オブ・ザ・デッド」。TVゲーム機以外のアーケードゲーム機部門……1位はアトラス/セガ社「プリント倶楽部 2」(上半期1位)、2位はSNK「ネオプリント」。

 8. さて年間(1−12月)のチャート集計分では、二つのTVゲームに Game of the Year のタイトルが贈られる。まずソフトウェア部門ではナムコ「鉄拳 3」(97年3月発売)に決まった。2位はカプコンの「Xメンvsストリートファイター」(96年9月発売)だった。完成品部門ではセガ社「バーチャファイター3」(96年9月発売)に決まった。2位はセガ社「電脳戦機バーチャロン」(96年1月発売)。その他アーケードゲーム機の1位はアトラス/セガ社「プリント倶楽部 2」(96年12月発売)、2位はSNK「ネオプリント」(96年10月発売)だった。

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきました。